見出し画像

機材紹介 : YAMAHA DXR12mkII (フルレンジ)PAスピーカー

ミライノオンガクが所有・レンタル提供している機材を紹介していこうと思います。
まずはYAMAHA DXR12mkIIから。
ミライノオンガクのPAプランを利用された・聴いていただいた方々に大好評をいただいている「ミライノオンガクの音」、の要となるPAスピーカーです。

(フルレンジ)PAスピーカーとは?

屋外や公共空間でのイベントでよく目にする、スタンドに立てられたタイプのスピーカーです。
低域から高域まで全帯域を鳴らすように設計されたスピーカーです。
(「フルレンジ」は超低域だけを鳴らすサブウーファーとあえて区別するときに冠します)
当然ながらPA(イベント用仮設音響)の出音を左右するもっとも重要な要素です。出音が良いPAスピーカーは良い音楽イベントをつくりだすことにとても役立ちます。
PAスピーカーの選定と適切な運用こそがPAエンジニアの腕前と言えるかもしれません。
昔からの定番だとEV SX300BOSE 802、ここ最近ではEV ZLX-12PJBL EON612を目にすることが多いですね。

YAMAHA DXR12mkIIの特徴

スタイリッシュな外形に音叉マークが最高
  • 出音がとても端整

  • スマートかつコンパクト

  • パワーと音飛びも十分

  • 聴かせる範囲のコントロールが可能

  • 賢いスピーカーカバー

出音

一言で言うなら、「真っ白なキャンパスのように端整な音」です。
ミライノオンガク代表はモニターヘッドフォンとしてYAMAHA HPH-MT8を愛用していますが、それとほぼ同じ音です。
(正直ここで説明するより楽器屋等でHPH-MT8の音を聴いていただいた方が早いかと…エンジニアのみならずトラックメイカーやDJにも人気のあるヘッドフォンです)
あえて言葉で説明すれば、解像度が高く正確で、変な癖や味付けがなく、それでいて「モニター」然としすぎていない、音源の魅力を正確に引き出すサウンドです。置き場所さえあれば制作用モニターにも使えそうだなーといつも思っています。

そんなサウンドでは音楽イベントが味気なくなってしまうのでは?と疑問に思われるかもしれません。(一昔前は「YAMAHAの音は味気ない」なんて言われたりもしましたね)
しかしながら、PAスピーカーというものは設置方法やEQで出音を調整するのが大前提となります。なので「真っ白なキャンパスのようなスピーカーにEQを施し、会場特有の響きを抑えたりしながらイベントに最適な音楽性を付与していく」手法をミライノオンガクでは採用しています。
主催者や出演者と対話しながら、自分の知識や感性を活用して設置方法とEQを作り込み、そのイベントに最適な音楽性を追求していく…この作業がとても楽しくなるスピーカーです。
白状してしまうと、素の音が魅力的なので、イベントの性質によってはEQをほとんどいじらないことも多々あります!「あえて手をつけない」という選択ができるのも嬉しいですね。
このスピーカーの出音を聴いてそれでも「味気ない」なんて言う人はいないと思います。

スマートかつコンパクト

ミライノオンガクのコンセプトは「スマートかつコンパクトな機材で」。どんなに音が良いスピーカーでも、イベントスペースに搬入できない重量であったり、会場レイアウトを邪魔してしまうような大きさでは意味がありません。
DXR12mkIIは搬入も設営もしやすく、日本の建築物でも邪魔になりづらい大きさです。
(DXR15mkIIではなく12を選んだのはここが理由です…15インチは日本の建築物で取り回すにはかなり厄介なサイズ感です)

パワーと音飛び

スマートでコンパクトで端整なだけでなく、パワーと音飛びも十分です。
屋内で鳴らせばまるでクラブのような大音響を実現できますし、屋外で鳴らせば(ミライノオンガクで手がける規模の上限である)200〜300名クラスの客席の後ろまで綺麗な音を届けることができます。
現代の高性能なクラスDアンプとDSPを内蔵したことにより、昔は巨大なスピーカーを何台も積みあげて微調整していたような規模感のサウンドが、このスピーカーを1人で運んでスタンドに乗せるだけで実現できてしまいます。いい時代だ。

聴かせる範囲のコントロール

地味に気に入っているのが、スタンドに乗せるときに首の角度が水平だけでなく下向き(-7°)も可能となっているところです。
2種類のスピーカースタンド穴を用意するだけで実現できる機能なのですが、意外と実装されている機種は少ないんですよね。

スピーカーの音は観客の身体にけっこう吸われてしまうものです。よって遠くまで音を飛ばすにはスピーカーの水平位置(タッパ)を高めに設定する必要があります。
しかしその状態で首の角度が水平だと、観客席前方にいる人は音(特に高域)が頭上を通過していってしまい、不明瞭な音しか聞こえなくなってしまいがちです。
DXR12mkIIであれば、タッパ高めかつ首の角度を下向き設定にして頭上から音を「降らせる」ようにすることで、遠くまで音を飛ばしつつ、頭上通過問題を解決してクリアな音を聴かせることができます!

ミライノオンガクでは応用として、音を大きく聴かせたい範囲とそうでない範囲を分けるのにも使用しています。
たとえばDJイベントで、フロア前方ではクラブのような大音響にしつつ、フロア後方では会話が可能な程度に音量を抑えたい…という場合に(DJイベントはコミュニケーションも大事です)、フロア後方をあえて外すような高さと下向き角度の設定とすることで、これを実現しています。
あるいは音量制限のあるパブリックスペースで、客席エリアはしっかり聴かせたいが、無関係な人が往来するエリアは気にならない音量にしたい…といった場合にも役立っています。

賢いスピーカーカバー

DXRシリーズのあまり知られていない魅力として、とても良くできた純正のスピーカーカバーがあります。
装着したまま音を出せるのは当然として、前方カバーは運搬用の分厚いカバーと音出し用カバーの2段階になっているので出音への影響を最小限に抑えられます。
後方カバーはアンプ部冷却のために開放することができるだけでなく、フラップとベルクロで簡易的に屋根を作ることができ、少々の雨天時でも安全にスピーカーを運用できます。おまけにフラップの内側には3P電源ケーブルの収納ポケットつき。もう取っ手にケーブルを巻き付ける必要はありません!
側面カバーも取っ手部のみを開放させることができ、ハンドルまわりが錆びてしまう心配もありません。
屋外イベントを専門とするミライノオンガクの心強い味方です。


以上、YAMAHA DXR12mkIIの紹介でした。
次回はDXR12mkIIの超低域における相棒であり、ミライノオンガクのシンボル的存在でもある18インチサブウーファー、YAMAHA DXS18XLFを紹介したいと思います。

でかい


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?