見出し画像

仮説で作るアウトプット

アウトプットの質を高める仮説
■アウトプットの質は仮説の有無
 アウトプットとは、話すこと、書くこと、表現することが含まれます。仕事におけるアウトプットとは、その中でも特に、パワポ、エクセル、ワードなどを使ったドキュメンテーションを意味しています。リモートワークやハイブリットワークが浸透している中で、アウトプットを磨くことはとても大切です。
 仕事におけるアウトプットの質を高めるためには、仮説を持つことが有効です。なぜかというと、上司や顧客といった指示を出している依頼者も明確なアウトプットのイメージを持っていないことが多いからです。そのため、アウトプットを作る時には仮説を持たなければ、作業が進まないことが多いです。価値が高い仕事であればあるほど、仮説を持って作業を進めなければなりません。仮説を立てることが価値につながると言ってもいいかもしれません。
 
■仮説とは前提+ロジック
 仮説とは仮の答えを持つことです。学校の試験と違い、日常で起こる出来事には答えがありません。ですから、問題が起これば、暗闇あるいは、ぼんやりと見える出口に向かって手探りで進んでいくような状態になります。仮説とは、出口が分からない中で、出口の方向を仮に決めるということです。仮説を立てる時には、前提とロジックが大切です。前提とは、ロジックを組み立てるための土台となるものです。
 例えば、「サステナビリティに取り組んでいない会社は、今後生き残っていくことが難しい」という仮説について考えてみましょう。前提は、「サステナビリティに取り組んでいる会社とはどういう会社か?」を明らかにすることです。それは、会社の定款やホームページにサステナビリティについて言及していることかもしれません。あるいは、サステナビリティを促すような商品やサービスを提供してることかもしれません。
 ロジックというのは、「前提に基づいている会社しか生き残ることが出来ない」という理由です。それは、お客さんがサステナビリティを意識していない商品を好むように変化しているからかもしれません。あるいは、サステナビリティに取り組んでいない会社には優秀な人材が集まらないからかもしれません。更に、ロジックを確かなものとするためには、ロジックが正しいと思える情報やデータを集めてくれば良いのです。このように前提とロジックを置くことで、仮説を立てることが出来るのです。
 
■仮説の使い方
 仮説を立てることで、答えが無い中でアウトプットが出来るようになります。仮説の使い方として3つのポイントがあります。
 
①仮説でビジュアライズ
 仮説を立てることによって、アウトプットを作ることが可能になります。仮説が柔らかい段階では、あまりアウトプットを作り込まずに、最低限、前提とロジックが分かるような作りになっていればよいです。アウトプットを仮説に基づいて作ってしまうことのメリットは2つあります。一つは、書くことで自分自身の考えを整理できるということです。人は書くことによって、自分の考えを客観的に整理できるようになるからです。もう一つのメリットは、相手も仮説の内容を理解できるということです。アウトプットでビジュアライズすることによってはじめて、同じ前提に立って、議論をすることが出来るようになります。
 
②仮説はレビューで磨く
 アウトプットを作ることによって、前提やロジックを他の人に伝えることが可能になります。結果、他の人から「前提の置き方が正しいか」、「ロジックに無理が無いか」の意見をもらうことができます。自分一人では盲点があって気が付けないことも、他人であれば気が付くことが出来ます。このように他の人の意見をもらうためにも、仮説でアウトプットを作ることが大切なのです。
 また、前提とロジックがあれば、どこを修正すれば良いのかも分かりやすいです。前提が間違っていたのか、ロジックを強化する必要があるのか等、仮説を磨いていくことも可能になります。
 
③ゴールを描くから先手を打てる
 また仮説を持つことで、アウトプットのゴールを描くこともしやすくなります。キーパーソンに提案をして、承認をしてもうことが必要であれば、どのようなアウトプットを提示すべきかが想定しやすくなります。また、仮説の立て方もキーパーソンから承認を得やすいように工夫することが可能です。そして、ゴールのイメージが持ちやすくなるので、先手を打ちやすくなります。
 
 以上のように仮説を立てる時には、アウトプットの質を高めるためには、仮説を立てることが重要です。仮説を立てる時には、前提とロジックを明確にしていくよういしましょう。仮説を立ててアウトプットでビジュアライズすることで他の人の意見ももらいやすくなりますし、先手を打ちやすくなります。
 
(第88回 2022/12/20)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?