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企業研究(115) 5017富士石油/業績修正でPER1倍台に

久しぶりの企業研究。やはり銘柄見極めの基本は企業研究なので、これもしっかり続けていきましょう。

5017 富士石油<P>

株探基本情報(22/8/15)

石油精製専業で業界中堅。筆頭株主にシティインデックスイレブンス(旧村上ファンド系)。

<1> ファンダメンタルズ

とりわけ気になるのはPER。超割安状態ですが、株価がそれほど上がっていませんね。原油の在庫評価損益が乗っていてわかりづらいので、お得意の一表にしてみました。

ということで、実質年間EPSが178円くらいなのでPER約2倍。うむ、十分に安いんですが、元々約4倍くらい。
財務的には大きな問題があって、有利子負債が1,520億円と異常にデカく、自己資本比率が20%を切っています。この一年で+500億円くらいに増えていてるのは袖ケ浦製油所の大規模修繕工事の影響でしょうか。1Qの支払い利息が7.9億円とかになっているが気になります。お陰でROAが業界平均にも満たないレベルで、海外の買いが入りづらい銘柄かなと思います。
あと、信用倍率も異常に高くて買い残が130万株を超えています。出来高がある銘柄ですが、それでも上げ値の重しにはなるでしょう。

<2> 株価推移

5017 富士石油 日足株価チャート

決算発表翌営業日の8/12(金)に寄り付きで高値(409円)をつけていますが、11時前には350円付近まで落ちて、その後は揉んでフィニッシュしています。その日の出来高が148.8万株で午前中に集中しているので、9:45くらいに値がついて1時間で一気に利確が入った感じでしょう。売り物は出尽くした感じがするので、ここから値を戻していくのか注目ですね。
週足ベースでは1/4の年初来安値の166円から倍くらいになっているので、上昇トレンドにいると思います。

<3> 業績

5017 富士石油 四半期決算情報

ご覧の通り、2四半期連続の好決算です。営業益以降には原油の在庫評価益が乗っているので過大な評価は禁物ですが、売上高が伸びているのは、市況回復に加えて袖ケ浦製油所の改修工事終了で原油処理量が増えている影響だと思われます。
評価益の影響は大きいですが、販売量増加と製品マージン確保を伴って業績が拡大しているのではないでしょうか。

<4> 非常に気になる点

❶ 筆頭株主が旧村上ファンド系の投資会社
シティインデックスイレブンスが筆頭株主で、このPERで配当利回り3%割れを許容しておくわけがないでしょう。その内、増配していくと思います。
実質ベースの純利益で配当性向30%で計算しても、1株配当が約53円なので、配当利回り15%くらいの余力がありますね。
❷ 1605 INPEXの値上がり局面に酷似
INPEXも昨年夏くらいからの好決算・好業績に支えられて、株価が値上がりし続けましたが、決算状況も株価推移もその感じに似ていると思います。INPEX
は頭打ち感が出てきたので、こちらに乗り換えても良さそう。

<5> 売買戦略

とにかく今、買い時だと思うので買いましょう。株価が安いので、個人的にはまずは1,000株まで増やして、ある程度値上がってきたらINPEXの時のようにスイングしていこうと思います。

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