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渡辺真知子というひと。(4)

2021年も半分が終わりましたね。ぶらりと旅に出るのが好きなわたしだけど、もうしばらく……どこにも出かけていないなぁ。このご時世だもの。

――ほんとうは単に金銭的な余裕がないせいだけど、今は「コロナのせいで」と言っておけば、それなりに体裁がつくし、自粛ムードは相変わらず続きそうなのでね……

さて、旅のおともに……旅というほど大げさではない移動でも、わたしにとって音楽は欠かせません。旅行や移動の際、まずわたしがリストに入れる真知子さんの曲は「今はどのあたり」。どこへ行くにも必須。

外国には行かないけど、さすらう気分を盛り上げたいので「異国にて」も入れる。「夕暮れ Station」もいいね。メジャーな曲から「迷い道」「哀愁トラベラー」なども入れようか。「かもめが翔んだ日」は?当然、無条件でリスト入り。駅メロも一緒に。

最後に、個人的に忘れてはならないと思っている曲は、今回のテーマソングである「Lonely Railway」……

Around 1979~銀河鉄道999で旅でもしようか、帰りは「Lonely Railway」

1979年――昭和54年の9月21日にEP「季節の翳りに」のc/wとして発表されたLonely Railwayは、作詞が伊藤アキラさん、作曲は真知子さん、編曲が船山基紀さんという磐石トリオによる楽曲。同年12月21日に販売された4thLP「メモリーズ」にも入っている。

ときに、わたしも真知子さんと同じで、夕方の再放送をかじりついて見るほど「アタックNo.1」が好きだった。しかし、それ以上に好きなアニメは「銀河鉄道999」で、テレビアニメ版のDVDを全巻揃えるのはさすがに無理だったが、映画のDVDは買った。

1979年は、銀河鉄道999の映画が公開された年である。ちなみにテレビアニメも1978(昭和53)年から1981(昭和56)年で、時期は重なっている。

1979年前後は、なにかと鉄道絡みのことが多い印象がある。たとえば、SLやまぐち号の運行が始まったのは同年8月1日だ。

国鉄の「いい日旅立ち」キャンペーンもそうである。1978年11月に始まったいい日旅立ちキャンペーンは、百恵さんが歌う同名曲にも後押しされ、1984(昭和59)年1月末までの長期にわたって行われた。

また、旅に関する楽曲といえば、大塚博堂さんの「旅でもしようか」がNHK-FMイメージソングとしてテレビで頻繁に放送されていたのも1979年である。後年この曲を知ったときに初めて聴いた気がしなかったので、おそらく幼い頃、無意識にすり込まれたのだろうと思う。

映画の主題歌となったゴダイゴの「銀河鉄道999」はもちろん1979年の楽曲で、異国の旅をテーマにした久保田早紀の「異邦人」も、発売は1979年10月。

これだけ名曲の多い中で、もう少し日の目を見ることができなかったのかな……と思うのが今回のテーマソング、Lonely Railwayである。

Lonely Rail-Way 席は みんな離ればなれ

Lonely Railwayを聴いていると、未だに鉄郎やメーテル、自分自身がみんな別々に車両へ乗り込んで、そのままあてのない旅を続ける姿を連想してしまう。

わたしが「メモリーズ」のCD選書を買ったのは10代後半だった1991年で、そのときに上のような時代背景を考えていて、雰囲気的にも999のキャラがとても似合う曲だなあと思ってしまったせいである。

Lonely ふりかえれば夢 傷ついたのあの人も
Lonely Rail-Way 次の汽車に 今乗るころ
Lonely そうよ同じ夢 同じ色に染めながら
Lonely Rail-Way すれちがうのね……

そして、今まで自分が別れたひとたちも、どこか知らないところで生きていることを考えながら、少しノスタルジックに浸る。

なにかのイメージソングにでも選ばれていたなら、一般的にまた違った捉え方をされていたのかもしれないと思う。A面の「季節の翳りに」も、大好きな曲ではあるけれど。

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