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仕事における理解力のあげ方

■相手の話の理解力とは?
 仕事において、相手の話を理解することは、非常に大切です。相手の話を理解しない事には、仕事を進めることができません。特に、顧客や上司の言っていることを咀嚼して理解することは非常に大切です。そこが理解できていないと、仕事で適切なアウトプットを出すことは不可能です。何を求められているのか、理解が出来ないからです。

■相手の話を理解できない原因
 相手の話を理解できない原因は大きく二つに大別されます。一つ目は、相手に問題があるケースです。相手に問題があるケースというのは、相手の説明の仕方や相手の認識に問題があるケースです。相手に問題があるケースでは、対処が難しく、無理に相手の話を理解しても意味がない場合が多いです。このようなケースでは、その担当者を他の職務に当てるなどの対応をすることが必要となります。なお、本当に相手に問題があるかどうかを見分けるポイントは自分以外の多くの人が、同じようにその人の説明の仕方や認識に問題があると認めているかどうかです。自分一人だけが、理解が出来ない場合には、自分の側に問題があることを疑う必要があります。

 そして、相手の話を理解できない原因のもう一つのケースは、自分に問題がある場合です。自分に問題がある場合には、更に二つの真因に分けられます。一つは、自分の知識や経験に問題があり、相手の言うことを理解できないということです。このケースでは、相手が上司や自分の専門外の人との会話で起こりがちです。上司や自分の専門以外の人は、こちらが持っていない情報やスキルを持っている場合が多いです。そして、話す相手は、こちらが持っていない情報やスキルを前提として話をします。結果として、相手の言うことが理解できないということが起こりがちになります。
 もう一つの真因は自分の思考に問題があるケースです。つまり、話を聞き、理解し、そして、アクションに移していく過程の思考に問題があるということです。

■対策
 最後に自分に問題がある場合の対策について、お話したいと思います。自分に問題ある場合には、「自分の経験やスキルが不足」している場合と「自分の思考に問題がある」ケースに分けられるとお伝えしました。実はこの二つのケースのどちらも場合も対策は同じになります。
どちらのケースも共通しているのは、話を聞いた結果、何を得ようとしているのか分かっていないということです。仕事全体としてどのような目的があって、そのために何を得ることが必要なのかを明確にすることが必要です。話の目的を徹底的に突き詰めて考えることで、何を聞かなくてはいけないのが明らかになります。何を聞かなくてはいけないのかが明らかになれば、「自分の経験やスキルが不足」していてもそのことを聞き出すことは可能です。なぜならば、何を聞かなくてはならないかが明確なので、何が分からなくて、何を理解してなくてはいけないかが分かるからです。そうなれば、「自分の経験やスキルの不足」はそもそも問題にはなりにくいのです。
逆に「何を聞かなくてはならないかが不明確」だと、「自分の経験やスキルが不足」していると、相手の話を理解することは不可能です。相手の話していることの大部分が理解できないため、何を質問すれば良いのかが分からず、ムダに時間を過ごすことになるからです。また、「何を聞かなくてはならないかが不明確」であることこそが、「自分の思考に問題がある」ために相手の話を聞けないということでもあります。このように、相手の話を理解できないときに、自分に問題があるケースでは、「何を聞かなくてはいけないのか」を徹底的に考え抜くことが重要です。

 以上のように、相手の話を理解できない原因は、相手に問題がある場合と自分に問題がある場合があります。相手に問題がある場合では、打てる手は限られますが、本当に相手に問題があるのかを見極めるためには、相手に対する他の人の評価と自分の評価が一致しているのかを気を付けるようにしましょう。そして、自分に問題がある場合には、「何を聞かなくてはいけないのか」を徹底的に考え抜くということを意識するようにしてみてください。

(第34回 2021/11/17)

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