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渡辺真知子というひと。(10)

これまでたくさん某動画サイトのお世話になって真知子さん動画を拝見しましたが、今回は「かもめが翔んだ日」に限定してお気に入り動画を3つ選びました。

※スタジオライブなど、音声だけの動画は入れていませんのでご了承ください。

「唇よ、熱く君を語れ」「迷い道」なども多いので、そのうち選んでみましょうかね。

ところで……カラオケの採点モードって以前より甘くなりました?先日久しぶりに「うたスキ」でひとりカラオケしたら、90点超えが多くて驚いたんですが。5年もブランクあったのに、点数がよくなってるとか……おかげで楽しくすごせました。

かもめがたくさん翔んでいる~マイベスト3~

バイト先で憧れていた人を後ろに歌った「夜のヒットスタジオ(1978年5月22日)」や、「19XX」でツイストの「銃爪」などと一緒に放送された「ミュージックフェアのものでは?」といわれている動画も好きだけど、このシリーズ「渡辺真知子というひと。」を書いている間に、自分の中ではだいぶ順位が変わった。

「かもめが翔んだ日」お気に入り動画:第3位

人の意見など気にせず、まったくの独断と偏見で選んだお気に入り第3位は「第11回全日本有線大賞・最優秀新人賞」受賞時の動画。ほかの動画では切なげな表情を見せることが多い真知子さんだけれども、有線大賞ではニコニコと嬉しそうにしていてかわいい。

最初の間奏部分で「渡辺真知子さんに副賞としましてナショナルホームビデオ【マックロードSS】がプレゼントされます」という司会者だろうと思われる男性の声と、画面下に「全国リクエスト回数 渡辺真知子 471.059(動画の画面どおり)」のテロップが入る。

副賞の「マックロードSS」はVHSビデオだが、1978年当時の最新機種は27万9千円もした。ドリフの仲本工事がやっていたCMには「クレジットもご利用ください」と書いてある。

ちなみに1978年はサラリーマンの月給が16万9千円出典:年次統計)、はがき1枚20円、国鉄(JR)の初乗80円、ビールの大瓶は1本215円だったので、大層な副賞だと思う。

さて、この動画。副賞のビデオデッキが映る前、ほんの一瞬だが「かもめが翔んだ日」の地域別リクエスト回数が出る。停止したまま戻して見なければわかりにくいのでここに書いてしまうと、以下のとおりである。

北海道・東北地方:84,960回/関東・甲信越地方:56,951回/東海・北陸地方:104,541回/近畿地方:74,693回/中国・四国地方:73,097回/九州地方:76,864回

合計すると471,106回になる(念のため何度か数えています)が、先ほどの数字は471,059回で47回少ないのである。どこへ消えたんだろう。多いならまだ迷い道やブルーの分も合わせているのかと思うが、減るのは……むしろわたしはピリオド(小数点)よりこちらに突っ込みたい。当時どこかで訂正されたのだろうか。

リクエスト回数の誤差はともかく、曲のほうはもちろんよかった。ゆったりめに歌う冒頭部分とスピード感にあふれた間奏からAメロ部分、とてもメリハリある……というか、演奏が前のめり気味に速くなっていく。しかし真知子さんは楽しそうにそつなくこなす。

それにしても「あなたを今でも好きですなんて」のフレーズを、こんな微笑んで歌っていたことがあっただろうか……初めて見た気がする。

右手でトロフィー持っているけど、最後の振りつけどうするのかなって思ったら、そのままバトンでも持っているかのように手を広げていた。曲の終わりにはあの弾ける声で「どうも、ありがとうございました」とニッコリ。いやぁ、余裕綽々だわ……

「かもめが翔んだ日」お気に入り動画:第2位

さて「ここでコレを持ってくる?」と言われそうな、わたしのお気に入り「かもめが翔んだ日」第2位は、レコ大最優秀新人賞投票前の歌唱から決定後に歌い終わるまでを追った動画。貴重なドキュメンタリー映像といえるだろう。

さとう宗幸との壮絶な票争いを勝ち抜く中継まで交えて、全部で11分以上の見応えある動画。あの票の伸びは何度見ても身震いする。

票の読み上げって、毎年やってたんだろうか。別の年は?と思って少し探したら、1977年の動画が見られた。なんとわざわざ集計に機械を使っていて、えらくあっさり決まった。

1977年は狩人に7票、高田みづえさんに12票。彼らを大きく引き離す30票を得て最優秀新人賞を取ったのは、清水健太郎だった。「失恋レストラン」懐かしいな。

この動画が好きな理由はいろいろある。神妙な顔つきや泣き顔、喜びにあふれた満面の笑顔といった表情豊かな真知子さんが見られること。トロフィーを受け取ったあとの黒柳さんとのやりとりも好きだし、一瞬映る客席の石野真子が一緒になって歌っているようだとわかるのも微笑ましい。

特に好きなのは、最優秀新人賞決定後にもういちど歌った真知子さん。最後のサビをくりかえす前に間奏部分で身体を横向きにさせる、いつもと違う振りつけ。ほかの動画も確認したが、こういう動きはフルコーラスを歌っていた夜ヒットでも見られなかった。あれはかっこいいと思う。

「かもめが翔んだ日」お気に入り動画:第1位

感動的でかっこよかったレコ大最優秀新人賞をわたしの中で上回った、栄えある(?)1位は「東京音楽祭・世界大会」でのかもめが翔んだ日。

とは言っても、あの動画説明には東京音楽祭と明記されてはいない。ミニサイズで見たときにかろうじて「TOKYO ○○ FESTIVAL」と確認できた程度である。ほかの動画より、全体的に音が小さめなのは惜しい。

しかも「ああ、真知子さんが歌っているんだな」と、顔や服装がどうにか判別できる程度の画質。しかし、画質を補って余りある、オーケストラに負けないパワフルな歌唱。音だけを聴くと、より歌い方の違いがわかる。

「かもめーが翔んーだーぁ――!!」サビに入ると、バレーボールで勢いよくスパイクを打ち込むかのような歌いっぷり。

「生きらぁーれぇーるのーねぇえぇ――!!」レコ大や有線大賞にもいえるが、大舞台になればなるほど凄まじいパワーボイス。ご本人はよく「アガる(緊張する)」とおっしゃるが、ひるまず力を出せるのはすごい。1分48秒なんて短い、物足りないッ!!

東京音楽祭・世界大会で真知子さんは平然と歌っていたように見えるが、長いスカートのすそを踏んで階段から転げ落ちたあとだったらしい。

TBS「ザ・ベストテン第6位」のトークつき動画で、ちょうど階段落ちハプニングの顛末を話題にしていた。ちなみに、歌(音声)をちゃんと聴きたい場合は、音は小さくなるけどトークなし動画のほうがいいかもしれない。

ベストテンで「東京音楽祭に出て武道館で歌った」「出番があと2人ぐらいになったとき、緑色の長いスカートを踏んで階段から転がり落ち、弁慶の泣きどころを打った」という内容のお話をしていた。

半ば叫ぶような歌いっぷりに圧倒されたけど、そんな目に遭っているならそうなるかも……?

東京音楽祭の「世界大会」だったとwikipedia以外で確定できたのは、第7回東京音楽祭のパンフレット画像が検索に引っかかったため。画像を拡大すると、世界大会は武道館で1978(昭和53)年6月18日に行われたとわかる。

「ああ、スカートのすそ持って手を広げて、孔雀みたいでかわいい」と思っていたが、確かにあれほど広げられるならスカートはそれなりに長いだろうし、どちらかといえば黄緑色っぽいけど緑といえば緑だ。そのあたりからも、この動画はやはり東京音楽祭だろうと思う。

わたしが拝見したかもめが翔んだ日の動画では、丸襟や首までの衣装がほとんどだ。しかし東京音楽祭・世界大会では「迷い道」で多かったデコルテを見せた衣装だった。優美な感じでとても似合っていたので、欲を言えばもう少し鮮明な動画で見たかった。当時見られた人たちがうらやましい。

画質はともかく気持ちよさそうに歌いきった真知子さんの笑顔は、彼女が「シルバーカナリー賞(レコ大の最優秀新人賞にあたる)」であることを忘れるほどとてもよかった。

歌の勢いなら3位の有線大賞・最優秀新人賞も相当なものだが、階段落ちエピソードを知らない人間に痛みを微塵も感じさせなかったこのステージを、今回は1位にした。

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なんだかんだ言って、気がつけば最優秀新人賞の映像ばかりになっていました。やっぱり、大きい舞台になればなるほど真知子さんの破壊力……声量や魅力が増えるからでしょうか。

顔や衣装のことばかり書いた気もしますが、基本的には真知子さんの歌い方、オーケストラ演奏の好みで選んだつもりではいます。

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