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身体と心はつながっている説 - 発達障害と身体 (2)

ミライジンラボのプロジェクトに参加しているフジワラさんの連載ブログ。発達障害とともに生きる中で、日々の気づきをつづります。

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私は最近、ボイストレーニングのレッスンに通いはじめました。
THE BOOMの「島唄」を課題曲として、基礎の発声練習を中心にしていくつもりです。

先生曰く、声の伸びや肺活量については良いとのこと。


しかし「声が近くで止まっている」という状態で、
これを「声が遠くに飛んでいる」状態に持っていくことが課題となりました。

また実際に歌ってみると息が余りがちでした。 

この息をフルに使えるといろいろな表現が可能になるとのことで、今後が楽しみになりました。

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さて、なぜ私はボイストレーニングなんて受け始めたのでしょうか。
それは「身体をうまく使えるようになりたい」「表現の幅を広げたい」という理由からです。

このように最近の私は、声や身体と向き合うことが面白く感じています。

  発達障害と身体

身体の不調やアンバランスと、私が抱えている発達障害(自閉症スペクトラム症;ASD)との間には、強いかかわりがあると考えています。

10年前から私は「精神的に緊張する」とか「夜や休日に緊張してうまく休めない」ということはずっとありました。


しかし当時はそれらが心因性のものだと決めつけてしまいました。

その後最近になって、鍼灸の先生によるセルフケア講座や、俳優・演出家の方による演劇ワークショップなどいろいろ経験していきました。

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すると「無意識のうちに身体が緊張する」とか「心が緊張しているとき、実は身体のどこかもこわばっている」といった身体状態を察知しやすくなりました。そして

・身体と心は密接につながっている
・心因性に見える問題は、身体(心の外側)を動かすなどの具体的な行動によって解決できる

という考えを持ち始めました。

感覚統合の難しさに着目する

実際にこのような「発達障害と身体」という観点は、「感覚統合の難しさ」として、発達障害児の療育やトレーニングにおいて取り上げられることがあります。

感覚統合とは、複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことです。 (「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめ【LITALICO発達ナビ】

感覚統合における「感覚」は、いわゆる五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)に加えて

・固有受容覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)
・前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)

の計7つを指します。

「感覚統合がうまくいかない」という状態は、感覚統合の機能がこれらの感覚を分類・整理できなかったり、感覚の強弱を調整できなかったりして混乱してしまうことです。

つまり発達障害の症状を軽減するために、「感覚統合をうまくできる」≒「身体と感覚をうまく使える」ことを目標とすることは、ある程度理にかなったことだと私は考えています。

(補足)もちろん、感覚統合療法がすべてではなく、他の療法やサポートも必要です。
また有川ら(2006)のシステマティックレビューによると、国内における感覚統合療法のエビデンスは「行うよう勧められるだけの根拠が十分でない」とのことです。

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まとめ

私は、発達障害に由来する苦しみや生きづらさに対して、身体からアプローチして改善したいと考えています。
その裏付けのひとつである感覚統合について軽く紹介しました。

いまだに「なぜか緊張してしまう」という症状は出てきます。
昔と今で違うのは、 その症状が出てきたときに「ああ、身体の緊張をほぐしたらいいんだな」といくつかの具体案が出てくることです。(たとえば「外を散歩する」「アロマオイルを嗅ぐ」「ゆったり湯船につかる」など)

以上のことを自分の中で体系的に整理できているわけではないですが、
今後の連載を通じて少しずつ書いていきたいと思っています。

フジワラユキ

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