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木下大サーカス引退後にふりかえる団員生活!芸と給料と人間関係

YouTubeはこちらから!音声のみの聞き流し、ラジオ感覚の4分間です^^

大変だった人間関係

サーカス5年間の生活を振り返り何が大変だったかというと「人間関係」です。
うわさ話やスキャンダラスな事があれば約20分後には、団員全員が知っています。笑
なのでサーカス生活において1番大切なことは「信頼関係」をいかに築くか、その一言につきると思いました。


私がいた頃は掃除や、自分が頼まれた任務に対して忘れたり不誠実に対応したら同期先輩からめちゃくちゃ白い目で見られました。

共同生活なのでお風呂そうじや、トイレ掃除があります。私は自分のトイレ掃除の当番の日、公演が終わり疲れて寝過ごしたことがありました。


同期の女の子が部屋をノックしてくれて、寝ぼけ眼で事態の重さを把握し、おしっこ漏れそうなくらい頭が真っ白になりました。


今でも思いだすと悪夢です。
たかがトイレ掃除。
されど私の命がかかったトイレ掃除。
奈落の底に突き落とされた感覚に陥りました。

命懸けの芸の伝承

皆さんの中には、そんな大袈裟な!たかがトイレ掃除に何言ってるんだい!そう思う方も多いと思います。でも聞いてください。ちゃんと理由があるんです。

サーカスでは命懸けの危険な芸をします。

もし、トイレそうじも十分にできない不誠実な人にみなさんは、自分の命綱を預けたいと思いますか?絶対に預けたいって思わないですよね。
不誠実な態度は相手を不安にさせますから。

実はサーカスの舞台では、パフォーマーの命綱は、裏方さんまたは舞台に出てないパフォーマーが担当するからです。

そしてサーカスの芸は伝承芸です。
師匠がいて、見込みのある人に教えます。
師匠は不誠実な生徒に自分が命がけで習得した技を、教えたいという気持ちにならないと思います。


そして、実際にお客様の前で披露するまでの練習期間の間に、先輩パフォーマーはじめ音響照明さんにお世話になります。(当時、お世話になった先輩達には感謝しかないです。(;_;)


芸にもよりますが短くて半年〜1年、長いと3年以上かかる場合もあります。
仕事前の早朝や、退勤後に練習をみてもらうのが一般的です。その長い期間、その相手に教えたいと思うかどうか。それはその人の日頃の行いから全て判断されます。

芸を教えてもらえないということは、パフォーマーにとっては死活問題。
私たちパフォーマーは芸をしてお給料をもらっているので、芸の幅が広がらず給料は増えません。
生活態度と芸が直接繋がっている環境の中で、自分の生活態度について見かえす時期がくる時があります。

私は不器用な性格で、人によく思われたい!とか、生活態度ちゃんとしなきゃ!とやっきになって空回りすることが多かったです。

でも、そんな時先輩が「自分がされて嬉しいことを、相手にやってあげたらいいだけだよ」と言ってくれた、その一言に救われました。

なので常に人がいて視線がある環境に耐えられず、入社後早々に辞めてしまう人も時々いますが


長年勤めている人たち

長年勤めている人たちは本当にあったかくて人間的にも、素晴らしい人達ばかりです。

義理人情の凝縮された濃厚な人間空間。


心から相手のことを考えて接する生活の中だからこそ、血縁関係を越えたサーカスファミリーという新たな家族が生まれるのかもしれません。

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みらくるサーカスの中国語

ブログではサーカスの思い出や魅力、中国語学習について綴っています。

ぜひ遊びに来てください〜( ^ω^ )

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