「星の王子さま」の薔薇の花

ひさしぶりに「星の王子さま」を読んだ。学校時代の教科書にも載っていた作品で、一番、記憶に残っているのが、この本かもしれない。
当時は、帽子の様なイラストと、箱が書いてあって、「ひつじはこの中にいるよ」と解説する台詞が印象的だったのだけども。

「星の王子さま」の中には、2種類の薔薇の花が登場する。
ひとつは、王子さまが自分の星で、時に、わがままを聞いたり、ケンカしたりしながら育てたたった一輪の薔薇。
もうひとつは、王子さまが降り立った星で出会った、たくさんの薔薇の花。

その、まったく異なる立場の薔薇に、価値観の多様性、マイノリティーに対する認識のヒントがあるのではないかと思った。

何の思い入れも無いものに対して、人はなんの感情もいだかない。
感動とは、自分の中のストーリーが言葉に反映されるものだからだ。

一輪咲いた薔薇の花には一輪咲いた薔薇の花の常識があり、
咲き乱れる薔薇の花には咲き乱れる薔薇の花の常識がある。

「感情移入」とは、それらにたいして、自分がどれだけの愛情を注いだか。

王子さまはたくさんの薔薇たちにたいして、「きみたちは、たくさんあるけど、どれもこれもみんなおなじじゃないか、ぼくの薔薇にはかなわないよ。」と突き放すのだけど。

「どちらも、ステキだな。」と思うのですけどね。
「どちらの方が思い入れ深いか?」って聞かれたら、やっぱり「より、長く一緒にいる方」と答える。

友人関係とかで、「あいつのどこがいいんだ?」と言われている相手を好きになってしまったりする。
「自分なら、この人をどうにかできるかも。」「自分の言うことなら、わかってもらえるかも。」
と、いった期待を抱くんですよね。

それが、ドンピシャの時もあれば、「期待したこっちがバカだった・・・・・。」と思う場面もあったりするのですけど。

そういったのも、やっぱり、過去の人脈が影響したりしているのかもしれない。

離れた場所にいて、どれだけその人を想えるか・・・・・。

すこし距離を置いた時に、初めて、「あれは、私にとってかけがえのない物だったのだ。」と、それに気づかせてくれた、他方面の方々も、また、かけがえのないものだったりして。

人生の中の喜怒哀楽。それらはすべて未来への原動力となる。

今までであってきた人すべてに感謝できる生き方をしたい。

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