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いなか古民家ぐらし

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田舎暮らしや古民家暮らし、移住をイメージしたい人へ。 ひとり暮らしののち、2023年から2人ぐらしになりました。
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2021年8月の記事一覧

里山の雨のある暮らし #描写遊び

窓をあけた。 雨は止んだが、どんよりとしたグレーの空に、雨とは違った川の水が流れる音がする。 ある人が 「雨が降って得する人が、ワザと雨を降らせてるんだ」という。 それを聞いて、わたしは 「秋が早まって、長雨を降らせてると思ってた」と答える。 昨日の夜は、肌寒さといっしょに、すずむしが鳴いていた。 やっぱり、わたしは秋が来たんだと思った。 山と川が間近にあるこの土地に移り住み、半年が経った。 ダムのサイレン、警報を知らせる町内放送、道路の大きな水溜り。 どれもはじめての

里山の雨上がり

「今日こそは草刈り機で草を刈るぞ!」 わたしは手ぬぐいを首から下げて、意気込んだ。 ウィーン!と大きな音。 振動が手に伝わってくる。 その重さに、慣れない草刈り機の持ち方の定位置が定まらない。 予定してた範囲を、一旦刈りおえた。 大きく、太く成長した、まだ咲かぬコスモスを剪定した。 その茎を植えるために、鎌で土を掘り起こす。 あちこちに南天の木が根付いていて、掘るたびに根っこにぶつかる。 キレイに土を整えるのを諦め、まだあちこちに雑草の根を生やしたまま、コスモスたちを