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読書MEMO「全員経営者マインドセット~MSマトリクスで実現する次世代組織~」#1(第1章・第2章)

吉田行宏さん著の「全員経営者マインドセット~MSマトリクスで実現する次世代組織~」を読みました。そこそこ長いので今回は#1で第1章・第2章の読書メモ。

【第1章】自社の組織は強い?弱い?

1.自社の組織の「本質的課題」は何か?

自社の組織課題の本質的な要因は何か?の答えこそが、本書のテーマである”全員経営者マインドセット”に向けた重要な足掛かりになる。本を読み進めていく中で問いに対する仮説検証を繰り返すことで、課題の本質をより深く理解して自分のものにできる。

2.会社の成長に不可欠な4要素

①ミッション、ビジョン、中期目標(ミッション=存在意義、ビジョン=中長期に目指すもの、マイルストーン=中期目標)
②戦略力(顧客により良い価値の提供し、市場競争に勝つための策略)
③組織力、人材力(本書で扱う内容)
④市場創造、イノベーション(新しい価値を生み出す市場創造、非連続の技術革新)

③の組織力は重要と著者は考えており、強い「組織力」がなければ、優れた戦略も実行することができず、市場創造も成し遂げられない。

3.自社の組織の現状を知る

MSマトリクスを作って自社の組織課題について考えてみよう。

■マインドセットの6要素
①当事者意識(会社の課題を当事者としてとらえ、主体的に実行する)
②覚悟(覚悟を持って行動する)
③オーナーシップ(自分の人生の主人公は自分として生きているか、仕事面でも私たちの会社というマインドと経営者視点で仕事をする)
④全体最適(自分や自部門の都合やメリットだけでなく、会社のMVVにのっとり、全体・中長期視点でも思考・判断・行動をする)
⑤ミッションフィット(会社のミッションに深く共感し、自分の目指すものとしてとらえて行動する)
⑥バリュー体現(会社の価値観を体現し、バリューを踏まえた言動をとり模範となっているか)
■スキルの4要素
①テクニカルスキル(専門知識や技術的な能力)
②組織マネジメントスキル(経営目標に対し、経営資源ヒトモノカネを総合的に管理運営する能力)
③コンセプチュアルスキル(俯瞰的、複眼的に事業や課題を把握でき、解決策見つけ出す能力)
④戦略思考力(限られたリソースで実現可能性や効果の高い施策を導き出す能力)

【第2章】マインドセットの高い人、低い人とは?

1.MSマトリクスから何がわかるのか?

MSマトリクスの状態によって、会社の組織の現状の棚卸しが可能となる。

2.各ゾーンに見られる特徴

MSSゾーン・M100ゾーンに人がたくさん集まる組織=全員経営者マインドセット組織と名付ける。

3.「マインドセット」は6つの要素の複合体

【要素1】「当事者意識」を持つということ

例えば、「会社に活気がない」という課題があったとしてその責任がだれ何%あるか?という問いをもとに、「当事者意識」について考える。「当事者の輪・評論家の輪」の図で説明すると、

自分の責任割合が高い人=当事者の輪(目の前の課題について自分に何ができるのかを真剣に考える)

自分の責任割合が低い人=評論家の輪(自ら解決のアクションを起こそうとはせずに課題の指摘や意見を言うにとどまる)

【要素2】ブレーキを踏まない「覚悟」をする

■見えないブレーキの存在を意識する

不満や悩み、迷いなどのモヤモヤ=行動に無意識にブレーキをなってしまう。心の中には「見えないブレーキ」がある。そのブレーキに気付くことが重要。

(参考)人がモヤモヤを感じているときの解決方法①行動スライド(自分が行動変容をする)、②環境スライド(環境を変えようとする)

■ブレーキを踏まない覚悟をする

ブレーキを踏まない方が自分の人生にとってプラスであるかを自分で判断する。リーダークラスでもブレーキを踏んでいる人も多い。難しい人は期間限定でトライしてみる。

【要素3】「オーナーシップ」を持つということ

会社という船に乗っている限り、会社の環境や船の状況に対して、自分がどう影響を与え、変化させられるかを考え本気で行動すること=仕事や人生のオーナーシップを持つこと。

仕事にオーナーシップを持てない人は、人生にオーナーシップを持つことが難しいのでは?オーナーシップの持ち方を決めるのは自分自身。

【要素4】「全体最適」の視点を持つ

「木を見て森を見ず」ということわざのように全体視点、全体俯瞰が重要。部分最適が優先されると、部門の都合が優先され、顧客価値や中長期の視点を失い、負のスパイラルに陥る。全体最適の中で部分最適も可能な限り追求するバランス感覚が大事。

【要素5】「ミッションフィット」の本質を理解する

ミッションフィットの意味①:自分が目指したい方向性が会社のミッションと合致し、それを目指すこと

ミッションフィットの意味②:会社のミッションと日常業務の間の関連性やストーリーを感じとること

【要素6】「バリュー体現」をしている人が会社に必要な理由

バリュー=ミッションビジョンを追求する上でどういう価値を大事にしながら行動していくべきかの規範

バリューの浸透のために最も重要なもの=バリュー体現度の高い生身の人間による影響。

4.「マインドセット」の勘違いされやすい内容

勘違いパターン①=当事者意識100%は損ではない

当事者意識100%は覚悟をもって自分ができることを実行することであって、「会社に利用されて損をする」「より結果を求められてしまう」ということではない。結果に向かってこだわりを持って仕事をするという姿勢や行動が大事。

勘違いパターン②=「マインドセット」はロイヤリティではない

ロイヤリティ=会社への忠誠心。自主性を伴っていなくても成立する。

マインドセット=自立・自走していく力を持っており、自分の仕事やチームに対する想い・責任感を強く持ち、会社やチームに貢献していくこと

マインドセットとロイヤリティの共通点=①自然に生まれるもの、②強制したり求めたりするものではない

マインドセットとロイヤリティの違い=ロイヤリティは依存リスクがあり、マインドセットは自立している

「マインドセット」は時間では測れない

マインドセットを高くしようという話をすると、「今でも頑張っているのにこれ以上、仕事のマインドセットをあげると家庭が犠牲になってしまう」という声を聞くが、「マインドセット」は物理的な時間配分の話ではない。

仕事もプライベートも100%で臨む、自分で「全力で当たるぞ」と覚悟することが大事。




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