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渡辺真知子というひと。(13)

前回は、西城秀樹さんと一緒にやっていたラジオ番組について書きました。子供向け番組ではあるものの、案外、真知子さんの人柄や考え方がわかる放送だったなぁと思います。

理想の男性として挙げていた「目的を持っている人」……そういえば「ワインとあなたと(3rdアルバム「遠く離れて」ラスト曲)」でも「あなたと同じ夢を追いたいの」と歌っていましたね。

今回はTBSテレビ「ザ・ベストテン」と真知子さんの話題を。あれもこれも書きたいことがたくさんあるのに、以前から取っておいているネタ候補がどんどん塩漬け状態になっていっております……ああ。調べて書きたい。

’78「ザ・ベストテン」メロディたちの戦国時代

唐突だが、月刊明星1978年10月号「TVヤング・チャンネル」内の「ザ・ベストテン」見開きイラスト・ルポに「渡辺真知子がヒデキのアクションをまねしてた…」という一コマがある。おちゃめでかわいい。

イラストから、西城秀樹さんが「炎」のリハーサルをしているとわかるので、曲名は書かれていないが、真知子さんは「かもめが翔んだ日」でのランクインと判断できる。

ほかは「プレイバックPart2(山口百恵)」「リップスティック(桜田淳子)」「Mr.サマータイム(サーカス)」「林檎殺人事件(郷ひろみ&樹木希林)」「モンスター(ピンクレディー)」だったというので、この7曲がすべて入っている週であれば放送日がそうとう絞られると思ったけど……

1978年7月13日から8月3日の約1ヶ月間、この7曲は順序を変えながらもランクインしていた(※1)ため、どの日の取材イラストかはわからなかった。ちなみに1位はすべて、沢田研二の「ダーリング」

それにしても「カナダからの手紙」「微笑がえし」「勝手にシンドバッド」「わかれうた」「冬の稲妻」など、1978年にベストテン入りしている曲ってバラエティ豊かで、本当の意味で当時誰でも知っていた曲が揃っているな……これはなかなかランクインできないわけだ。

1977年11月にリリースした「迷い道」では、3月16日にようやく9位で初登場。ベストテンのスペシャル番組で見たことのある「信じて待っておりました」とお話していた回はこの日。この言葉ひとつとっても、真知子さんの知性を感じられる。

★スペシャル番組の字幕では「信じて待ってました」になっていたけど、間違いなく「待っておりました」と言っていた。

迷い道は5月11日までベストテンに残り、4月21日発売のかもめが翔んだ日は、ランクインが6月15日までずれこんでいる。(※1)

迷い道とかもめが翔んだ日はそれぞれ9回ずつランクインしたのに、「ブルー」は意外にも4回しか入っていない。しかも9位と10位。ブルーも発売から2ヶ月遅れてのランクイン(※1)だった。どれほど多くの名曲たちがしのぎを削っていたかが想像できる。

迷い道・かもめが翔んだ日は最高6位、ブルーは最高9位(※1)だった。しかし、ザ・ベストテン年間ランキングでは迷い道が26位かもめが翔んだ日はなんと16位(※2)。

迷い道のひとつ上、年間25位は平尾昌晃・畑中葉子「カナダからの手紙」だったが、26位より上の曲で週間最高6位なのは、これと真知子さんの2曲。ほかの曲は最高順位がどれも5位以上だ。

週間ランキングでは9位1回・10位3回だったブルーも年間34位(※2)と健闘している。年間ランキング50位に入っている曲は、49位の五木ひろし「潮どき」以外は週間8位以上になっているので、週間最高9位でこの位置に残っているのはすごい。ブルーは11~20位でも高得点を集めていたのだろう。

――なお、1981年に真知子さんのファンクラブがおこなった投票では「シングルで一番好きな曲」「シングル・LPあわせて一番好きな曲」のどちらも、第1位はブルーでした。

あれはどこ?いつ?「唇よ、熱く君を語れ」

ザ・ベストテンでずっと「贈る言葉」に1位の座を阻まれていた、1980年の「唇よ、熱く君を語れ」(※1)

当時は真知子さんの存在を知らなかったけれど、一度だけでもいいから1位を取ってほしかったなぁ。あとからデータを見ていて、とても歯がゆい。贈る言葉も好きだから悩ましいが。

真知子さんのザ・ベストテン関連で一番多く見かけるのは、やはり最高2位を記録した「唇よ、熱く君を語れ」の動画。当時はスタジオ出演だけではなく追っかけマンによる中継、VTR収録もあったようだ。

しかし、動画のすべてに日時が書いてあるわけではなく、どこから中継したか、もしくはどこで収録したのか、いつ放送されたのかわからない動画もあるので、今回は、できる範囲で調べてみた。

――でも、思ったほど解決できなくてちょっとくやしい。

まず「兄貴守るぜ四中の栄光」の垂れ幕が謎で強烈な、TBS中継車をバックに歌う4位の動画。4位だったのは3月20日(※1)のみ

ファンクラブ会報を見ると、この日は川崎で民音主催のコンサートをしていたとのこと。言われてみれば、バッチリきれいなアイメイク(自然体の真知子さんも、かわいいですよ)

2位にランクインして赤い服とジーンズでややゆったりめに歌っていた4月17日の動画は、コメント欄や動画冒頭で日付がわかる。

ファンクラブ会報に1980年の4月はレコーディングと作曲でオフと書いてあるため、どこか録音設備のあるところ――建物の詳細は、わたしにはわかりませんが――からの中継だったのではと思われる。

3月27日の3位については、動画のコメント欄で日付がわかる。収録か生放送かは不明だが、スタジオで歌っている。ちなみに、3月20日と27日、次で書く5月8日の動画で着ているトップスは同じである。

白いボックスにバンドメンバーがあがって演奏している7位の動画は、ほかに7位だった週はないため、5月8日のランキング(※1)で間違いないだろう。ファンクラブ会報からVTRであると判明。オフ中の4月23日に収録したそうだ。なお、この日はベストテンの後に「ドラポン」の収録もおこなったとのこと。

このVTRを収録したあと、4月24日(2位)と5月1日(3位)を挟んでいる(※1)が、この2週でも同じ映像を使ったのかは定かではない。

最後に――わたし個人としては一番興味深かったんですけどねえ~…
中継先で「追っかけマン」の松宮さんと相合い傘で楽しそうに歌っている第8位。8位はこの日だけだったため、5月15日の放送(※1)で確定。

しかし、中継先のことがちっともわからない。
動画のはじまりは「(公園って言った?)その中のただ一軒だけありますコーヒーショップの前からお送りしましょう」で、肝心な場所がカットされている。

飾り気のない「コーヒーショップ108」がなんとなく気になり、店名や年代などで検索したが出てこない。過去の天気予報で場所を探ろうとしたら、1980年5月15日は雨の降っている地域が多かった(※3)ので絞れず。頼みの綱であるファンクラブ会報にも、5月15日の予定は書かれていない。

「その中のただ一軒」もくせ者で、前につく言葉で印象がまったく変わってしまう。雨にもかかわらずギャラリーが多かったので、住宅地には近いのだろうか?謎が解き明かせず心残りである。

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今回の記事で参考にしたサイトはこちらです。
(※1)70-80年代アイドル・芸能・サブカル考察サイトidol.ne.jp
(※2)wikipedia:ザ・ベストテン(年間ベストテン)
(※3)goo過去の天気

特に、詳細なランキングは大変参考になりました。【idol.ne.jp】様の情報によるものです。ありがとうございます。

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