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食料自給率を考える! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。農業政策で食の安全保障の観点から「食料自給率」についてよく語られます。日本は食品の自給率が低く、海外に依存しているといわれており、なんとなくそんな気もしてしまいます。
 
でも一方でお米については長らく減反政策を取られてきたという経緯もあり、チグハグな感じがして本当に食料は海外依存なのかよくわからないところだと思います。
 
そこで品目別に自給率を見てみたいと思います。

こちらは農水省の日本の食料自給率「品目別自給率等」のデータをグラフ化したものです。
これを見ていくと、「米」、「さつまいも」に関しては自給率が100%近くで維持されています。また野菜(大括りですが)も自給率は徐々に低くなってきておりますが、80%近くを維持しています。こう見ると「米」と「野菜」という日本人の食生活における必要最低限のものはかなり自給率が高いということがいえそうです。

一方、日常的によく食べるパンなどの原料になる「小麦」は自給率が低いですね。また大豆も自給率が約10%程度という形ですね。

よく食料自給率といえばカロリーベースで語られ、「食料自給率38%!」といわれると、
「ヤバイ」という感じがしますが、「米」と「野菜」が高い水準に維持されているので、昔のような粗食で我慢すれば、イザというときにもなんとか生きていけそうです。しかし大豆の自給率が低いといざというときには大豆を原料にしている醤油や味噌が手に入らなくなってしまいますね。。。これは困ります。
一方、タンパク源として重要でかつおいしい「お肉」を見てみると、軒並み自給率は低いです。各肉の自給率は40%~65%を国内で自給できているように見えますが、牛・豚・鶏を育てるための飼料を輸入に頼っているため、仮に食料が途絶えた場合、牛・豚・鶏を育てることができなくなってしまいます。
そのため飼料自給率を考慮に入れた牛肉・豚肉・鶏肉の自給率は約10%くらいになってしまいます。

このように食料自給率を語る場合には、カロリーベースで全体的な自給率を見てもあまり意味はなく、自給できていない農産物に着目してどのようにその品目の自給率を上げていくのかを考えることが重要ですね。

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