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『じい散歩』

今年10冊目
オーディブル2か月無料体験にチャレンジ中の4冊目。初の小説を聞いてみました。芥川賞作家とは最後に知った藤野千夜さんの作品。

興味あったけど、これも文字で読まなくて良かったんじゃないかな。

「やだー」って何度も声に出して言っちゃった。

主人公は、大正生まれで戦争を生き残ったお父さん。子どもは引きこもりと借金まみれ。お父さんの人生のふりかえりと並行して、現在の話が進んでいく。今ならば発達障害とケアしてもらえるけれど、昭和のお母さんなら救いを求めに走るかもね。命がけで生きてきて、子どもが伴走してくれないのは悲しいなあ。8050問題のお宅を詳しく見ていくような小説。

この本のラストは、美談では終わりませんでした。そこが気に入った。

淡々と、粛々と、日々は過ぎていく。

出口は無い小説だけど、お父さんは洋食好きの建設業だったので、散歩のルートが美しい。建物の細かい描写。NHKの『解体キングダム』でその建物を見たぞ?とか、本当の店名が紹介されるのでGoogleでこんなおいしいそうなランチなんだ!と確認できて、旅行気分で楽しかった。

だから重苦しくなかったんだと思う。ラストが気になったから、続編も聞くよ。

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