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利上げ、いつまで続く?米欧は上げ幅0.5%に縮小~景気後退と利上げ~【日経新聞をより深く】

1.利上げ、いつまで続く?米欧は上げ幅0.5%に縮小

米欧の中央銀行が利上げペースを緩めています。米連邦準備理事会(FRB)は14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で前回まで続けた0.75%の利上げ幅を0.5%に縮小。欧州中央銀行(ECB)や英国、スイスの中銀も15日、0.5%への減速を決めました。利上げはいつまで続くのでしょうか。日本の消費者物価上昇率は3%を突破。日銀は大規模緩和をいつまで続けるのでしょうか。

高インフレが長引いているのは欧州も同じです。ただし、欧州経済は米国以上に不透明感が強まっています。政策金利の引き上げは景気を過度に冷やしかねないため、ECBも利上げペースを緩めることにしました。

(出典:日経新聞2022年12月18日

日本以外の主な世界各国の中央銀行は、利上げペースを減速し始めました。インフレが鈍化してきていると見ているからです。

2.タカ派発言は継続中

FRBのパウエル議長、ECBのラガルド総裁はともにタカ派的な発言に終始しています。つまり、ペースは落ちても利上げは継続するというものです。イングランド銀行のベイリー総裁は多少緩やかなものの、タカ派的な発言は続いています。

中央銀行の総裁は、タカ派的な発言をせざるを得ない状況です。恐れているのはインフレの再発。引き締めが足りなくて、インフレが再発するよりも、引き締め過ぎたとなる方が良いと考えているためです。

しかし、引き締め過ぎた場合には、景気後退が待ち受けており、イングランド銀行のベイリー総裁は、2023年英国はかなりの景気後退を引き起こすということを語っています。

パウエル議長はソフトランディングの可能性もあると発言しておりますが、このまま金利引き上げを優先すれば、かなりの景気後退になる可能性が高いと予想されます。

ECBのラガルド総裁は、まだ金利引き締めるを止める時期ではないと発言しており、ユーロ圏はエネルギー危機も相まって深刻な景気後退へ突入するのは間違いないのではないでしょうか。

中央銀行の総裁は、インフレ退治に邁進してきましたが、インフレがピークアウトしたこれからの方が難しいかじ取りとなります。

なぜなら、インフレは急速に落ち着くのか、それとも長引くのかは、誰にも分らないからです。金利引き上げの効果がはっきりと表れてくるには、一年、一年半と時間がかかります。それを確かめるまで待って判断すれば、判断が遅すぎることになります。

つまり、効果が出てくるまで引き締めれば、深刻な景気後退。効果が出るだろうと早めに引き締めを終えれば、インフレの再開。どちらにもならないようにするのは、非常に難しい。これが2023年の中央銀行の判断の難しさです。

3.金融危機は、自動車ローンかもしれない。

リーマンショック引き金を引いたのは、住宅ローンの破綻がきっかけでした。しかし、今回の住宅価格の引き下げは、それほど深刻なことはもたらさないという予測も出ています。

前回の住宅ローン破綻の教訓から無理な貸し出しはしていないというのがその理由です。これをウォールストリートジャーナルが報じています。

住宅ローン市場は余談を許さないとは思いますが、前回と異なり、金融危機の火種にならない可能性もあります。

しかし、今回、景気後退から、金融危機をもたらすとしたら、自動車ローンではないかという予測が出てきました。

確かに、住宅ローン市場は整備をされてきているでしょうが、自動車ローン市場は、無理な貸し出しがかなりあるようです。

ここが破綻する可能性が出ています。これをエポックタイムスが報じていますが、「なるほど、そうかもしれない」と思わされます。

自動車ローン市場は住宅ローン市場に比べると、危機を経験していない分、未整備でしょう。そして、米国では誰もが利用しているとも言えます。また、中古自動車の価格は下落しています。ここが金融危機の引き金を引いてもおかしくない。

この人のツイートは注目しておくべきかもしれません。

未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】

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