出版不況は、真の編集者にとってありがたい出来事である。
メディアコーチングの坂本です。
編集者の仕事の領域は、近年、爆発的に広まっている。
それは、本が売れなくなってきたからだ。
もし以前と同様に本が売れ続けていたとしたら、編集の仕事は本を作るだけで良かった。
しかし今は、本が読者の人生に寄与できるよう、きちんと手元に届いていくまでを責任をもって導線として描かなくてはいけない。
売れる道筋、読者とのコミュニケーション、そして読者の人生が幸せになるまで見届ける。
そういう時代になってきた。
だから、読者体験とは単なるエンターティメントではないのだ。
読書体験が提供しなくてはいけないのは、人生変革、そして人間は社会をつくるのだから、社会変革なのだ。
これらは、本が売れなくなってきたことで起こってきたことだ。つまり、出版不況は本物を浮かび上がらせるための言わば通過儀礼であり、編集者の真の実力を覚醒させる、ありがたい出来事なのである。
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