20190118イトル

県民投票「3択」の問題

県民投票全県実施向け「3択」検討 県議会議長提案で最終調整
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-863272.html

琉球新報が1月19日、「県民投票全県実施向け『3択』検討 県議会議長提案で最終調整」という記事を掲載した。県議会で与野党双方が納得できる案として、県民投票の選択肢を現在の「賛成」「反対」から、「容認」「反対」「やむを得ない」という3択に変えることを協議しているというのだ。

しかしこれは否定の選択肢が「反対」の1つなのに対して、肯定の選択肢が「容認」と「やむを得ない」の2つある非常に不平等なものといえる。さらに、元の「賛成」「反対」の2択と比較すると、「賛成」の選択肢が「容認」に変えられていることに気づくだろう。「容認」も「やむを得ない」も、ともにはっきりと賛成を表明するものではなく、消極的な層に間口を広げている。にもかかわらず、「反対」を選ぶにははっきりとした意思表示が要求されるわけだ。これでは反対が獲得できる層は不当に減少する。さらに投票後に集計が行われるとき、この選択肢だと「容認」と「やむをえない」の合計をもって埋め立て容認と解釈されることさえありうる。普通、社会調査において、このような選択肢の作り方は論外とされるものだ。

それだけでなく、もしこの3択案を採用するということになれば、それは不当に投票事務を拒絶し、投票する権利をもてあそんで選択肢をゆがめることを画策する自公・5市長らの卑劣な振る舞いに屈することになるではないか。

「賛成」「反対」の2択は人々に意思や決断を問う選択肢だ。しかし「容認」「反対」「やむを得ない」というのは、事態に対する人々の屈服の度合いをはかる選択肢だ。そのような選択肢を認めることができるのか。問わなければならないのは人々の意思や決断ではないのか。

果たしてそれが多くの県民が望む県民投票の姿なのだろうか。この知性の敗北か、教育の失敗の産物のような3択案が破棄されることを期待したい。

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