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企業研究(133) 4612 日本ペイントHD/自動運転テーマを内包する世界4位企業

3連休で今年の方針をまとめる予定ですが、昨晩に先輩より有望銘柄候補の情報提供があったので、企業研究しましょう。

4612 日本ペイントHD<東P>

株探基本情報(23/1/6)

総合塗料メーカーで世界4位。海外事業比率84%で中国が稼ぎ頭。

<1> 株価指標&財務状態

株価は割高水準。少々特殊な状況なので解説しますが、純利益の年間見通しが720億円(対前期+6.6%)と好調なんですが、発行株式数が23.7億株と桁違いに多い。21年4月に株式分割(1→5)しているんですが、もともとの4.7億株も相当多い。その影響もあり、過去最高益純益の15年3月期でもEPSは130円程度。なお、企業名に「日本」名を冠してしますが、外国人株主比率が78.3%で外資企業みたいなものですね。
過去5年は配当性向30~40%くらいでしっかり配当は出していますが、株価が割高なので利回りは低い。長期では増配トレンドで、低利回りは株主還元姿勢の問題ではなくて株価が割高なだけです。
有利子負債も約7,500億円と大きいんですが、自己資本比率が50%近くて余力十分だと思います。資本効率の指標が悪く見えるから、内部留保を削って借金返済していけばいいと思うんですけど、大きな問題はなさそうです。

<2> 株価チャート

週足チャート by 株探

ここ2年は、業績は円高影響と値上げ定着もあって好調だったんですが、株価は半減していますね。中国のコロナ封鎖もあったので仕方がないのかな。
昨年の株価推移を見ると850円付近にサポートラインがありそう。1,000円の心理的サポートラインもあるので、下値に対するサポートは効きそうですが、なんらかのマイナス材料が噴出して850円をブレイクすると、300円くらいまでフリーフォールする可能性はあります。まぁ、これは割高銘柄の宿命ですね。今のところ業績は好調だから大丈夫でしょうけど。
買うとしたら、少なくとも1,000円を割らないと買いづらいかな…。

日足チャート by 株探

日足チャートも見ておきましょう。
10/17に895円で底をうった後は、2か月弱をかけて+300円くらいの上昇。一服で押し目をつくりにいったところに日銀ショックが重なって、押し目が思った以上に深くなった感じがします。週明けの相場環境は良さそうなので、1,200円に向かって上げていきそうなチャート形状に見えます。

2年間の株価調整で水準を大分切り下げたので、そろそろ上昇に転じてもいいのかもしれませんが、20年11月の高値2,796円奪還は道のりが遠いので、その半額の1,400円から1,500円くらいが当面の上目線の目標かなと思います。

話しを纏めると、想定される株価レンジは850~1,500円くらいですね。下は突き抜けるリスクがあり、上抜けしていく可能性は低そうです。

<3> 決算情報

業績は基本好調です。↑ をご覧ください。

<4> 期待材料「ターゲットラインペイント」

自動運転用塗料として開発された「ターゲットラインペイント」が期待材料だそうです。アスファルトに近い色調のため人間の目では視認しづらいんですが、LiDARセンサーのレーザー光に反射するため、自動運転をアシスト可能とのこと。
敷地内の自動運転のアシストや、トンネルなどのGPSを受信しにくい環境に向いているので、自動運転環境の構築やメンテナンスのコスト低減に繋がる可能性があって期待されているようです。ググると実証実験やデモなどの記事がそれなりにありますね。
1kmあたり100万円みたいな施行費イメージで、3~5年に1回くらいの頻度でメンテナンスするんでしょうか。自動運転するためにターゲットラインを引くという地味な作業が必要ってことですね…。

自動運転のメリットって、①運転者の負担軽減、②事故を減らす、③乗合の運転者確保不要、みたいな感じなのかな? 今のところ、ターゲットラインペイントは多くある選択肢の一つで適応範囲が比較的狭いから、採用されるケースがそれほど多くない気がしますね。基本は地図データやGPSの精度を上げた方が安上がりじゃないのかな。うーん、この辺りはわからん。

「自動運転」は株式投資の大きなテーマだと思うんですが、ターゲットラインペイントの期待値は、どの分野でどの程度の規模で採用されるかに依存すると思うので、期待はできると思いますが、株価を大きく跳ねさせるような材料にはならないんじゃないでしょうか。時価総額2.5兆円、発行株式数23.7億株の大規模銘柄ですしね…。

<5> 売買戦略

特に売買をおススメするわけではないですが、直近は押し目から反転している最中なので、第一利確ポイント1,200円/最終目標1,400円くらいで買ってみるのはいいのかなと思います。

後は、継続監視して買い時を探りましょう。

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