見出し画像

収量を増やすためには湿度(飽差)管理が重要! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。トマトの葉の観察をすると、400倍くらいにすると「気孔」が見えます。すごく不規則にあるように見えますね。

顕微鏡からみた葉の表面

気孔は光合成が盛んに行われる晴天の時に開いて、葉から水を蒸散させ、根から水や養分の取り込みを促進し、同時に光合成に必要な二酸化炭素を取り込み、光合成により産出される酸素を放出します (ガス交換)。

また、蒸散は強い日差しで上昇した葉の温度を低下させる役割もあり人円に例えると「汗をかく」ような役割もあります。空気が乾燥している時には気孔を閉じて蒸散を抑制し、植物の体が乾燥してしまうのを防ぎます。

農業で収穫量を増やすためには光合成を促進ししっかりと葉で炭水化物(糖)を合成する必要があります。そのためには材料となる水(H2O)と二酸化炭素(CO2)を効率よく寄りこむことが重要です。

そのためには気孔での蒸散をしっかりと行わせることで根からのH2Oの吸い上げを促進し、かつ、気孔からCO2をしっかり取り込まなければなりません。気候が閉じていてはそれらを行うことができませんので気孔を開かせることが大事です。そのためには空気中の湿度が重要です。空気の湿度高すぎてもダメ、低すぎてもダメで、適度な湿度環境のコントロールが求められます。
下記の表は「飽差表」とよばれ、光合成に適した温度と湿度の関係を表しています。
黄色の部分である飽差が3~6が良いとされており、例えば温度が20℃の時、湿度(相対湿度)は70%~80%で飽差は3.5~5.2になっていますので、光合成環境が良いということになります。

飽差表

いくら光合成の材料であるH2OやCO2をハウス内に供給しても気孔が閉じていれば植物はせっかくの材料を取り込むことができませんので、温度と湿度の関係を適正に保ち気孔を開かせることは非常に重要です。

このように栽培環境と植物の状況が緻密に連関しあっているので、総合的に栽培環境を整えていくことが難しいところですが、奥深く楽しいところでもあります。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL t.ogawa19720117@gmail.com

【関連記事】--------------------------------------------------------------------


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?