見出し画像

渡辺真知子というひと。(2)

noteの場合は自分で読み返してもカウントされてしまうそうなので、何度も過去の記事を見返さないようWordにも保存しています。このシリーズに関してはご本人の画像をあからさまに散りばめるのは難しいので、Wordと内容が若干違います。

Wordは資料も兼ねた保管用なので、導入部分は自由に書き、要所要所に画像も差し込んでいます。前回の導入部分にあたる箇所には、1978年「かもめとあった日・ファーストコンサートツアーを終えて」という記事の画像を貼って、服装に関するコメントを書きました。

さて、制約の多い中で今回のテーマはこちらなんだから難しい。

このテーマにおいては曲の内容に対する言及はありませんので、あしからず。

真知子さんの「いろいろな顔」

たとえば、デビューから80年代初頭あたりの渡辺真知子さん。この3~4年間を切り取るだけでも、見るたびに印象……というか、顔が違う。めちゃくちゃ凜々しく美しいと思えば、「え!?誰??」というほど別人のような顔つきになる。あるときには、ずいぶん幼くかわいい表情も見せる。

しかも、年代を経て移り変わっていくのとはまた違い、同時期の媒体においてまるで別人のような顔立ちになるのだから不思議である。それをすべてひっくるめて、渡辺真知子という女性の顔ができあがっている。

ひとりひとり感覚や好みが違うので、わたしが例として挙げる顔が同じように綺麗だと思うか、かわいいと感じるかは保証しないけれど、わたしの主観以外に、ネットや過去の映像・雑誌などに出ている客観的な意見も取りあげて考察してみたい。

考察①:彼女は美人なのか――まず話はそこからだ

はじめから挑戦的ではあるが、わたしの持論は「真知子さんは可愛らしいひとだ」なので、そこへの着地を目指して展開していこうと思う。

過去の映像や雑誌を拝見していると、真知子さんはデビューの頃から実力は認められているものの、それほど美人でもない扱いを受けているように思えた。これから、どのように彼女が扱われて(いじられて)いるのかを挙げてみる。

ケース①「渡辺真知子嬢はブスなのか?」篠山紀信

月刊明星1979年1月号の「新・紀信話しながら撮ろう」という連載より。サブタイトルは、渡辺真知子「何故?」。5ページものカラーページなので、ファンにとっては嬉しいはずだが、どの表情にもキツさが目立つ。

――個人的には特集1ページ目の、しゃがんで柱にもたれる物憂げな顔は好きだが。

篠山さんは「『渡辺真知子嬢はブスなのか?』と聞かれたら『ブスだ』と答える」と冒頭で述べている。

本文にあるとおり、スケジュールが押していたせいもあってしこりが残ってしまったのか。ほんとうは、撮影自体は和やかに進んだが「あえて今回はこういう路線にしましょう」と尖った面を見せているのか。実情はわからない。

この特集だけ見てしまえば「かわいい」と言いがたいかもしれないが、真知子さんはこの号で原田真二と表紙を飾っていて、別の見開きページではサザンとの対談ではしゃいでいる。ふだん着チェックコーナーでも笑顔だ。


ケース②「顔を気にしてはいけませんッ!顔は身体の飾り物!!」小松政夫

「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」の「渡辺真知子ちゃんをバックアップ」では、いきなり出てきた小松氏に、のっけから上のように畳みかけられる。すっかり「美人ではない」という前提ができあがっているようだ。

しかし、実際に歌っているときはもちろん、伊東四朗さんがひっどい似顔絵を描いて見せたときの笑顔や、2人が言い争っているときの唖然とした姿は少しあどけなく、可憐でさえあった。

【動画を見た人の感想(抜粋)】

・掛け値なしにかわいい、(ふたりに対して)引いてる顔もかわいい

・歌うまいし、ちょーかわいい


ケース③フジテレビ「夜のヒットスタジオ」(1978年4月3日)

おもむろに、司会の井上順氏が始める。

「真知子ちゃんはね。いろんな方が、歌手の方が出てくるよね、女の人でも。意外と細い方が多いでしょう?」

そう言われた途端、どういう話の展開になるか想像できたのか、笑顔を保ちながらも視線を下に落とす真知子さん。井上氏が続ける。

「その中においてなんか、すごいなんかズシッとして重みがあってなんかあの」

セクハラやモラハラなどという言葉のない、のんきな時代である。芳村真理さんも「豊かなかわいい感じよ、ねぇ」とフォローっぽいことは言うが、発言の否定はしなかった。これでは太めだと言うのに等しい。

決してそんなことはないと思うが。歌っているときに様々な角度から撮られるのを見る限り、細かいドット柄のワンピースが似合っていて、細くてかわいいと思った。

【動画を見た人の感想(抜粋)】

・この渡辺真知子で、ぽっちゃりいじりか…。

・この頃の真知子ちゃんすごく細いと思ってたけど、南沙織が出て来て横に並んだら… →正統派アイドルとされる彼女が横にきてしまっては、仕方ないのかもしれない。

★ここまで、雑誌や動画から3つのケースを紹介したが、ほかの動画を見た人の感想を挙げておく。

・ゾクゾクする目力に何度でも魅せられる(ブルー)

・笑顔が眩しすぎる/美しい。若いのにすでにかなり落ちついている/かっこいい…(かもめが翔んだ日)

・男から見てホントに魅力的だ、明るくて可愛くて楽しげで/素敵だっ!笑顔がたまらない(唇よ、熱く君を語れ:「ザ・ベストテン」雨天の中継先)

以上から、真知子さんは可愛らしい・美人であると結論づけてよさそうだ。

考察②:わたしが似ていると思う女性芸能人――あくまで主観

映像や雑誌などでは写りにムラのある真知子さんだが、「HOLD ME TIGHT」あたりまでのEP盤ジャケットは、どれもきれいに仕上がっているのではと思う。「迷い道」も、髪の毛がブワッと上がってインパクトはあるものの、顔自体は極端に写りが悪いとは思わない。

異論・反論は承知のうえで、レコードジャケットを見ていてどことなく似てるなあ、って思った女性有名人を挙げてみる。

「HOLD ME TIGHT」はドラマ「ゆうひが丘の総理大臣」あたりの藤谷美和子となんとなく似ている気がする。ふたりとも茶目っ気があるせいだろうか。ゆうひが丘の総理大臣で画像検索してみると、ジャケットは関係ないが、由美かおるさんとも、ときどき雰囲気が似ている

「メロディ」では、なぜか「ドリーミー・ドリーマー」を歌っていた頃の石川優子を思い出した。そんなに曲数知らないけど、彼女の歌も好きだったな。

あと、漫画だけれど「三丁目の夕日(西岸良平)」の、茶川竜之介さんが出てくる話に絡んでくるヒロミさん。髪は短めだが目の離れ具合やまつげといい、似ているように見える。

考察③:似ているとされる女性有名人――「なるほど」から「そう?」まで

ここでは、ネットで拾った「真知子さんって○○に似てる」の声を集めてみた。

まず、先にもとりあげた「真知子ちゃんをバックアップ」の感想から2つ。

「堀ちえみかと思った」→確かに、歌い終わった後の笑顔が似ている。

「ちょっと伊藤蘭さんにも似ている」→この動画ではそれほど似ているとは思わなかったが、ふたりとも少し垂れ目なので、メイク・髪型によっては似ているときもある。

次は、動画に使われているサムネイルを見た人の感想。

「サムネが二階堂ふみに似てる」→このコメントが指しているのは、迷い道のEPジャケットと同じ白い服を着た、ショートカットのモノクロ写真である。確かにとても美人だが、肝心の二階堂ふみはどんな顔だったかな……と検索。なるほど、すました顔がこのサムネイルと似ているなと思った。

他に似ていると言われて「そうだ!!」と合点がいったのは、元NHKアナウンサーでフリーの有働由美子さん。笑顔がそっくり。有働さんもけっこう好きだが、これは盲点だった。

あとは、釈由美子・桐谷美玲・本田翼という声もちらほらあるが、このあたりはどうだろうな。どちらにしても、タヌキ顔やヒラメ顔と言われる反面、このようなきれいどころが引き合いに出されるのは嬉しい限りである。

   ◆    ◆

結局、ころころと変化する真知子さんの顔は、そのときどきで違うから余計に魅力的なんでしょうね。いつも違うから素敵というのは、真知子さんのライブにもいえますが……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?