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見えすぎちゃって困るの~♪

1960年代や1970年代あたりは特に、このタイトルのように色気を振りまいたCMが多かったですよね。誤解なさらないでくださいよ。わたしは年齢詐称なんぞしておりません。「なつかCM」(TBS「テレビ探偵団」のコーナー:あの番組自体、もはや懐かしい)で見て知っているだけですからね。

今回は(も)残念ながら、そういう色っぽいお話ではありません。仕事に必要な調べ物をしていて、ちょっと……気になってしまって。どちらかといえば「見られすぎちゃって怖いの~」という話題です。

※「こういう考え方もあるんだな」と捉えていただければ幸いです。

プライバシーとワントゥワンマーケティング

たびたび問題となりニュースでも取りあげられる、顧客データを扱う企業や自治体・省庁などによる個人情報の漏えい

「マルウェア(コンピュータウイルス)に感染した企業のコンピュータが、顧客データに登録されていた人々にメール攻撃をした」「企業の元従業員が顧客データを悪用した」「サイバー攻撃によって企業の管理下にあったメールアドレスが流出した」

明らかな故意・悪意による漏えい、どこからか攻撃されて知らないうちに攻撃側にまわっていたというケース、設定を間違えてうっかり登録されていたアドレスを表示させていた……など、個人情報漏えいの実態はさまざまです。

犯罪絡みや不注意による漏えいはもちろん怖いけれど、わたしが個人的にちょっとイヤだなあって思ったのは、これからとりあげる「ワントゥワンマーケティング」です。

ワントゥワンマーケティングは総合的な顧客情報を集めやすいため、喜んで取り入れている企業は多いでしょう。しかし、使用するシステムによっては、顧客(商業施設周辺の通行人も含めて)が望むかどうか関係なく――「緊急取調室」の天海さんじゃないけど――彼らの行動が「丸裸」にされてしまいかねません。

ワントゥワンマーケティングで使われる技術

ワントゥワンマーケティングで、顧客情報を集めるためにどのようなシステムが使用されているのか、例を挙げます。

「顔認識技術」は、出入口などの様子を自動的に識別するアプリによって人の動きを把握できるシステムです。「科捜研の女」を見ている人なら「顔認証システム」を連想するとわかりやすいでしょう。店舗に限らず、オフィスビルや病院でも使用されていますね。

「何を着たかだけじゃなくて、サイズまで知られちゃうの!?そんなの絶対いやァ!!」と思ったのは、顧客が手にとったのはどのような服で、店内のどこへ持ち歩いたのかがわかるシステム。顧客がどのような服(色・形・サイズ)を選んだのか、ビッグデータとして管理されます。

顧客が服を試着したかどうか、試着後に購入したか、元の場所に戻したのか。こういった行動データを服の形などと合わせて次回の接客に生かすそうですが、わたしは対面で接客する店員にもできればサイズを知られたくないので、そのようなシステムの店舗ではあまり購入したくありません。

ワイヤレスヘッドホンをつなぐのに便利なスマートフォンのBluetoothも、ワントゥワンマーケティングに使われます。信号によって商業施設内の滞在時間などをデータ化するそうです。

ほかにもさまざまな方法で、人々の購買行動が丸裸に、いえ、明らかにされていきます。

見えすぎちゃってる?個人情報

商業施設に入ると感知され、中を歩くとどこへ行ったか何時間いたのか把握され、たまたま立ち止まったテナントのクーポンが自分の思惑とは関係なく配信される……

個人情報の「漏えい」ではないものの、これはこれで個人情報が見られすぎて怖い。

商品を提供する店舗側や、常連客のように多く来店する人にとっては便利な機能でしょう。しかし、そこまでなんでも揃っていなければ、接客さえもできないのだろうか?店舗連動アプリを便利に使っていると思っている人たちは、自分の情報がどこまで見られているのかをわかっていて任せているのだろうか?

……などと、余計なお世話ながら思いました。

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