見出し画像

根を観察しよう! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。施設栽培において温度、湿度、CO2濃度、光量、養水分などを最適に管理し農作物の光合成を促し、収量と品質を向上させる「環境制御技術」の重要性は、いまや当たり前になってきました。
そしてその結果として植物の生育状況を確認する「生育診断」は農業者が植物を見ることによって日々行われます。しかし往々にして確認されるのは生長点の葉や茎、花の状況など地上部であることが多いです。ハウスに入れば常に見えるところにありますし、「生育診断」の見るポイントなどの情報も多いからだと思います。一方、地下部、つまり根の部分の感圧をする人は少ないようです。根は人間に例えると腸に当たる部分で、光合成の材料である「水」や養分などを吸収する植物の生長には欠かせない重要な器官ですが、土や培地の中にあり、通常では見ることができない状況にあるからだと思います。
しかし、植物の健全な生育のためには根を観察することは非常に重要です。

〇根を観察しよう
ハウス内環境を最適化し地上部の光合成環境を整える技術は広がってきましたので、今度は地下部(根)の観察が重要です。地上部が健全に育っているように見えても、根が傷んでいればそのうち地上部にも影響が出てくるからです。
施設栽培での環境の重要性の割合は、地上部が80~90%、地下部が10~20%といわれています。こうみると地下部は大事じゃないかのように思えたりしますが、地上部と地下部は相互関係にありますので、さきほど述べたように必ず地上部に影響が出てきます。
根を定期的に観察するクセを漬けてくださいね。

〇根の観察方法
根も地上部同様、光合成や生育の進み具合を確認するために、栽培期間中、定期的に観察することが重要です。しかし、ハウス内に入っても見えないところにあり容易に見ることはできません。

そこで養液栽培の場合はトマトやパプリカなどをロックウールやヤシガラのバッグで栽培している場合は、バッグの一部を大きくカッターで切って確認してください。側面に発生する根を容易に定点観測できます。観察終了後は根に光が当たらないように、切ったバッグを養生テープなどで貼って元通りにしましょう。また最近ではバックに観察窓のついたバックもありますので、観察用のバックを一部に使用すると簡単に観察ができます。

土耕栽培では栽培作物の株元付近に昆虫などの飼育ケースを土壌に埋設する方法です。ただ、埋設する際には根が多く発生する株元のかん水チューブの近くが最適です。

根の観察は最低週1回、できれば2~3日に1回実施してください。根は思っている以上に増えたり減ったりして、日々変化しています。根の変化が生育や収量に大きく影響していることがわかります。


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com

【関連記事】--------------------------------------------------------------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?