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学生の挑戦心レポ⑧ ~知らなかった自分を発見できた夏~

今回の「学生の挑戦心レポ」は、2019年夏に秋田県雄勝郡羽後町の「農家民宿 りら」さんで、4週間のインターンシップをおこなった“青木香澄”さんです。

インタビューを担当してくれたのは、当法人に2020年3月8日~14日にインターンシップしてくれた、秋田県の国際教養大学に通うの石井李佳さんです。

青木さんは「農家民宿の利用者を倍増させる アクティビティ体験メニュー作成」という実践型インターンシップに参加されました。
インターンシップ参加前とその後にどのような変化があったのかを話してくれました。

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石井)よろしくお願いします!
では質問に入っていきたいと思います。まず、インターンシップに挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。

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青木)高校卒業後、台湾の大学に進学しましたが大学生活で言語の壁を感じていました。プレゼンテーションやディスカッションをする時、自分の意見を思うように言えないことがあるなど、自分は受け身の状態だと思っていました。ですが、大学生活で何も経験できていないことは嫌で、日本に帰省した時に自分の意見を発信すること、周りの意見を聞いて物事を達成するようなことをしてみたいと思いインターンシップを探し始めました。

石井)受け身から能動的になりたいと思ったんですね。

青木)はい。あと、日本の大学生と知り合いたいというのもありました。台湾に来ている日本人もいたのですが、私と同じで受け身の人や、何かできないかと悩んでいる人も多くいまいた。その時『日本の大学生はどういうふうに物事を成し遂げていくのか』ということに興味が湧き、一緒にやってみたいと思っていました。

石井)台湾に留学しようと思ったのはなぜですか?

青木)高校の進路選択の時に、絶対行きたい大学もなく悩んでいました。その時に台湾で4年留学できるという選択があることを知り『海外に4年間行くことで絶対的な自信のようなものが自分に持てるのではないか』そうなることが面白そうと思いました。

石井)すごいチャレンジングですね!台湾語や中国語は話せたんですか?

青木)日本の中国語の塾で1年間勉強しました。

石井)すごい!私も大学の授業はすべて英語で似たような状況です。思ったことがあってもそれを英語に変換している間に話しが進んでしまうこともあって…。

青木)自分が話すことが会話の内容に合っているのか自信が持てなかったりしますよね。

石井)そういうことあります。それで今すごい親近感が湧いています(笑)
では、次の質問です。参加されたインターンシップを選んだ理由はなんですか?

青木)私のプロジェクトはAirbnbへの体験メニュー掲載でした。海外旅行に行く際にAirbnbを使っていましたので「掲載する側は、どのような感じなのか」と思う気持ちもありました。あと、地域おこしに興味があり、Airbnbを地域の発展や農家民宿の集客に繋げることは面白そうだと思い応募しました。

石井)なるほど。参加前に不安はありましたか?

青木)すごく不安でした。ひとつは大学生活の中で自分が主体となるプロジェクトを経験したことがなかったこと。そのような状態でインターンシップすることに対し不安がありました。もうひとつは、インターンシップ先が農家民宿で宿泊する場所も同じになっており、一ヶ月間何も知らない土地でひとつの家族の中に入り関係性を築けるかが不安でした。

石井)その不安は解消されましたか?

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青木)まず、インターンシップが始まる前の事前研修でコーディネーターの方からアドバイスをいただけました。家族経営のところでインターンする場合、生活とインターンシップの切り替えが難しいのではないかということを相談すると「朝ごはんの後と夜ごはんの後の30分間でいいか、今日やりたいことと終わってから反省をする時間を取ると良いよ」など、アドバイスをいただけ、実践してみると生活とインターンシップを分けれているという実感が得られました。また、インターン先の家庭のみなさんはとても温かく迎えいれていただけ、当初抱いていた不安はなくなりました。

石井)参加されたインターンで貢献できると思っていた自分の能力やスキルはありますか?

青木)受け入れ先は海外からのお客さんも多いと聞いていましたので、台湾の留学経験から外国視点を持っているということはプラスだと思っていました。実際、台湾からのお客さんも多かったです。

石井)期間中、台湾からのお客さんに会いましたか?

青木)会いました。中国語で会話するなど交流できたのも楽しかったです。

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石井)そうなんですね。日本と台湾はカリキュラムも違うと思いますが、インターンシップ期間と被っていたため、できなかったことや諦めたことはありますか?

青木)実は、石川県のゲストハウスで住み込みのアルバイトをしたいと思っていましたので、そちらにも応募していました。ですが、インターンシップの方が面白いのではないかと、こちらにチェンジしました。インターンシップのために日本行くような気持ちでした。

石井)それすごいですね!インターンシップ期間に対し、プロジェクトの目標や内容は最適だったと思いますか?

青木)1ヶ月でちょうど良かったと思います。初めてのインターンシップだったこともあり、分からないことも多く、上手く進められないこともありましたが、コツをつかんで徐々に進めていけましたので期間は最適だったと思います。

石井)慣れるまでにどのくらいかかりましたか?

青木)最初の1週間はすこし浮ついていましたが、2,週間目には慣れていきました。

石井)インターンシップを始める時期として学年や時期など、おすすめのタイミングはありますか?

青木)1年生か2年生の間に参加すれば、すごく身になるので早めにやってみると良いと思います。大人の方と関わって一緒に働く経験は、普段の生活でも活かせると思いましたし、低学年時に経験しておくことは、就活の際にも役立てれますから、早ければ早いほど良いと思いました。
また、私が参加したインターンと同時期に、別のインターン先で4年生の方がいて『就職先は決まっているけど社会に出る前に違う企業や業種も見てみたい』といった目的で参加されていました。社会人になる前の経験としてインターンシップをすることも面白いなと思いました。

石井)受け身の状態から抜け出したいと思っていたということでしたが、期待したことと現実とのギャップはありましたか?

青木)受け身の状態から能動的になっても、物事が思った通りに進むわけではないと感じました。意見を言うだけではなく、それをまとめていかなくてはいけませんし、話し合うことや周りの人と一緒に進めるスキルも大事でしたし、難しくもあり面白い部分だと感じました。
また、想像していた以上に受け入れ先の方々が温かく、休日や業務以外の時間に色々な場所に連れて行ってもらえました。川下りなどもしましたし、普段の生活ではできない経験をたくさんさせていただけました。仕事も遊ぶも全力で取り組むことは楽しかったです。

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石井)いいですね!わたしは今、コロナでおうち生活ですから羨ましいで(笑)
インターンシップを通して自分の変化や成長は感じられましたか?

青木)同じ場所に住んでいて違うところでインターンシップをしていた友人にアドバイスをもらいながら、
宿が同じで仲良くなった別のインターンに参加者に、客観的に視点でアドバイスをもらうことができ、物事や話し合いを進める力、スケジュール管理能力がついたと思います。私は優柔不断なタイプなので、話し合いをしてもまとまらないことがこれまではあったのですが、期限を決めて取り組むこと、まとめるために、やるべきことをピックアップしてから話し合いに臨むことなどアドバイスをもらいました。

石井)インターンシップのやりがいをどこに感じましたか?

青木)自分の作ったものが目に見えるってカタチで残せたというのが一番のやりがいだなと思っています。Airbnbに掲載する体験メニューを作るため、自分たちで取材や写真撮影し掲載文を考えました。掲載にあたり審査があるのですが、申請したプログラムが審査に通った時は嬉しかったです。

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石井)それはすごく嬉しいですね。体験メニューを作るなど、プロジェクトを進めた後で気付いた企業側の変化はありますか?

青木)私たちが考案したメニューの中に、野外で星空を見ながらプロジェクター投影し映画を楽しむ『星空シアター』といものがありました。これは著作権の問題で実現できなかったのですが、受入れ先の方々が「自分たちだけでは考えつけない視点でアイディアを考えてくれた」とお話しされていて、外の視点といった気づきを感じてもらえたと思います。

石井)学生視点が喜ばれるという話を聞いたことがありますが、実際の現場であった話を聞いたのは初めてでした!
インターンシップで得られた経験や学びはその後に役立っていますか。

青木)すごく役立っています!インターンシップの経験を活かし主体的に動こう思い、台湾で学生の団体の立ち上げを準備しています。台湾留学などの情報を発信するこことで交流の場を作りたいと思っています。これはゼロからのスタートでしたから、目標をどう立てるか、ターゲットは誰か、期間はどうするかなど、企画していく中でインターンシップの経験や役立っていると感じました。

石井)そういったことに活かせる経験がインターンで得られことはすごく大きいですね!

青木)そうなんです。今はSNSでの情報発信を検討しています。

石井)団体を立ち上げるということは大変ではないですか?

青木)団体を立ち上げと聞くとすごいことのように聞こえるかもしれませんが、楽しいことがしたいと思ったことがきっかけで始めましたから大変といったイメージはあまり感じていないです。
台湾の留学生のコミュニティが少ないとこと、大学と寮の行き来だけでなくバイトやインターンシップをしたいと思っても、言語の壁を感じ挑戦できないこともあります。私自身がそのような経験をしましたので、楽しめることをみんなで出来ればいいなと思っています。

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石井)インターンシップの経験が今役立っているということですが、今後どのような経験をしたいですか?付けたい力や、やってみたいプロジェクトなどあれば教えてください。

青木)2つあります。ひとつはゲストハウスの立ち上げが面白そうだと思っています。前回のインターンシップは立ち上げといったところまでで、その後の反響や改善といった部分はできませんでしたので、立ち上げから運営まで関われるような長期のインターンシップに参加してみたいです。
もうひとつは、台湾でインターンシップをすることです。台湾で受け身になっていたから日本で何かしたいと思い挑戦したのですが、今度は台湾でやればどうなるかなと考えるようになりました。ですので今年の夏は台湾でインターンシップをする予定です。
他にも、自分が苦手だと思うことが、どう苦手なのか、なぜ苦手なのかをインターンシップの経験を通して知るような自己分析も面白いのではないかと思っています。

石井)台湾ではどのようなインターンシップされる予定ですか?

青木)大学では非営利団体やNPO活動について学んでいて、インターンシップはカリキュラムの一環ですが実際に非営利団体で地域おこしのお手伝いをするといった内容です。

石井)インターンシップの期間や内容でおすすめしたいものはありますか?

青木)まだ他のインターンシップをしたことがありませんし、どのような内容が良いかも人それぞれだとは思いますが、私が経験したような実践型と呼ばれる、実際に地域に入って経営者の方と近い距離で物事を進められるインターンシップはすごく面白いと思います。
自分の将来を考えるためには、企業や社会で実際に経験することで見えてくる部分があると思います。私が参加したような1カ月のインターンシップでもすごく身になりますし、企業にも貢献できるのではないかと思います。

石井)アルバイトの経験はありますか?

青木)1年生のときにナイトマーケットでアルバイトしていました。今は家庭教師や通訳のアルバイトをしています。

石井)アルバイトとインターンシップの働く違いはなんだと思いますか?

青木)責任感や緊張感が違うと思います。自分のためといったことでは同じだと思いますが、アルバイトは目的が特にお金のためという部分が強いと思います。一方でインターンシップは、企業のためと努力することで、より強い責任感が生まれますからアルバイトよりも良い経験ができると思います。振り返るそのような責任感おこなった経験が役に立っています。

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石井)最後の質問ですが、青木さんにとってインターンシップはどのような機会でしたか?

青木)インターンシップは、新しい自分を発見できる良い機会でした。自分は受け身だとか、アイディアを持っていないと思うこともありましたが、実際にインターンシップをして自分はこんなアイディアがあるんだという発見ができました。逆に社会に出る上で自分自身の足りない部分にも気付けましたし、第三者からの視点で知らなかった自分を発見することができました。

石井)お忙しいところ、ありがとうございました!


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青木さんはインターンシップ後、大学の仲間と台湾へ留学に来た学生のコミュニティがつくりたいと活動されています。

青木さんが運営されているSNSはこちら

地域でおこなうインターンシップの価値は、様々な出会いによって自分とは違う価値観に触れ、今まで気付けなかった自分を発見することがあるのだと思います。
コーディネーターとして、その機会をうまく作ることも重要だと感じています。

青木さん、様々な思いをお話しいただきありがとうございました。


NPO法人みらいの学校は挑戦する、したい学生を応援しています。

「青木さんのようなインターンシップに参加してみたい」と考えている学生さんからの問い合わせ、または「何かやってみたいけど何からやればいいの」といった相談などは以下からご連絡ください。


NPO法人みらいの学校 

担当:崎山健治

Email:ugo.mirai.sch.int@gmail.com

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