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バイデン氏私邸から追加で機密文書 ホワイトハウス発表~大きな問題になるのか、ならないのか?~【日経新聞をより深く】

1.バイデン氏私邸から追加で機密文書 ホワイトハウス発表

米ホワイトハウスは14日、東部デラウェア州にあるバイデン大統領の私邸で新たに機密文書が見つかったと発表した。これまでに発覚した不適切な機密文書の扱いを巡り、バイデン氏側は米司法省の捜査に全面協力すると表明した。野党・共和党は追及姿勢を強めており、政権運営のさらなる打撃になる。

12日に同州ウィルミントンの私邸にあるガレージと部屋から「機密」と記された少数の記録を発見したと公表していた。14日の声明によると、1ページと発表していた部屋にあった機密文書がさらに5ページ見つかり、計6ページだった。機密の内容は明らかにしていない。

ホワイトハウスの説明によると、バイデン氏の個人弁護士は機密を扱う資格を保有していないため、11日に1ページの文書を見つけた時点で調査を中断。資格を持つホワイトハウスの弁護士が12日に改めて私邸を調べた結果、追加の文書が発見された。見つかった文書は同行した司法省の職員に渡した。

「大統領記録法」は、大統領や副大統領が退任時に公務に関する記録を国立公文書記録管理局(NARA)に提出するよう義務付けている。私邸とは別に、首都ワシントンにあるバイデン氏の個人事務所でも10の機密文書が見つかっている。

バイデン氏は10日の記者会見で「(個人事務所に)政府の文書があったと知って驚いた」と釈明。「(捜査に)全面的に協力している」と語った。米CNNによると、個人事務所で発見された文書にはウクライナやイラン、英国に関する情報メモや説明資料が含まれていた。

ガーランド米司法長官は12日、機密の扱いに関する問題を捜査する特別検察官を任命した。大統領や閣僚らが不正に関与した疑いがある場合、政権と利益相反が起きないよう通常の検察官の指揮命令系統から独立して捜査にあたる。

2022年11月にはトランプ前大統領が南部フロリダ州の私邸に機密文書を持ち出した疑惑などを捜査する特別検察官を任命した。トランプ氏を厳しく批判してきたバイデン氏に同様の問題が発覚し、共和は批判する。

共和は多数派を握る連邦議会下院でバイデン氏の問題を調査する方針だ。米連邦捜査局(FBI)がトランプ氏の邸宅を家宅捜索した例を挙げ「なぜバイデン氏の私邸も捜索しないのか」「司法省の対応は不公平だ」などと非難の声が出ている。

バイデン氏は24年の次期大統領選での再選出馬に意欲を示す。22年11月の中間選挙で事前予想を覆して善戦した与党・民主党内で表だってバイデン氏に立候補断念を迫る声はやんだものの、今回の問題が長引いて支持率の低下につながればバイデン氏の判断に影響する可能性もある。

(出典:日経新聞2023年1月15日

2.問題は機密文書の存在だけでなく中身の問題

バイデン大統領が保管していた機密文書はその存在そのものが問題です。まず、副大統領時代に機密文書を持ち出しているというのは、トランプ大統領と違い、機密解除の権限を持っていないのに持ち出しているということです。つまり、そもそも機密文書の取り扱いが誤っていたということです。

また、機密情報については、民主党で元国務長官のヒラリー・クリントン氏のメール問題があります。国務長官時代にヒラリー氏は個人用サーバーから機密扱いの情報をメールで送受信しており、完全に誤った取り扱いを意図的に行っていました。

当時、大統領選を戦っていたヒラリー氏に対して打撃にになり、トランプ大統領誕生の遠因となりました。

しかし、それ以上の追及はなく、今に至っています。

今回のバイデン氏の機密文書の取り扱いで共和党は、ヒラリー氏のことも指摘し始めています。そもそも、機密文書の取り扱いについて、正しく扱われているのかが問われていくかもしれません。

そして、問題は、バイデン氏の機密文書がペンシルバニア大学とバイデン氏とで作られたシンクタンクである「ペン・バイデン・センター」で見つかったことです。

バイデン氏が副大統領を退任した後に、「ペン・バイデン・センター」が設立されています。その後、ペンシルバニア大学へ中国共産党政府に近い中国人から数千万ドルの資金が入っているのです。

中国共産党政権とバイデン家の海外ビジネスとの間に何らかの関係があるのかどうかは、今後の大きな焦点となります。

3.大きな問題になるのか、ならないのか

過去のヒラリー・クリントン氏のメール問題は、本質的には非常に大きな問題のはずです。国務長官が私的なサーバーを通じて、機密情報をやり取りをしていたのは重大な違反です。

しかし、その後、これが問題になることはありません。トランプ氏の問題は犯罪扱いされています。この違いが今回も起きるのか。それとも、下院は共和党が過半数をとっていますから、追及しきるのか。

下院監視・改革委員会のジェームズコマー議員(共和党)は、早速ホワイトハウスへ書簡を出しています。

今回のバイデン文書の問題は、単に機密情報の取り扱いについてだけで終わるのか。それとも、バイデン家と中国共産党との関係にまで踏み込めるのか。バイデン文書がパズルのピースとしてはまることで、パズルの全体が見えてくるのか。

バイデン氏の息子のハンター・バイデン氏の問題も中国との関係があります。これ一連の問題へ踏み込むための一歩になるのかどうか。

もし、共和党の追及がここまで踏み込んでいけば、国家を揺るがす大問題に発展するかもしれません。

未来創造パートナー
【宮野宏樹】


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