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年金収入が有る方の確定申告書

今回は年休受給者を対象として令和4年分の所得税確定申告…つまり令和5年2月16日から受付が開始される確定申告について解説いたします。
お手元に「令和4年分」と書かれている「公的年金等の源泉徴収票」を準備してご覧頂くとより分かりやすくなります。

年金受給者で確定申告が必要な方

下記リンクは国税庁が年金受給者の方向けに作成さした案内文です。この案内の2ページめは質問形式で確定申告義務の可否が判定できます。

https://www.nta.go.jp/about/organization/kantoshinetsu/topics/kakutei_shinkoku_r02/pdf/nenkin.pdf

ここには「公的年金等の収入金額の合計額が 400 万円以下であり、かつ、外国の制度に基づき国外において支払われる年金など源泉徴収の対象とならない公的年金等の受給がない」とあります。

「公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下」とは?

「公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下」とは、1つの公的年金又は複数の公的年金を受給されている場合は、その収入金額の合計額で判定します。
外国で勤務経験が有って外国から支払われる年金が有る方は、金額の多い少ないに関わらず確定申告が必要です。

年金の収入額の確認は、「公的年金等の源泉徴収票」の「支払金額」の部分を見れば分かります。

「公的年金等以外に申告する所得がない」とは?

では次の質問です。「公的年金等以外に申告する所得がない」の質問で「はい」の方は確定申告の「義務」は有りません。ただし、確定申告をして還付を受けられるかもしれませんし、住民税の申告が必要な場合があります。

次の質問に移ります
「公的年金等以外の所得金額が20万円以下」という条件ですが、ここで「所得」という言葉が出てきました。単純に収入額で判断できない部分です。

年金を受け取りながら給与を受け取っている方は、給与の源泉徴収票を確認して「給与所得控除後の金額」の部分が20万円を超えているかを確認して下さい。

個人年金を受け取っている方は保険会社から支払調書という明細が発行されていますので、支払調書の中に1年間の支払いと、その支払に該当する掛け金の明細が書かれています。支払いから掛け金を引いた分が個人年金の所得に該当します。この金額が20万円を超えているかを確認して下さい。

生命保険の満期返戻金の場合も同様に保険会社からの明細を確認して下さい。こちらも受け取った返戻金から掛け金を引いた残りで判断します。
もし、公的年金以外の所得の合計で20万円を超えている場合は確定申告が必要です。超えていなければ所得税の確定申告は不要ですが、住民税の確定申告が必要になるかもしれません。

義務はないが確定申告をした方が良い方

ここまでの判定で不要とされた方は確定申告の義務は有りません。しかし、源泉徴収など税金を引かれていて、生命保険や地震保険、ふるさと納税をした、医療費を多く払った、台風や地震で家財や家が壊れた方は確定申告をすることで税金が還付されるかもしれません。「かも」と言ったのは計算してみないと分からないからです。

また、還付というのは税金を事前に払っていないと受けることは出来ません。年金収入で言えば、年金の受け取りの前に源泉徴収されている税金のことです。よって、源泉徴収されていない方は還付するものが有りません。源泉徴収はされているけど元々の金額が数千円とか少ない方は還付額も少なくなります。

住民税の確定申告

住民税の確定申告ついて説明します。
所得税の確定申告をした方は、住民税の申告は不要です。これは、所得税の確定申告をすることで住民税の申告も兼ねているからです。

住民税の確定申告が必要な方は、所得税の確定申告書を提出していない方です。先ずこれが原則です。ただし、収入が公的年金のみなので確定申告も不要だと判定された方は、住民税の確定申告の義務もありません。

そして!注意が必要なのが、この文章の前半で、「確定申告をしなければならない方」で使用した質問票の中で「公的年金等以外の所得金額が20万円以下」かどうか?という質問が有りました。これがいいえの方は住民税の確定申告は必要です。所得税の確定申告はしなくても良いのですが、住民税に関しては年金以外の収入が有れば金額の大小に関わらず申告の義務が有ります。

では、住民税の確定申告について質問が有る場合や申告の方法はどのようにすれば良いのでしょうか?これは、ご自身の住民票が有る市区町村役場にお問い合わせ下さい。所得税のような全国統一の書式が無いからです。

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