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【最大600万円助成】業務改善助成金は10月までに申請すると有利な理由

中小企業経営者にとって令和5年度で一番使いやすいと言われている業務改善助成金をご紹介します。そして、本来の申請期限は令和6年1月31日ですが、令和5年10月1日までに申請する方が有利とされる理由と合わせて解説致します。

*この記事で使用している画像は厚生労働省ホームページ 業務改善助成金のものを使用しております

業務改善助成金の概要

この助成金の目的は、生産性向上のための設備導入や業務改善のコンサルティング、人材育成などによって労働効率を上げることを支援することと、お店や事務所内の最低賃金を引き上げてもらうことを目的にしています。

どれくらい支給されるかと言いますと、支給額の最大が600万円です。満額支給される訳ではなく助成対象となる経費の一部になります。

助成率についてはこちらです

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

助成率表の中の870円未満とか920円以上というのは、現在経営している店舗や事務所内で働いている方の中で一番時給が低い方の金額を指しています。一番助成率が高いところで9分の10…つまり経費の内90%が助成されます。

また、助成金の上限額はこちらの表を御覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

30円コースとか45円コースとコース名が書かれておりますが、従業員何人対してどれくらい時給を上げたかで助成金の上限額が変わります。1人の従業員に対して時給を30円上げた場合は…30万円助成されます。または、30人未満の事業者の場合は60万円まで増額されますし、特例事業者と呼ばれる方が10人以上の従業員の時給を90円に上げた場合は最大で600万円の助成となります。

では、次に用語の解説に入ります。

事業場とは?

助成金のパンフレットを見るとお店や事務所内の最低賃金のことを「事業場内最低賃金」という表現を使っています。
「事業場」とは例えば飲食店を2店経営する会社があったとします。この場合、2つの店舗をそれぞれ別の事業場とします。

事業場内最低賃金とは?

先程の飲食店を例にすると、A店舗では調理補助の時給が890円、接客係の時給が900円とした場合、A店舗における事業場内最低賃金はが890円となります。

事業場内最低賃金引き上げとは?

助成金の対象とするのは、それぞれの事業場内の最低賃金を30円以上引き上げることが条件になっております。事業場内最低賃金引き上げとは、先程の店舗を例にすると、時給890円の方の時給を30円以上引き上げる必要があります。
また、賃金引き上げについては、全従業員の賃金を事業場内最低賃金以上に引き上げる必要があります。よって、事業場内最低賃金が890円でこれを30円引き上げ920円にしたとします。この場合、A店舗の全従業員の最低時給は920円かそれ以上にしなければなりません。

助成対象となる経費

助成対象となる経費のお話しをします。対象となるのは「生産性向上」や「労働能率」の増進に資する設備投資等です。助成金のパンフレット通りの表現ではちょっと分かりにくいので、事例集をご覧ください。ご覧いただきながら解説します。

【厚生労働省】働き方改革推進支援助成金・業務改善助成金活用のてびき
https://pc.saiteichingin.info/dl/tips_202303.pdf

本書の29ページ設備投資の例では、飲食店における配膳ロボットの例が出ております。これは生産性向上の例として非常に分かりやすいですね。

もう一つ31ページでは「生産性向上」や「労働能率」を増進させるためにコンサルティングを受けた場合の事例です。書類管理の効率化とコミニケーション強化のコンサルティング費用が助成されました。

何でも助成される訳ではありませんが、事例を見る限りだいぶ対象範囲の広い印象を受けます。

特例事業者に該当する場合

また、もう一つ、特例事業者に該当する場合は、助成対象の設備が増えたり、増額されたたりします。
特例事業者とはこちらのような事業者を指します。

特に、イ・ウに該当すると自動車やパソコンなども助成対象になります。この助成金に限らず、他の助成金でも一般的事務用パソコンや自動車は助成の対象にしていません。かなり珍しい助成金と思います。新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が落ちた方や物価高の影響で粗利益や営業利益が現象した方は、自分が特例事業者になるか確認してみてください。

助成金の対象になる方

次に、助成金の対象になる事業者について解説します。対象となる方は、中小事業主または小規模事業主であり、労働者数が一定以下の事業主となります。中小事業主とか小規模事業主とはどれくらいの規模を差すかはこちらを御覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html#%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E4%B8%BB

この表の様に業種によって判定が変わってきます。ただし、資本金の額又は常時使用する労働者のどちらかが範囲内で良いとされています。

事業場内最低賃金と地域別最低賃金

そして、もう一つ、対象者の判定でポイントになるのが事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額です。この、地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額が30円以内の場合に対象となります。

事業場内最低賃金は先程飲食店の例でお話しました。地域別最低賃金とは都道府県別に定められた1時間あたりの時給額のことです。月給や日給制の場合も1時間あたりに換算して適用されます。

例えば令和4年度における宮城県の場合は883円です。これが東京都になると1072円になります。

どういうことかと言うと、先程の例にした飲食店のA店舗が業務改善助成金の対象になるか判定するとします。このA店舗は宮城県にあるとして、地域別最低賃金は883円です。それに対し事業場内最低賃金が890円でした。すると、地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額が7円なので30円以内の要件に合致しており、助成金の対象事業場になると判断できます。もし、この事業場内最低賃金が914円以上なら対象外となります。

令和5年10月1日までに申請する方が有利な理由

ここまでを踏まえまして、令和5年10月までに業務改善助成金を申請する方が有利な理由について解説します。

先程、助成金の対象になるには事業場内最低賃金を30円以上にすることが要件だとお話しました。多くの会社や店舗で一番時給の低い方ってどれくらいの額になるでしょうか?地域別の最低賃金を少し上回っている方が大半ではないでしょうか?

助成金の対象とするには事業場内最低賃金を30円以上にすることが要件ですが、それ以前に地域別の最低賃金を上回っていなければなりません。もし、地域別最低賃金以下なら違法です。

つまり、令和5年9月中に申請できれば令和4年度の最低賃金を元にできます。最低賃金は大体毎年10月に改定が行われ、今の政権の意向を強く反映して大幅な増額も予想されます。令和3年度から4年度の時のような地域別最低賃金の大幅な引き上げが行われた後で、助成金の要件に合わせると財務上の負担はかなり大きくなります。

最低賃金の引上げの可能性が高いのなら、これに合わせて助成金の申請をした方が効率良いと思います。

業務改善助成金特設サイトのご案内

この記事を書いているみらい創研のグループ企業/仙台社会保険労務士法人では業務改善助成金の特設サイトを開設しております。助成金のことをより分かりやすく書いております。

また、助成金の申請には多大な労力が掛かります。専門家のサポートをお考えの方は一度サイトをご覧になってみてください。


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