学習発表会当日にリコーダーがなくなったら?
昨年末に、息子の小学校で学習発表会がありました。
今回は、今年からリコーダーの授業が始まり、リコーダーを吹く演目があるにもかかわらず、当日に「リコーダーが無い」と言い出した息子の話です。
賛否両論があるのは承知の上でお話しますが、こんな側面もあたたかく見守ってくれると嬉しいです。
今年から始まったリコーダーの授業
息子は、小学3年生。
今年から、リコーダーの授業が始まりました。
息子は音楽自体は好きなのですが、リコーダーの練習は最初から苦手だったようです。
お世辞にも上手とは言えないなりに、授業で困らない程度には吹けるのですが、あの独特な指使いがどうも相性が悪かったようでした。
学校指定の1本目のリコーダーは、1か月もしない内に紛失してきました。
前途多難です。
最近は、私と同じく不注意ADHDの症状がかなり見られるようになった息子くん。
ものの管理が苦手なこともあり、遅かれ早かれ一度は紛失するとは思っていたものの、早すぎます。
以前、お友達とのトラブルで物を紛失した経験があるので、失くした状況を確認してみると、「○○に埋めた」だの「○○に隠した」だの…。
二転三転するものの、どうやら自分の意志がある程度絡んでいるらしいことはわかりました(笑)
「失くしたら吹かなくて良い」的な発想が強かったので、学校から連絡を受けた後に、すぐ2本目を購入。
今考えると、この対応が今回の事件に発展したのかもしれません。
2本目紛失の判明は、学習発表会の朝
2本目のリコーダーを紛失したと話したのは、学習発表会当日の朝でした。
「そういえば、オレのリコーダーないんだった」
「そういえば」と話し、その後も慌てる様子がない時点で、ある程度本人なりに考えての行動だと思います。(賛成できないけど)
どちらにしても、あの時間から購入もできないので、「学校に行って、先生にすぐ伝えること」と指示をして、登校させました。
すぐに対応してくれた担任の先生
保護者が会場に入れるようになってから、すぐに担任の先生が駆けつけてくださりました。
「息子さんがリコーダーを失くしてしまったのを、把握できていなくて申し訳ありません」って。
いやぁ…先生が謝る必要ありません。
実際に最後の練習まではリコーダーを吹いていたようで、仮にお友達とのトラブルで紛失したとしても、せめてその時に息子が報告すれば、私たちで準備できた話です。
ちなみに今回の紛失について、息子も原因をつかみ切れていないようで、実際にお友達とトラブルの可能性も示唆していました。
だからと言って、吹かなくて良い話にはならないのです。
そこはやはり、もう息子にも理解しておいてもらわないと困ります。
トラブルになりやすいお友達については、私たちも学校も把握済みなので、必要があれば動くと、先生にもお伝えしました。
学習発表会本番での、息子の様子
そうこうしている内に、息子の本番が始まりました。
慌てたりグズってしまったらどうしようかという不安がよぎりましたが、一通り息子なりにこなして終わり、一安心です。
実際、どうしたかというと…
なんとエアギターならぬ、エアリコーダーをしていたのです。
ちゃんと、だいたいのリコーダーの大きさの位置で、ちゃんと指を動かせていました。
その指使いを見るだけで、息子なりにちゃんと練習してきたのは理解できました。頑張ったね。
帰宅してから息子に確認してみると、エアリコーダーについては、担任の先生に指示を受けたと話していました。
本番当日は、この意味がイマイチつかめていませんでしたが、後で目的が明らかになります。
写真注文の画像を見てビックリ
私たちの学校は、イベント写真をインターネット上で注文します。
本番の数週間後、いつもと同じようにイベント写真を注文するページを開いてビックリ!
なんと、息子がリコーダーを持っている写真があるではありませんか。
比較的アップで写っている写真の中に、リコーダーを実際に吹いているように、加工してくださった画像が何枚かあったのです。
私も去年まで撮影の仕事にかかわっていたので、あの枚数を1枚1枚確認し加工する手間については、それなりに理解できます。
その中で、息子にかけてくれた手間は、本当に大変だったと思うし、尊い作業だと思います。
もう本当に感謝しかありません。
カメラマンさんには直接お礼ができませんでしたが、学校を通してお礼を伝えていただきました。
息子にも状況を説明
息子には、実際に注文した写真が届いた段階で、説明をしました。
とても驚いていましたが、良い経験になったと信じています。
イヤなことから逃げ続けない
結局、学習発表会が終わった後、すぐ3本目のリコーダーを購入しました。
リコーダーを紛失した理由や状況は、実際に隠された経験も把握しており、必ずしも自発的なものだけではないのも想像できます。
でも、失くしたら吹かなくてOKという気持ちは、改めなければいけません。
授業で使うものを失くした時は、探す・周囲に伝えるなどして、自分が対応できるようになろうねと。
そこには、吹きたくないリコーダーと向き合う気持ちも必要ですし、トラブルに発展したお子さんとの対応も考える必要がありますよね。
自分だけの問題ではなく、色んな人が関わってくれている
「嫌いなリコーダーが無ければ吹かなくてイイ」という軽い気持ちかもしれないが、
時間を割いて探してくれたお友達や先生たち
当日イレギュラーな対応をしてくれた先生たち
画像を編集してくれたカメラマンさん
心配してくれたお友達のパパママ
…たくさんの人が息子の心配をしてくれて、支援してくれたり対応してくれたりしたことを、しっかり感謝できる人になってほしい。
そして、困っている人がいたら、同じように対応してあげられる人になってほしい。…と伝えました。
リコーダーの値段と価値
そして、もう一つ忘れてはいけないこと。
お金が動いているということです。
リコーダー自体は1,500円弱ですが、頻繁に買い直すと痛手です。
最近ようやくお金の使い道を考え始めた息子ですが、そのお金をどうやって稼ぎ運用しているのかなどについては頭が回っていない状態だったので、
身近なレベルに落とし込んでみました。
リコーダー以外にも、今後大切にしていないで壊したり失くしたりした時には、お小遣いやお年玉から徴収する可能性があること。
そして、息子は被害者側になることが多いが、これから加害者側になった時に、私たち親がどういう対応をするのか…。
実際に、弁償したり治療費を払ったり、請求することもありうることも一緒に考えてみました。
私たち親子が今回学んだこと
最初にもお伝えしています通り、今回の一連の対応について、読んでくださった皆さんの世代や環境によって、賛否両論があるのは承知しています。
正しいか正しくないか、好ましいか好ましくないか…皆さんの判断を私がとやかく言うつもりはありません。
あくまでも、私の一個人としての考えです。
事前に対応がわかれば、断っていた可能性も
学校や保育園・幼稚園などでの対応で、
運動会の順位をつけなくなった
劇の主役が多すぎる
…など、最近いろんな話題が挙がりますね。
正直なところ、個人的には少し否定的な見方をしていました。
だから、事前に対応を確認されていたら、私たち夫婦はお断りしていたかもしれません。
でも今回、思いもかけず自分が当事者になってみることで、少し考え方が変わりました。
今は、あくまでもその状況に対して、親や周囲がどう説明していくかが課題と考えています。
当事者になってみないとわからないこともあったと反省ですね。
とても貴重な経験だったことを実感する大切さ
前記で「事前にわかれば断っていたかも」と書きましたが、当事者にならず外から言っていた時の自分と、今の自分では考える重みが違うと感じます。
実際に、息子の様子が明らかに変わりました。
相変わらずだらしなくて頻繁に物を失くしますが(笑)、軽い気持ちで「隠した」「隠された」と言わなくなりました。
私たちも、今回の経験を踏まえて、軽い気持ちで逃げそうになっている時、その背景や周りで起こりうることを一緒に考えるようになりました。
ただダメって言っていた時よりも、息子なりに考えて判断するようになり、成長を感じています。
頭では色々わかっているつもりでしたが、経験は本当に大切です。
今回はそれを実感する機会に恵まれました。
周囲の皆さんに本当に感謝ですね。
ありがとうございます!
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