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警備員が足りなくなる恐怖をリアル感じた話

ミライユでは警備業界に特化した採用支援も行っています。そういった理由もあり日々何気なく歩きながら意識的に警備員の方を見ることも多かったりします。

大きな道路と警備員と歩行者と

私が住んでいる町には比較的大きなホームセンターがあります。立体駐車場への出入り口が片道4車線の大きな道路に面しているため、途切れることなく車が横断歩道を横切って駐車場に入っていくというような状況のため、常に警備員が配置されています。

その警備会社は業界でもクオリティーが高いことで有名で、いつも笑顔で、大きな声で、常に神経を張りながら警備をされているのが印象的で、人も車も絶え間なく行き交う中で日々暮らしていても一度も「キケン」を感じることはありませんでした。なんなら歩行者はきっと警備員を意識すらせず当たり前に生活しているのだと思います。

警備員2名 → 5名でキケンに!?

その状況が変化したのが約1か月前です。色々な経緯はあったのだと推察しますが、突然警備会社が変わりました。今まで入口、出口のそれぞれ1名の計2名が配置されていた場所には、3名、2名の計5名が常時配置されるようになりました。

とそこまでは良かったのですが、今まで車を2台入れたら、歩行者を少し通す→また2台入れたら、歩行者を少し通すの繰り返しだったペースが、
車10台入れて、歩行者をワーッと通す、また10台入れてワーッと通すに変わりました。新しい警備員の方も大きな声で笑顔で必死に対応されています。決してクオリティーが低いなんてことはありません。

ただ声のかけ方は少し違います。今までは「歩行者の方、次の2台通しま~~す」「2台の後のバイクまで通しま~す。お気を付けくださーい!」といった具体的な「切れ目」を定量的に伝えてくれていました。

それが「はいどーぞ!!」「もう少し車通しまーす!おまちくださーい!!」に変わりました。

警備の仕事とWEBサイトのパフォーマンスが近い話

実際にこの現場に遭遇して気づいたことがあります。一つ目はお分かりの通り、「2台と通しまーす!」って言ってもらえることで、歩行者もこの車が通ったら歩き出すターンだ!!ってわかるので安心ですし、何よりも一歩目が早いです。後者ですといつ途切れるかわからないので、警備員の方の「はいどーぞ!」声掛けのあとでしか歩き始められないんですよね。

いつなんだーいつなんだーというイライラも募ります。この心理的なストレス差はかなり大きいと思っていて、WEBサイトのページ遷移の際にホワイトページで何も表示されないよりも、クルクルを表示したり、とりあえずヘッダの画像だけでも最速で見せるだけで、実際の読み込み速度は同じでも、体感速度は異なる。みたいな事象と似ている気がしました。

二つ目はこの「一歩目が早い」というのが実際の処理速度にも大きく影響があるということです。明らかに歩行者の動き出しが違うとしたら時間当たりの車を通せる量、歩行者を通せる量も変わってくるのだと思います。測定したわけではないですが、警備会社が変わってから特に土日は明らかに渋滞が増えています。

そして起きる自転車少年のスタントマン化

そんなこんなを考えていたら先日事件は起きました。
警備員の方が歩行者を止めているターンの時のことです。私もいつなんだーいつなんだーと「切れ目」を待っていたとき、車が1台、2台と通過した瞬間、何を思ったか自転車の少年が3台目の通過を待たずに警備員の横を突っ切っていきました。案の定車と自転車少年はスレッスレで危うく大事故になるぐらいのタイミングでなんとか事故にはなりませんでしたが、ここまで危険なスレッスレは初めて見たレベルです。

これはなぜ起きたかを考えてみたのですが、「あと〇〇台通しま~す」の声がなかったからというのももちろんなんですけど、近隣住民なら誰しもが慣れていた「2台車が通ったら次自分が歩く!」という潜在的に刷り込まれた「間」とか「ペース」が、警備会社が変わりそのリズムもまた変化したことで、いつも通りの少年はなにも意図せず命懸けのスタントシーンに挑ませてしまったのだと感じました。

警備員が足りてないから起きていること

今、警備員が不足しています。上記の例はあくまでひとつの事例で警備員が不足したらそもそももっとキケンになります。さらに最近では警備員が足りないから花火大会が中止になってしまうというような事象も日本各地で起きていたりもします。安心・安全、なんなら当たり前の楽しみすら失われていく世界がすぐそこまで来ています。

警備員の仕事を知ってほしい、そしてひとことかけてほしい

普段警備員の仕事を意識することってあんまりないと思います。でも当たり前に守られている「安全・安心」というのがそこにはあって、少しのクオリティー差だったり、オペレーションルールの差だったりで人の命すらキケンにさらしてしまうのだということが改めて理解できた事象でした。

当たり前に守られているからこそ意識すらしないのですが、警備員がいるから意識しなくてもよい世界観があることも理解してほしいなと思います。

これから夏になって、警備員の方は熱中症になるリスクを抱え、ヘルメットの跡がおでこにくっきり残るぐらい日焼けをし、常に命を当たり前に守るというプレッシャーと闘いながら、自分たちの安全を守ってくれています。ふとした瞬間に「ありがとうございます!」とか「おはようございます!
おはようございます!」とかそんな一言で救われるという言葉もよく聞きます。ぜひ皆さんも少しだけ意識してもらえると嬉しいです。



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