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学生の挑戦心レポ⑥ ~自分のやりたいこととマッチングしたかけがえのない経験~

今回の「学生の挑戦心レポ」は、2019年夏に秋田県の「羽後町観光物産協会」でインターンシップをした、新見侑治さん(東京出身、当時大学2年生)です。彼は中学生の頃からイギリスに音楽留学しており、現在もダラム大学に通っています。
インタビューを担当してくれたのは、当法人に2020年3月8日~14日にインターンシップしてくれた、秋田県立大学に通うの長沢咲希さんです。

新見さんには、4週間のインターンシップに挑戦し、期間中からその後にどのような変化があったのかを話してくれました。
新見さんが取り組んだインターンシッププロジェクトは、「観光パンフレットと会員情報をアップデートし地域の魅力をPRせよ!」でした。詳しい内容はコチラから

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咲希&新見

長沢)はじめまして!
最初の質問は、インターンシップに挑戦しようと思ったきかっけです。新見さんはどのようなことがきっかけだったですか?

新見)自分は他の人とちょっときっかけが違っているんじゃないかなと思います。インターンシップしたのは、羽後町観光物産協会というところで、期間は4週間、他の大学に通う学生と2名で取り組みました。具体的な業務は「西馬音内盆踊り※のイベントのお手伝い」や「羽後町の民俗芸能をテーマとした踊りの観光パンフレット作成」この2つがメインでした。このインターンシップを選んだ理由ですが、実は卒論で西馬音内盆踊りを研究しており「直接、羽後町に行って研究したい」、でも、お金もかかるし大変だな…と思っていたところ、「こんなところに面白いインターンプロジェクトがあるじゃないか!」となり、実際にインターンに参加したというのが自分の理由で、このような部分として他の人とはインターンシップするきっかけが違うんじゃないかということろです。

※西馬音内盆踊りについてはコチラから

長沢)インターンシップそのものに挑戦したかったというより、プロジェクトの内容に「西馬音内盆踊り」といったコンテンツが含まれていて自分の役に立つといったことだから、このプロジェクトを選んだということでしょうか。

新見)羽後町に実際に行きインターンシッププロジェクトをおこなうことでインターンシップ先に貢献するということももちろんあるんですけど、一番のメインは西馬音内盆踊りについて詳しく知ること。自分の目や耳で実際の西馬音内盆踊りを確かめたいということが理由ですかね。
もちろん、与えられたプロジェクトにおける業務はしっかりと頑張りました。

長沢)西馬音内盆踊りについて調べていたことろ、インターンシップされたプロジェクトにたどり着いたというわけですね。
では、インターンシップ開始前に不安感とはなかったですか?

新見)正直いってなかったですね。自分はイギリスに来て10年目で、大学もイギリスの大学なんですね。ずっと海外で生活していて、常に安心感とか持てる環境にいたわけではないので、羽後町に行くというのは感覚的にそのうちのひとつだったかな。むしろ、”面白そうだな”とか”ワクワク”の方が強かったですかね。

長沢)では、インターンシップ開始前、自分のどういった部分が観光物産協会のプロジェクトに貢献できるなと感じていましたか?

新見)パッと思いついたのは、やはり英語ですかね。実際に留学して英語を日常的に使っていますので。
実際に、作成したパンフレットにも、一部分ですが西馬音内盆踊りと羽後町の伝統芸能について英文を載せていて、自分がいたから出来たことではないかと思っています。
あとは、なんだろー…。外交的っていうか、常に色んな人・多くの人と接したり、新しいコミュニティに入ったりして、仲良くなることをずっと繰り返してきたので、羽後町にいっても観光物産協会の人たちだけじゃなくて、地元の人たちと話して信頼を深めていけるのではないかといったことはありました。

長沢)英語というスキルの部分とインターンシップする地域の人との交流に役立てれる自分の内面的な部分があったという感じですね!
インターンシップの期間が4週間ということですが、日本に帰国していたのはその期間ということですか。

新見)いえ、自分の大学は、10月から始まって6月に1年が終わるので、7月から9月の3ヶ月間帰国していました。

長沢)そうなんですね!
他にインタビューした人には、インターンシッププロジェクトと他のやりたいモノゴトで天秤にかけたことはありますかという質問をしているのですが、新見さんの場合は、丁度よく羽後町に行けたみたいな感じですか?

新見)そうですね!まさにそういった感じです。このような部分はめぐりあわせ的なことがあると思います。

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長沢)では、特に天秤にかけたモノゴトはないといったことですか?

新見)んー。かけたといったら、日本でもイギリスでも場所を問わず、学生の特権である夏休みをダラダラ過ごすといった権利をかけたくらいですかね(笑)

長沢)インターンシップした4週間という期間は、自分にとって最適だったと思いますか。

新見)自分がインターンシップした期間中、同じ地域には、他のインターン先にも多数のインターンシップ生がいて、自分のように4週間のインターンをしている学生と、1~2週間のインターンをしている学生がいたので、1~2週間は短そうだなと感じていました。自分は4週間その地域で過ごすということで町の人と仲良くなれたり、プロジェクトを進める上での業務の内容、取り組んだタスクとしては最適だったのではないかと思います。

長沢)結構、地元の人との交流の時間があったんですね。

新見)始めのころは、インターンシップコーディネーターの人に地域でおこなわれているローカル行事などに連れて行ってもらったり、飲み会があったり、仲良くなることによって本来以上のイベント参加やお手伝いが出来たなと思います。

長沢)すごい充実してたんですね。

新見)すごい日焼けしました!東京にもどったら皮がむけたり…(笑)
でも、それも良い思い出になりました!

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長沢)インターンシップを始める時期について、1・2年生の早いうちからやった方がいいと答えるOB・OG生が多いんですが、新見さんはどう思いますか?

新見)一般論でいえば、自分も早い時期からやるというのは非常に賛成です。大学生活の3年生までに自分の将来のことを決めておかないといけないと思うので、実践型のインターンシップを就活とは別物と考えて、1・2年生の早い時期にやっておいた方が良いと思います。
自分がインターンシップしている時期には、インターンシップ先の業界に興味があるのでそこでのインターンをおこなっている大学1年生もいました。早い時期から興味がある業界でインターンシップすることで、将来のキャリアプランを考えていくために何かしらの影響があったのではないと思います。

長沢)新見さんも早い時期がおススメ派なんですね!では、次の質問です。
インターンシップ参加前にインターンシップに期待したことと、実際に現地に行ってインターンシップをおこなう中で感じたギャップはありましたか?

新見)聞こえ方に語弊があるかもしれないのですが、自分はインターンシップに行く前に何かを求めていたわけではないんですよ。求めるというのは、「インターンシップではこういうことするんだろなー」という仮説を自分でつくって、実際のインターンを通じて、その違いやゆがみによってギャップが生まれると思うんです。自分の場合は目的が「西馬音内盆踊りについて詳しく知る」ということ以外に期待していたものはなく、現地にいったらどんなことができるんだろうといったワクワクが多かったので、0からドンドン積みあがっていったという感じです。

長沢)自分の目的という部分で行ってみたら、地域の人との交流も生まれてといった感じですかね。

新見)ですね。家を建てるということで例えると、西馬音内盆踊りを知りたいというのが大黒柱的な存在で、現地にいってインターンシップをやることを通じてその周りの柱や壁などができて、家が出来上がっていったというような感覚です。

長沢)独特な例え方ですね(笑)でも、よくわかりました。では、インターンシップを通して自分の成長や変化を感じられましたか?

新見)「はい」か「いいえ」でいうならば、大きく「はい!」で、非常に大きな変化があったと思います。新しい環境に入って新しい人と交流すること。好奇心をもって新しい発見をするということの重要さというものを再認識したというのが一番大きなことです。
また、自分の研究対象である西馬音内盆踊りについて詳しく知るということができましたし、何よりそれで、「大学生活を通じて何を勉強したいのか」「卒業後何をしたいのか」といったキャリアプランとまではいかないですけど、将来像について霧が晴れてきたような感じで少し見えてきた気がしています。
他にもたくさんあるんですけど、あとは思考ですかね。自分は物事を話すときに前提をつくっていたのですが、他者の話を素直に取り入れて自分のモノにしていくことの大切さも学びました。

長沢)柔軟な思考を持てるようになったという感じですね!
新しい人との交流で新しい発見といったことでしたが、どんな発見がありましたか?

新見)細かいことはたくさんあるんですが、一番は「思ったより地方は衰退していない」と感じて、自分が持っていたイメージとは逆だったことが大きな発見でした。
インターンシップコーディネーターの人たちのような地方でいう若い世代が結構いらしたし、道の駅などは想像と違い明るくて、お客さんもたくさんいて、働く人もイキイキしていて、活気やエネルギーを感じ取りました。

長沢)地域で交流した人たちの活気やエネルギーも感じられたんですね!
「キャリアプランを見直せた」ということですが、それについて少し詳しく教えてください。

新見)インターンシップする前は、「日本の民族音楽を中心に勉強して卒業し、卒業後は海外大生らしく、いい会社に入ろう」といったような感じでした。卒業後のことは卒業してからといった考え方だったんですけど、インターンシップを通じて、自分はこの分野をまだまだ勉強したいと気づいて、大学院へ1年行くことに決めました。院を出たあとは、教授になるとか、日本に戻って日本の文化を支えていくような職につきたいと考えています。

長沢)インターンシップの経験で、将来像も結構変わったんですね!

新見)「百聞は一見に如かず」といったことは、まさにこのことだと思いました。

長沢)インターンシップの業務で、どういった部分にやりがいを感じましたか?

新見)何より一番嬉しかった出来事は、自分たちが作成した観光パンフレットを3000部刷ってくれたことです。4桁刷ってくれるかなーって思ってたんで、3000部という印刷量に「えぇー!」となりました。パンフレットは、最終日の前日に届きました。自分たちがおこなってきた成果を手に取ったときが一番印象深く、これ以上に嬉しいことはないといったことでやりがいを感じました。
他にも、行事の手伝いをしていて「助かったよ」と声を掛けてもらえたり、インターン先の直属の上司である事務局長に別れ際「新見!お前が帰ったら寂しくなるよ!」と声をいただき、「それだけ貢献できたのかな」という意味で印象深いことはたくさんありました。

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長沢)自分たちがおこなってきたことがカタチになった時、嬉しさは凄かったですか?

新見)そうですね。なんやかんやいって一番それが嬉しかったですね。そこまでたどり着くのに色々大変でしたから。

長沢)インターンシップ先がインターンシップをおこなうことや新見さんたちが来たことでおこった変化などで自分が気づいたところはありますか?

新見)作業とか外面的な部分はおそらくなかったと思います。パンフレット作成は、もともと観光物産協会がやりたいと思っていたが人手や労力が足らないからその部分にインターンシップを活用してという考えがベースでした。もちろんそれが自分たちのやってみたいことでマッチングしているからいいのですが、そういう意味で外面的なところからみると、別になにも変わってないなという印象です。自分たちは影響を与えたというよりは、インターンシップ先がやろうとしていたことをお手伝いしたという感じです。

長沢)インターン先がやろうと思っていて、できていなかったことにチカラを加えた感じですね

新見)内面的な部分は、希望的観測ではありますけど、若さという活気を与えられたという感じはします。観光物産協会は5名の方が働いていますが、学生に近い年齢の方は少なく、年齢的な若さのエネルギーを与えられたのではないかと思います。

長沢)次の質問は、インターンシップの経験が、その後に学生生活など役にたったことはわりますがということなんですが、新見さんはインターンシップの元々の目的からありますよね。研究に直接役立っていると思うんですが?

新見)ホント、この部分は大いにあります!
特にパンフレットを作ったことは研究と直結してて、インターンを通じて知りえたことが基盤となり卒論を構成するときに非常に役に立っています。

長沢)地域の人たちと交流した経験により役立っている経験はありますか?

新見)んー。言われてみると、接する機会のあるコミュニティが増えた気がします。前は、仲の良いグループや部活だったりが自分のコミュニティだったんですけど、今年からはそのコミュニティとは別の人とあって話したり、積極的にイベントに参加することによって新しいコミュニティに触れられています。このような行動が躊躇なくできていることは、地域の人との交流の経験によって与えられた影響という感じがします。

長沢)1年生や2年生をやり直せるとして、もう一度、インターンシップをやるとしたらどのような経験をしたいですか。

新見)自分は音楽という専攻で大学に入って、今の専門分野や研究を極めるということでは、羽後町の観光物産協会でおこなったインターンシップ以外で自分とマッチしたインターンは無いんじゃないかと思っています。今回のインターンを理想像として考えると、自分の研究範囲を詳しく知る機会があるインターンがいいのかと…
自分に違う興味があったり、他の研究をしていれば違うインターンに行っていたかもしれない。今回のインターンは応募した時はわからなかったですが、終わってみれば、まさに自分が求めていたインターンだったなと思う。これ以上のものはない、今はそのように回想しています。
あれ?答えになってるかな(笑)

長沢)大丈夫です!ありがとうございます。
では、インターンシップをしたことのない学生にお勧めしたい内容のインターンシップはありますか。

新見)自分がしたような、地域に一定期間住込みしておこなうインターンシップの場合、宿泊交通費など活動に対して企業がいくらか補助してもらえるケースはありますが、自分のお金を切り崩して挑戦することも多くあると思います。お金を使うといった観点から考えると、果たして自分が興味のない分野にお金を出してまでやるか?といったこともあるのではないでしょうか。なので、内容もですが、”何をしたいのか”、”何を学びたいのか”という目的が重要であり、このような部分をもって取り組んでいくことをおススメします。

長沢)「お金」という言葉がでましたが、アルバイトで働くこととインターンシップで働くことの違いは何だと思いますか?

新見)例えば、1ヶ月間地方で住込みバイトをすれば10万とか15万になるでしょう。同じ期間を使うとして、アルバイトもインターンも企業が求めている事と学生が求めていることがマッチしてはじめて成立するのではないかと考えています。アルバイトもインターンシップも「なぜそれをやるのかといった目的」や「何を得たいのか」ということが重要でありそれが違いだと思います。

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長沢)新見さんがされた、地方へ一定期間住込みしておこなうインターンシップの魅力は何だと思いますか。

新見)一番は、「大人になったら絶対できない経験や機会すらないことができる」といったことではないかと思います。
就職したら4週間有休をとることは絶対できないであろうし、仕事にも集中しなければならず、自分の学びたいことを学ぶという機会もたぶん限られてくるでしょう。学びたいとこを学べる学生の間に、自分が知らない地域に行って学べるといったことは特長だし魅力かなと思います。

長沢)では最後に、新見さんはインターンシップの経験や価値を何だと思いますか。

新見)自分の未来を切り開くチャンス!
学生生活と社会人になってからは大きなギャップがある。お金を払って受ける側から、お金を貰って仕事をする。このような変化のギャップがおとずれる中で、自分の将来像を探すにはステップがあると思うんです。インターンシップはこのギャップを緩和してくれるようなステップではないでしょうか。インターンシップを通じてそのステップを踏み、社会人に近づくことで社会が見えてくるのはではないかと思います。

自分がやった4週間のインターンシップでは、無数の経験がありました。
飲みに連れて行ってもらい色んな話を聞かせてもらったり、西馬音内盆踊りについて実際の現場の人たちから裏話が聞けたり、やはり「百聞は一見に如かず」でした。今回は、インターンシップをすることでその地方について知ることができたんですが、何事も文献だけではなく実際にその場所へ行き、そのシチュエーションに身を置いて経験することが重要なのではないかと思います。

長沢)盆踊りじゃないとこでも活かせる経験、実際に行ってみてでしかわからないことを経験したことを学べたんですね。

新見)その経験が自分につながってることが知ることが出来たこともインターンシップは重要だったと感じています。

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新見さん、新型コロナウィルスの影響で学生生活も大変な中、インタビューに応えていただきありがとうございました。

インターンシップの経験により将来像が見えてきて大学院に進む決心をされ、引き続き日本の伝統芸能音楽を研究されるそうです。

インターンシップは、”同じプロジェクト”、”同じ期間”でおこなう人でも経験できる事や量は異なります。自分が全力で取り組むことで見えないもが見えてきます。

このような経験ができるインターンシップをわたしたちインターンシップコーディネート機関は提供しています。

2020年夏もオンライン・リモートで、3~4週間のインターンシップを実施予定。詳しく知りたいといった方は下記までご連絡ください。

NPO法人みらいの学校 インターンシップ事業担当:崎山健治

Email:ugo.mirai.sch.int@gmail.com


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