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チャイニーズ・シリコンバレーはどうなのか!?(深セン・香港レポート2016年5月)

5月になりますが、3泊4日で香港と深センに行ってきましたので、その報告を事実と私見をもとにまとめてみたいと思います。

今回の旅の目的は、香港から足を伸ばした所にある深センでして、チャイニーズシリコンバレーがここにある!と噂で聞くことが増えてきたので、百聞は一見に如かずという事で来てみる事にしました。

今回、来るにあたって感じたのは、香港は近くて安くてお手頃な海外だという事です(笑)LCCの発展で多くの航空会社が香港へのフライトを確保していて相場として、時期によりますが片道1万円くらいと思っていればいいのではないでしょうか。そして、ホテルを取るにしても、ピンからキリまで用意されているので選ぶ幅があります。

フライトそのものも4時間半くらいで、時差も1時間しかないですし、初海外の行き先としては香港は良いかもしれません。なのですが、JETRO香港さんで教えていただいたデータでは、2015年に香港から日本への旅行客数は1,524,000人に対して、日本から香港への旅行客数は1,049,000人ということで、今までは、日本から香港へ来る人の方が多かったのですが、それが逆転するという現象が起きているようです。これはやはり円安の影響だったのでしょうか。

これと合わせて、深センで中小企業に対して中国進出支援をしている経営者がいうには、日本から深センへの直行便もできて便利になったのと、中国本土のあちこちから日本からの直行便が増えているようとのことです。では、なぜ増えているのか?

香港の話もそうかもしれませんが、これは日本人が香港や中国に行くためのものではなく、香港や中国から日本に来るための増便なのかもしれません。いや数値で見るとそういうことなのでしょう。ですが、この爆買というのもそろそろ終わりを迎えようとしているかもしれません。次の一手をどう考えるか?それが重要なのでしょう。

ちなみに香港への旅行客数は2014年をピークに、昨年と今年と下火になりつつあるようで、成長率は減速。一番の原因は中国からの観光客の減少と観光客の高級品購買ニーズの減退があるようです。それが顕著に出ている例として、宝石店が15店舗閉じたそうです。

香港のエアポートエクスプレスは綺麗!

香港のコンビニに並ぶ日本への観光雑誌

香港の街中アート


そんな中、香港に住む香港人の女性に話を聞いてみると、最近は小学生、中学生の自殺が問題になっている。という話を聞きました。

香港では、学業ストレスが問題になっているのです。その名も、香港のブラック学校問題。それは日本ブラック企業同様、いってしまえば「残業量」が特徴です。小学校の授業は通常1日7時間と決まっています。ただし、通常の授業が終わったら補習などで、生徒は9~10時間ぐらい学校に拘束されることがほとんどです。

また、家に帰っても休めません。自殺者が相次いだことを受け、有志が、ネット上で100人の親から学校の宿題スケジュールを集めて調査を行った結果、多くのケースで1日の宿題は16~22個もありました!つまり、1つを15分で仕上げたとしても4時間はかかります。学校によって遊ぶ時間はもちろん、睡眠時間も削られてしまっているのが現在の香港の小学生の実態です。

そこで出てきたのは「私、〇〇は自殺しないと約束します」という契約書にサインさせるという物。これは、香港で物議を醸している「不自殺契約書」と呼ばれるものでして、先日、日本では広島中3自殺事件の報告書が物議を醸していました。自殺の原因と性質は違うと言っても、香港でもメディアと政府が学生の自殺を問題視しているところは同じです。
ですが、香港の関係部署はブラック学校問題に、ありえない手で対応しました。

香港教育局(香港の文部科学省)の局長は、学生に「不自殺契約書」を書かせれば良いという方針にしました。契約書は教育局の公式サイトからダウンロードできます。以下のような内容です。
「私、〇〇は、〇〇から〇〇の期間、自殺や自分を傷つけることをしないと約束します」「自分を傷つけようと思ったら、救急、または自殺防止委員会に電話をします」「『どのような問題でも解決方法がある』と常に意識するようにします。また、以下に述べる方法でストレスを発散します」

結構、驚きの内容ですよね。これに生徒本人だけでなく、保護者や立会人もサインします。ただ、当たり前ですが、「学生の自殺問題をどうやって解決するか?」に対して、環境改善の対策を立てるわけではなく、「学生に自殺させなければよい!」というのは少しおかしいな話かもしれません。どの程度効果があるかは疑問ですがどうなのでしょう。。。

子ども時代は人生の一番楽しい時期なのに、何で地獄のようなブラック学校に入らなければいけないのでしょうか。ブラック学校だけでは足りないのか、自分の子どもに、習い事や学習塾に通わせる親もいます。これは本当に子どものためでしょうか。

さて、そんな中、香港でも深センでも、チェックインの時に、香港ドルと韓国ウォンどっちで払う?と受付の女性に聞かれまして、僕の見た目も日本人ぽくないとうのもあると思いますが、日本人より韓国人の方が来る事の方が多いんだろうなぁという印象です。

そして、旅する街先では早朝散歩が僕の習慣でして、ホテルの周りを朝から歩きます。歩くと見えてくる街の様子、臭いや、歩き行く人の顔などが楽しいのです。

今回、香港の旅の中で、ウェブデザインの仕事をしながら世界を旅している素敵な女性の友人と合流。中国の方に行く予定が予約したサイトでトラブルがあり、仕方なく香港に戻ってきたらしく、せっかくならということで香港でお茶。どうせならユニークなカフェでということで、アイスコーヒーをワイングラスで提供してくれる銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある「THE COFFEE ACADEMICS」というお店に。一杯で108香港ドル(約1500円)するコーヒーは非常に美味しく、バーでワインを飲んでるかのような感覚です。

初めてお会いしたのはニューヨーククリエーターズの会という、面白そうな予感しかしないイベントでして、実際、このイベントがキッカケで、今も仲良くしている人がいますから、面白そうな場所へ足を運ぶというのは大事なのでしょう。

彼女はこの後、ベトナム、ミャンマー、カンボジアと移動し、その後クロアチアなど東欧へ巡り、一度帰国をしてからの、次はカナダからメキシコから南米というコースを企画してるようです。こうして、移動することが当たり前になっている方と話すと刺激を受けます。

1杯1,500円のアイスコーヒー

今回は、香港から深センに入ります。島国日本では味わえない、駅から歩いてイミグレを通り、国境越え。駅を降り立つと、、、暑い(笑)

何もしていないと汗が噴き出しそうな、もわっとした暑さです。早速宿にチェックインをしに向かうのですが、いっこうにそれらしき建物が見当たりません。まさかとは思いつつも、地図が指し示す場所へ到着。。何もない。。その建物の受付の女性に聞いてみる。わからないとの返事。

頼むよbooking.com 地図が違うって致命的だぜ(笑)結局、どこに行けばいいのかわからずということで仕方なく宿を急遽変更。でも、これが中国っぽいなと一人で楽しむ自分がいました(笑)これが誰かと一緒の旅では笑ってすまないですよね。まぁ僕の友人の限られた人たちは一緒に笑ってくれるでしょうが(笑)

そうなんです。ご存知の方も多いと思いますが、中国ではインターネットに規制がかかっているのです。なので、Googleをはじめ、FacebookなどのSNS系や、LINEなども使うことが出来ません。これは身を持って経験すると、普段、いかにGoogleに依存していたかがわかります(笑)いい経験になりました。

歩いてイミグレを渡る

ダイソーと無印良品とユニクロのMIX

今回のメインの目的であるチャイニーズ・シリコンバレーはどうなのか?という話ですが、行ってみた僕の感想は、可能性を感じました。

華強北路(ファーチャンペー)と呼ばれる世界最大の電気街は、その規模がケタ違いです。飛び交う中国語と、大量の電子機器やスマホを買い求める人々。ホンモノか偽物かよくわからなくなるほど、あちこちに売られているiPhoneをはじめとする有名ブランドのスマホ。空にはドローンをデモンストレーションしてる姿も。

面白いものを発掘して購入しようと試みましたが、あまりにもごちゃごちゃした人混みと、言葉の通じなさで買い物は断念。次回、来るときは少しでも広東語の話せる人と一緒に来たい。でも、来るといかに盛り上がっているかの熱気は伝わります。ここでは、貿易という面が強そうですが、一度足を運ぶと特に日本人にとってはなかなか味わえない経験をすることでしょう。

メインストリートは工事中


日本のバレンタインデーのごとく、中国では「11月11日」は「独身の日」。「1」が並ぶ日付を独身者が並ぶ様子に見立てて、未婚者が自分のために買い物をする日として定着している。2015年の「独身の日」商戦では、ネット通販最大手のアリババ集団が1日で売上912億元(約1兆7000億円)を達成。2014年の記録の60%増を記録した。

アリババ集団によると、最初の1時間の売り上げは39億ドル(約4800億円)で昨年の倍近いペースだった。24時間で終わる特売の開始から10時間で、売り上げは78億6000万ドルに達し、2014年の93億ドルの記録を上回る勢いという。


一方でアメリカのネット特売の日は11月9日で、アナリストのコムスコアによると、売り上げは13億5000万ドルだったという。恐るべし中国。

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深センで居酒屋を経営する方にお聞きした話では、最近、お客さんで来る人の話で日系の工場閉まっているという話を耳にするそうで、深センの物価はドンドン高くなっているとのこと。この居酒屋を経営しているビルの家賃も20%上がったそうです。家賃は、感覚として大阪、名古屋以上だと。

それと、深センという街そのものが若く、近代化し始めて30年ちょっと。だから深センに住む人の平均年齢が若い。それに稼ぎに来てる人が多い。このお店で働いているスタッフのかたにもいるらしいですが、大連では日本語を話せる子が飽和状態になっており、そういう子が深センに来ると、今だとまだ需要的にも給料が高くもらえるので働きに来ていたいたり。中には、1万元稼いでる子もいるとのこと。

チャイニーズ・ドリームは深センで!?
今までは、世界の携帯電話の7-8割は深センで製造されていたと言われるほど、製造するハードな面が武器であったが、最近では、起業家を育てるためのオフィスを無償で提供するなどして、ソフトの面でも世界に進出しようとする勢いが凄い。

深センという街は、空路、海路、陸路など合わせるとイミグレーションの数が多い。そうなってくると運び屋も多いそうで、その対策の1つで、年間に深セン在住の人が香港に行ける回数が52回までと限定されるようになったそうです。深センに住んでいて、香港の学校に通う人などもいるそうで、そこら辺の兼ね合いはどうなったのでしょうか。

しかし、この規制ができたことにより、一方で香港人の運び屋が増えたという事実が今の香港と深センにはあるようです。

また、タオパオを利用した代購という、買い付けを個人間で副業がてら演る人が年々増えているようで、日本での代講を行っている中国人もサイトにはたくさん存在し、今や世界中に広がっている中国人のネットワークは凄いと感じる次第です。ちなみに、今現在、中国で人気なのは、赤ちゃん用品、化粧品、酵素とのこと。

それと、世界の流れを感じたのは、最近、深センに買い付けに来る国として、アフリカやインドの人が目立つようで、深センの工場でのOEMも跡を絶たないようです。

面白いなと思った話が、品質管理の問題でして、日本の品質管理は非常に厳しくレベルが高い。なのですが、それを求める市場規模は実は小さいとのこと。何を言いたいかというと、例えば、日本に納品されて、品質的に条件をクリアーしていないと送り返した品物だったとしても、世界の市場のなかには、それでも品質上販売できる。と求める人がいるそうです。

そうなってくると、深センにある企業としては、市場は狭く品質基準も高く、コストも掛かる日本とのビジネスと、市場は広く品質基準もそこそこでコストも特別かからない国とのビジネスを比較したらどうでしょう。なので、年々、全体としては中国でも品質は上がってきているが、まだまだ日本の品質基準に並ぶには時間がかかるのかもしれません。

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