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企業研究(155) 3187 サンワカンパニー/昨年の人気銘柄が今年に入り急落、落ちたナイフは触れるなか

こんばんは。今日は記事連続投稿。

3187 サンワカンパニー

株探基本情報(23/5/18)

設計事務所・工務店・施主向けの建材・建築資材のネット通販やカタログ通販(住設・建材EC事業)が主軸。2013年9月上場で今期末で上場から10年経過。
福岡の建築子会社(ベストブライト)が今期より通年寄与。

<1> 株価指標&財務状態

PERは平均よりもほんの少し高いくらい。時価総額と比較して純資産が少ないため、PBRの倍率が高くROEも20%後半くらいで非常に高い。資本効率が良いんですが、過去5期で純益が赤字の年度もあるので内部留保の積み上げが万全とは言いえない感じはします。B/Sの負債の部を見ると、買掛金が多くて短期借入金が多いですね…。財務面は不安がないわけではないという感じ。
配当利回りがバーになっていますが、上期決算発表でも配当公表を保留しています。(前期は期末に10円を配当)

<2> 株価推移

週足チャート by 株探
日足チャート by 株探

今年に入って下落トレンドに転換、さらに中間決算発表通過で急落。
基本は「落ちたナイフは拾うな」に見えますね。

<3> 決算情報

通期決算情報 by 株探
四半期決算情報 by 株探

業績はしっかり上げてきているんですけどね…。第2四半期累計の進捗も順調に見えます。

<4> 株価下落転換・中間決算通過後急落の要因

① 株主還元姿勢が不明
これが一番大きいでしょう。9月決算で今期は残り4.5カ月ですが、まだ「配当未定」はまずいですね。
なお、5/15中間決算発表時に「企業組織再編等の原資に充てる等、今後の資本政策の機動性を高める」ことを目的に自己株買いを発表しています。原資は上限2億円(25万株)。前期の配当原資が1.85億円(1株あたり10円)なので、今期の株主還元はこれで終わりじゃないかと勘繰られているのかな。
ただ、「企業組織再編の原資に充てる」の意味が不明。M&Aの際の株式交換に充てるとか…。IR資料に説明がないから、詳細はわかりません。

② 市況悪化懸念
これは憶測もありますが、「戸建市場はこれから厳しくなる」という向きもあるので、市況を先取りしている可能性。

③ 適正株価に戻してきた
昨年一年間ずっと株価を上げ続けたので、過熱していた可能性。株価630円の銘柄として見たら、PER15倍・配当利回り1.6%(10円想定)なので、まぁ程よい水準に見えますし、まだ下げてもおかしくはない。

<5> 売買戦略

この市況で株価を下げているんだから、まだ下げるか、当面は上がらないと思いますので、触る必要は全くありません。
配当発表があったとしても、1株あたり10~12円くらいでしょうから、それほどインパクトがある内容にはならないでしょう。

IR資料に「市場変更」を企図しているような記述もありますが、この株価低迷では難しいんじゃないでしょうか。

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