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幸福な中高年時代

アメリカ人の友人から1人のアルゼンチン男性を紹介された。その男性は8年後に私の夫となった。

今思えば、私には日本人男性は無理だったと思う。
ここから先の話は、筆者の勝手な独断と偏見によるので、気を悪くされる方は読まないで欲しい。


日本人男性は精神的に未成熟な人が多いと思う。
自分と他者との境界線も曖昧であるし、自分がどんな人間であり何をしたいのか、何をしたくないのか。
自分の限界すら知らない人が多いと個人的に思う。
ただ何も考えずに世間の価値観に合わせて生きているだけ。
つまり、アイデンティティが確立されていない人が多いと感じる。

そんな男性といて、何が楽しいのか私にはわからない。
正直言って、そんなくそつまらない男といるなら、1人でいた方がよっぽどましだ。


うちの夫は精神的に成熟している。

私は幼い頃、義理の父親から虐待を受けており、今もたまに苦しくなる時がある。

夫と付き合っていた頃、彼は私に

「大変な経験をしたことは心から同情する。
出来るサポートはする。
でもそれを乗り越える事が出来るのは君だけだよ。僕が治してあげることは出来ない。」

と言った。
その時、この人は今までの男性と違う、と悟った。

今まで付き合ってきた男性達は、
「俺が何とかしてやる。僕なら癒してあげられる。。。」

など、無責任というか、勘違いをした発言が多かった。そんな言葉を聞くたびに、内心では、お前如きに何が出来るんだよ。と呆れていた。

夫とは結婚するまでに8年間交際してきた。
その間に私はずいぶん精神的にも社会的にも成長したと思う。

成長という言葉は、自己啓発を思い起こすので好きではないが、他に適切な日本語が見当たらないので、成長という言葉を使うしかない。

自分と折り合いをつけるのが上手くなった。
自分と他人にもほどよい諦めがつくようになった。
自分が何を求めているのか、どのように生きて生きたいのか。
も理解できるようになってきた。

私は彼に

「あなたのおかげで私はここまで成長出来たよ。ありがとう。」

と言うと、夫は

「僕の影響もあるかもしれないけれど、君が頑張ったからだよ。」

と言う。

私は嬉しくて泣きそうになる。
こんなに素敵な人をパートナーとして選べた事は、私にとって1番の財産となったと思う。
砂浜で金を見つけたような幸福である。



私達には、ルールがある。

家庭は、幸せ、平和、愛が重要。
なので、仕事や外で受けたストレスを、家庭内に持ち込んではならない。
お互い大人なので、外でのストレスは外で解決すること。

彼と付き合った当初は、仕事のストレスを思いっきり家庭に持ち込んでいた。
数年かかったが、今では考え方もすっかり変わったようでストレスを持ち込むことも減ってきた。

他人への過度な期待もなくなってきたことで、他人の言動もあまり気にならなくなってきた。

会社の同僚なんて、転職すればただの他人。
たいして重要な人間ではない。
そう思えるようになった。

私にとって大事なのは、家族である夫。
1番大事な存在だからこそ、時間とエネルギーをかけようと思う。
夫のことをもっとよく知るために、夫に私のことを知ってもらうために、話す時間を作りたい。夫との関係だけは決して諦めない。


当たり前だがいつか人生は終わる。
その最後の時に、楽しかったなー。幸せだったなー。と思いたいから、この今の時間を大事に過ごしていきたいと思う。

人生の前半戦が悲惨だったからこそ、後半戦は自分の意思で幸福だと思える環境を選びとっていきたい。

たいして収入も多くないし、ただの平社員だけれど、今の生活に十分満足している。


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