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怪物ではなく人間として、希望の星に。23年佐々木朗希の成長を見れた喜びを記す。

"令和の怪物"と呼ばれた佐々木朗希投手。所属するロッテマリーンズが23年10月16日。CSファイナルシリーズの進出を決めた。

本題に入る前に佐々木朗希投手についてシーズン中盤までの記録と考察はこちらをご覧いただきたい。

「幕張の奇跡」と語り継がれるであろうこの試合。小島の力投、藤岡の3ラン、安田のサヨナラタイムリー。勿論チーム全員で掴んだ勝利だ。

だがあえて言わせていただくならこの勢いをつけたのはCS初戦で復活を遂げた佐々木投手ではないだろうか。近藤選手を三振で討ち取った時の雄叫びには鳥肌が立った。

シーズン中盤から怪我に悩まされた。9月17日はプロ入り初の西武ベルーナドームで登板するも3回3失点で負け投手。怪我が治ってないのでは?とファンの不安を掻き立てた。

そして、9月24日には発熱による特例抹消。多くのファンが今季は絶望的だと諦めたであろう。しかし、帰ってきた。吉井監督は「よく間に合わせてくれた」とコメントした。

そして迎えた10月14日。割れんばかりの朗希コール。千葉日報の記事には「頼むぞ朗希」ともはや願掛けのタイトルになっていた。彼の出身高がある大船渡ではライブビューイングがあったほどだ。

相棒は完全試合でも女房役を務めた松川捕手。この上ない舞台は整った。そして3回無失点、4奪三振。160km超えを連発。試合の流れを作り8-2とチームの勝利に貢献した。

世間の期待いや希望を背負って投げる。プロ野球選手としての実力は勿論のこと、「希望の星」だと確信した。

個人的にはこのまま彼を見ないままシーズンが終わっていたら悶々とした日々を過ごしていただろう。佐々木投手本人もそうであろう。

素人の想像に過ぎないが、チームが上位争いをしている中で登板できない悔しさ。登板しないままオフを迎える事のもどかしさ。苦しい事は想像できる。

彼が抱える苦悩はもう一つ。吉井監督が気になるコメントをしていた。「頭と身体が一致していないと思う」という記事。

吉井監督は佐々木投手は自分を客観視する事に長けていると話したことがある。

他投手のモノマネもうまく空間把握能力が高い。自分の食事管理もプロに頼むなど論理的・テクニック的に自分を改善する事を徹底しているように見える。

徹底してるが故に、発熱など"想定外"が起きた時の対処に苦しんだのではないかと思う。

だが、結果乗り越えてくれた。CS初戦で来季を楽しみにさせてくれる登板を見せてくれた。

今シーズンは発熱という想定外の体の変化に対応する事を乗り越えたのだと思う。

ここで感じたのは、"令和の怪物"という社会が作り上げてしまった偶像と佐々木投手本人は違うという事。

怪物という表現は間違ってはいない。他が真似できない長身と美しいフォーム。バウアー投手から「なぜ160kmを投げれるんだ?」と聞かれても「わかりません」と答える才能。

吉井監督も前例がないと表現している規格外の大物といった所だろうか。豪速球は投げられるが、出力が大きすぎるためにそれを支える身体が必要であったり。(発熱で痩せたと思うが体重はかなり増えた)

まだまだ彼は21歳(23年10月執筆時)。野球選手としてのピークは間違いなく今ではない。まだまだ身体が成長途中にすぎない。

当たり前だが「才能溢れる、生身の人間」なのである。

チームの大事な時期に先発を外れた事に関して、否定的なコメントを見かけるようになった。先発ローテが守れなくてメジャーに行けるのか?などである。

もちろん、期待値が高く大谷翔平選手のようにメジャーで活躍できる逸材であると注目を集めている事は事実。元同僚のロベルト・オスナ投手にスペイン語で会話しているのを見るとメジャー思考である事も想定できる。

しかし本人が宣言した訳でもないのに勝手に否定される事に勝手に納得がいかず、調べた結果以下の記事を見つけた。

宣言はしていないが、あくまで「日本でしっかりプレーした先に見えるのかな」のコメントに留まっている。

WBCの時にMLBの解説者は「RokiはShoheiとDegrom※注の中間のような選手」と話していた。

※Degrom・・・ジェイコブ・デグロム。MLBサイ・ヤング賞受賞投手。空振り奪取の割合など素質が近いと言われる。トミージョン手術も経験しており故障が多い。

身体の成長に呼吸を合わせながら、NPB投手としての結果を残していく。来季メジャーに行くと言われる山本由伸のように、四冠タイトルなどを取り全員が「いってらっしゃい」と言えるタイミングで海を渡りたいのではないだろうか。

そして憧れの選手は楽天・田中将大投手であると話している。同じ東北出身でメジャーを経験した田中投手のように「夢や希望を与える選手に-」。

この点では既に叶っているとも思えるが、これが彼の夢でありメジャーはその通過点に過ぎないのであろう。

ともあれ、今季中に彼の投球が見れて涙が止まらなかった。こうしてあーだこーだ書いていながらも元気に彼らしいピッチングがみれているだけでそもそも幸せなのである。

お読みいただき、ありがとうございました。

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