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トマト農園の損益計算書を見る! (事例研究)

下記の損益計算書は4,000㎡の大玉トマトの施設栽培農園。ハウスは軒高4mハイワイヤー誘引。主な設備は環境制御、CO2施用、ミストシステム。購入苗、共同機械選果、共同出荷。家族3名、アルバイト3名で農園を運営。

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売上高は4,000㎡で52,600,000円なので、1反当り13,150,000円としっかりと上がっています。それでもすべての経費を差し引いた営業利益は372,000円となり、一般の産業と比べると非常に厳しいというのがよくわかります。

コスト面を見てみると労務費、減価償却費、燃料・電気代、荷造り運賃支払い手数料が非常に大きくなっています。

減価償却費は設備投資したものを期間配分したものですから、一旦、投資してしまうと償却期間を通じてずーっと費用としてのしかかってきます。ですから設備投資は本当に必要な設備かどうかをしっかりと考えて、できるだけ抑えていかないと経営が厳しくなります。

労務費はアルバイト、社員、自分の給料を合わせたものです。一番大きいコストなので何とかしたところですが、これは農作業や事務作業の生産性を高めるほかありません。作業の標準化、平準化が大事です。

荷造り運賃支払い手数料は共同選果、共同出荷を行っている組合への手数料です。組合を通さずに独自で選果・出荷を行えば、荷造り運賃支払い手数料を削ることはできますが、結局、自分たちでやることになるので労務費が増えてしまいます。

燃料・電気代は大きいのは冬場の暖房費用(重油代など)です。これも農業をやっていく上で非常に悩ましい費用です。促成栽培を行うことで高く販売していくことができるのですが、その分、燃料代ものしかかってきます。これも非常に経営判断が必要です。

自園の経営戦略の中で各コストをどのように位置づけ、必要な経費、そうでない経費をしっかり見極めていくためには農業者には”経営力”が求められます。

また農業者単体では解決できない部分も多いので、経営者は農業業界だけでなく他の業界にもネットワークを持ち、他の業界の技術やサービスを活用して課題解決していく力が求められます。

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ご質問などございましたら下記メールまでお気軽にご連絡ください。
t.ogawa19720117@gmail.com


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