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業務改善助成金の対象が【8月31日から】拡大されました!改正点を解説!

令和5年8月31日に業務拡大助成金の要件が拡大されました。助成金の申請前に賃上げをしていたり、現在設定している事業場の時給が高すぎて対象外だった方も今回の改正で受給のチャンスがあります。この記事では改正点を中心に解説してまいります。

業務改善助成金の細かな内容については以前の記事で解説しておりますので合わせてご覧ください。

8月31日に改定されたポイント3つ

8月31日に改定されたポイントは3つ、地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額要件の緩和、賃金引き上げ後の申請ができるようになったこと、助成率区分の見直しになります。

地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額要件の緩和(対象事業場の拡大)

1つ目の「地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額要件の緩和」から解説します。パンフレットでは「対象事業場の拡大」と記載されています。

改定前は、助成金申請前の時点で地域別最低賃金と事業場内最低賃金の差額が30円以上だと対象外とされていました。例えば令和4年度における宮城県の時給の最低額が883円です。事業場内で一番時給の低い方が913円までなら要件に合いますが、914円以上の事業場は対象外でした。この30円以内の部分が50円以内に拡大されます。

人手不足などで時給を上げていた事業場も多いと思いますので、今回の拡大で対象となる所が増えそうです。

賃金引き上げ後の申請ができるようになった(条件あり)

2つ目が賃金引き上げ後の申請ができるようになったことです。これまでは、 賃金引き上げ計画と事業実施計画を提出して交付決定が降りてから賃上げをしなければなりませんでしたが、令和5年4月1日から12月31日までにに賃金引き上げを実施していれば、賃金引き上げ計画の提出は不要となりました。

既に賃上げをしてしまい、これ以上の賃上げは厳しいと判断し、助成金を断念した所もあると思いますので1つ目の改定ポイントよりも対象となる事業場は多くなるのではないでしょうか?

ただし!この賃金引き上げ後の申請ができるのは事業場規模50人未満の事業者に限られますのでご注意ください(重要!)

助成率区分の見直し

3つ目が「助成率区分の見直し」です。こちらのPDFと合わせてご覧ください。

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001140680.pdf

厚生労働省 業務改善助成金拡充リーフレット

表の870円未満とか920円以上というのは、賃上げ前の事業場内最低賃金のことを指します。隣の9/10とか3/4というのは助成率を指し、生産性向上のための設備投資額やコンサルティング料の何割を助成するかを表しています。改正前は事業場内最低賃金が870円未満の事業場に対して助成率が9/10でした。これが870円未満から900円未満と拡充されます。

この他の事業場内最低賃金別の助成率は下記のとおりです

  • 870円以上920円未満→900円以上950円未満|助成率4/5

  • 920円以上→950円以上|助成率3/4

最低賃金引上げと助成金要件の両立

さて、先ほど解説した改定ポイント2つ目で「賃金引き上げ後の申請ができるようになった」とお話しました。この件で補足を致します。

10月1日に地域別最低賃金引き上げが行われます。今年も大幅な引き上げとなり全国で40円前後かそれ以上の引き上げとなりそうです。宮城県を例にすると令和4年度が883円に対し令和5年度では40円増の923円となります。

この、最低賃金引上げと助成金要件の両立を図るためのポイントをお話します。前提条件として従業員50人未満であることが必要です。

先ず、宮城県内で給与サイクル:20日締めの会社が在ったとします。ここの事業場内最低賃金は883円で、宮城県の地域別最低賃金と同額です。既にお話した通り、令和5年10月1日から最低賃金が40円アップの923円となります。

この会社が9/20締め分の給与から事業場内最低賃金を40円UPの923円に引き上げて、その後、10月以降に業務改善助成金の申請をすると、9月中に事業場内最低賃金を40円アップした実績で助成金の申請ができます。つまり、前倒しで賃上げを実施できる資金力が有る企業なら、地域別最低賃金引き上げ対応と助成金受給要件を満たすことを両立できます。

もちろん、給与規定の見直しや、事業場内全体の賃上げをしなければならないので、資金繰りにも注意が必要です。申請については厚生労働省の相談センターや、社会保険労務士など専門家のサポートを受けることをオススメ致します。

業務改善助成金特設サイトのご案内

この記事を書いているみらい創研のグループ企業/仙台社会保険労務士法人では業務改善助成金の特設サイトを開設しております。助成金のことをより分かりやすく書いております。
また、助成金の申請には多大な労力が掛かります。専門家のサポートをお考えの方は一度サイトをご覧になってみてください。


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