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もみ殻の利活用まとめ。(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。なんどかもみ殻について記事を書いてきましたが、米を籾摺りするとだいたい1haで1トンものもみ殻が出ます。収穫したお米が集まってくるライスセンターなどでは大量のもみ殻が発生し、一部は土壌改良材やもみ殻暗渠、もみ殻燻炭として利用していますが、それでも多くは廃棄処分されてきました。

また廃棄処分も産業廃棄物として燃焼処分されていますので費用もかかります。これが毎年、毎年発生するのでもみ殻の処分費用も毎年、毎年かかります。
なんとか「もみ殻を活用したい!」との想いでもみ殻活用に関して調査を続けています。
毎年、確実に発生するバイオマス資源ですからね。これを有効活用出来たら稲作農家さんにとっても地球環境にとってもいいことですよね!

そこで今回は調べてきたもみ殻活用についてまとめて記載したいと思います。

〇もみ殻培地
トマト栽培などではよくヤシ殻培地などが使われます。もともとロックウールなどが使われていましたが、ヤシ殻が分解に時間がかかる性質があることからロックウールの代替になるということで、現在はヤシ殻培地を使っているトマトの養液栽培農家さんも多くなっています。ただしヤシ殻はスリランカやインドなどから輸入されているのが現状でその分コストもかかり、かつ安定調達には不安もあります。もみ殻は分解もしにくく、かつ毎年日本各地で発生しますので、ヤシ殻培地に代わってもみ殻培地でトマトの養液栽培ができないか、、と考えます。まだまだ普及までには及んでいませんが、一部の地域では、すでに利用され始めています。

もみ殻を培地にしたトマト栽培
ヤシ殻培地「ココバック」(トヨタネ)

〇もみ殻薪化装置
これはもみ殻を圧縮して「薪」にする装置です。この薪のことを「モミガライト」と呼んだりします。薪状にすることで体積を小さくできるので保管や運搬にも適しています。BBQの燃料や薪ストーブなどにも使うことができます。
課題はもみ殻を薪にすることに特化した装置なので他の用途に使うことができないことです。初期投資がかかる割に装置の稼働率は低くなってしまいます。またもみ殻の薪は棒状であるため、燃料として使うには人の手で供給する必要があり、そういった意味でも使用用途が限られます。

〇もみ殻ペレット製造装置
もみ殻を圧縮してペレットにする装置です。こちらも体積も小さくなり、保管や運搬に優れているという意味ではもみ殻薪化装置と同様です。ただし形状がペレット状になるので燃焼装置などに自動供給できます。またペレットにするのはもみ殻だけでなく、様々な木質バイオマスや鶏糞などの肥料もペレットにできますので、年中通じて使用することができ、ペレット製造装置の稼働率は高くなります。またもみ殻薪化装置と比べて初期投資が比較的安価であるのも利点です。

〇もみ殻の炭化装置
もみ殻を炭にする装置です。もみ殻を炭にして農地に戻すことでCO2を地中に固定化できることから、カーボンニュートラルの視点見るとCO2のマイナス効果があるとしてJ-クレジットの対象にも挙げられています。
低い温度で加熱するともみ殻は炭になるのですが、炭になると分解されにくくなるので、空気中に炭素を排出するスピードが遅くなるためCO2のマイナス効果があると考えられています。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL:t.ogawa19720117@gmail.com

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