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【日経新聞をより深く】ユーロ圏消費者物価10.7%上昇 10月、6カ月連続最高~猛威を振るうインフレ~
1.ユーロ圏消費者物価10.7%上昇
欧州連合(EU)統計局が31日発表した10月のユーロ圏の消費者物価指数は前年同月比10.7%上昇した。統計で遡れる1997年以降で過去最高を6カ月連続で更新した。ウクライナ危機に伴う供給不安で資源価格が高騰し、食品やサービスなど幅広い品目が値上がりしている。
伸び率は市場予想の10.2%を上回った。前月9月は速報値が10.0%で、改定で9.9%になった。
10月の品目別の上昇率はエネルギーが41.9%、食品が13.1%に達した。サービスは4.4%で、エネルギーや食品を除いても5.0%とインフレの裾野が広がった。
ユーロ圏19カ国のうち、国別の伸び率はドイツが11.6%、フランスが7.1%だった。イタリアは12.8%。最も高かったのはエストニアの22.4%で、ラトビアとリトアニアを加えたバルト3国はそろって20%を超えた。
市場では、ユーロ圏のインフレ率が来年初まで10%を超え続けるとの見方が強まっている。欧州中央銀行(ECB)は2023年の消費者物価上昇率をメインシナリオで5.5%、ウクライナ危機で資源高が続くリスクシナリオで6.9%と見込む。欧州各国はインフレ対策を急ぐものの、ガス不足の長期化で需給の逼迫が続けばガス価格が再び高騰する恐れもある。
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ユーロ圏のインフレが加速しています。中でもエネルギーは前月の40.7%から41.9%と高い伸び率です。
ECBは金利を引き上げたばかりですが、引き続き、大幅利上げが必要となりそうです。高すぎるインフレ率に対処するためには、景気後退が危機にあるにも関わらず、利上げをしなければならないという苦しい選択をしなければなりません。まさにスタグフレーションです。
2.世界のインフレ率
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上図はフィナンシャルタイムズに掲載されたものです。
インフレ率が10%を超える国もかなりあります。中でもいくつか見ておきたいと思います。
10%超の国
ロシア14.2%/ウクライナ24.6%/ポーランド/ドイツ10.4%/ベルギー12.3%/オランダ14.5%/英国10.1%/トルコ83.4%/ミャンマー18.1%/パキスタン23.2%
8%~10%の国
米国8.2%/メキシコ8.7%/バングラディシュ9.1%/ポルトガル9.3%
6%~8%
インド7.4%/シンガポール7.5%/インドネシア6%/フィリピン6.9%/タイ6.4%/ブラジル7.2%/フランス6.2%/スペイン7.3%
4%~6%
韓国5.6%/ベトナム4%/マレーシア4.5%/イスラエル4.6%
4%未満
日本3%/中国2.8%/台湾2.8%/サウジアラビア3.1%/スイス3.2%
詳細は以下のサイトで見ることができます。
3.スタグフレーション
各国、インフレ率が上がる中、景気後退懸念が出ています。つまり、スタグフレーション(不景気の中の物価高)の可能性があります。以下の図もフィナンシャルタイムズ掲載の図を個別に見ておきます。インフレ率の上昇がGDPの成長率を上回っていることが分かります。
米国
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英国
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日本
![](https://assets.st-note.com/img/1667270933097-9ZXCDPquoQ.png?width=800)
イタリア
![](https://assets.st-note.com/img/1667270972932-hCLUTUSLpR.png?width=800)
ドイツ
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フランス
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特にドイツは、GDPの成長率鈍化とインフレ率の乖離が激しくなっています。スタグフレーションに突入しているとみるべきでしょう。ただ、その他の国も、GDP成長率をインフレ率が上回っており、不景気の中の物価高となってきています。
世界景気の後退懸念と世界が一斉にインフレ率上昇、この事実は知っておくべき現実ではないでしょうか。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】
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