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企業研究(145) 2376 サイネックス/地方創生支援で着実な売上増と安定利益

chatGPT関連銘柄探索をしていたら、自治体向けのチャットボット事業を営んでいる企業を見つけたので、企業研究してみましょう。

2376 サイネックス<東S> 

株探基本情報(23/3/20)

行政情報誌・デジタルサイネージなどによる広報支援、ふるさと納税代行など、地方創生支援事業を展開。「わが街事典」「わが街NAVI」など。
<テーマ> 地方創生関連銘柄、チャットボット関連銘柄

<1> 株式指標&財務状態

PERは普通ですが、PBRはかなり割安ですね。配当は固定(1株12.5円)で、利回りは少し低い水準。
自己資本比率は50%台で問題なさそうですが、事業イメージよりも有利子負債(約35億円)が大きい。過去を遡ると21年3月期に約30億円増えています。その期の短信を見ても長期借入金の調達理由に言及がないのですが、コロナ支援で安い金利で運転資金を調達したのか、本社新設・M&A用の資金だったのかな? まぁただ、過大な借金というほどではないので、財務的に問題はないと思います。

<2> 株価推移

週足チャート by 株探

20年9月頃に出来高がガンと上がって高値950円をつけましたが、その後は長期下落トレンド。現在の株価指標が割安&高配当ではないので、株価水準はまだ切り下げる可能性がありそう。参考にコロナ時の安値が480円。

<3> 決算情報

四半期決算情報 by 株探

年間の業績は増収トレンド&黒字で安定していますが、営業利益率が低いのと1~3月期に利益が偏るのが特徴でしょうか。自治体向け事業がメインなので、爆発的に儲かるような感じはしませんね。

<4> 事業内容の深堀り

個人投資家向け説明会資料から、事業構造を読み解きましょう。( )内は想定採用自治体数で、※は外部利用サービスです。

https://www.irmovie.jp/nir2/scinex_202209_eY1s/pdf/scinex_202209a.pdf

① メディア事業
地域行政情報誌「わが街事典」発行(520)
デジタルサイネージ「わが街NAVI」提供・運営(200)
シティプロモ特設サイト「わが街ポータル」提供・運営(1)
② ICT事業
自治体公式CMS型ホームぺージ(84)
自治体支援AIチャットボット(77)
観光誘致支援「わが街Mapping」※Googleマップ (3)
システムインテグレーション
③ Eコマース事業
「わが街とくさんネット」「食彩ネット」「シイレル」
ふるさと納税業務代行「わが街ふるさと納税」
IOTふるさと納税自販機
④ ロジスティクス事業
DMソリューションサービス ※ゆうメール・ゆうパケット
ポスティングサービス
⑤ ヘルスケア事業
歯科医院支援、開業支援

メディア事業を軸足にして、ストック型ビジネスをしっかり積み上げつつ、新規事業にチャレンジしているって感じでしょうか。
気になる事業(太字)の事業イメージを貼っておきます。

<5> 売買戦略

地方創生に興味があるので企業研究してみましたが、安定はしているものの利益が跳ねたりしないだろうし、海外資金が流入することはまずないだろうから、この企業を応援する目的以外では購入する理由が見当たりません。

特に、株価水準はもう一段下がありそうなので、応援目的の購入でも注意が必要ですね。400円台前半になるまでは触らない方が無難です。

<6> 参考銘柄 6195 ホープ

自治体関連のフリーペーパーを軸足に新規事業を展開していましたが、自治体向け電力事業で大きくこけてしまいました。こちらと比較すると、サイネックスの方が安定経営志向なのかな??


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