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スマホ融資の利便性と注意点


1 スマホ融資とは


スマホ融資とは、消費者金融や銀行などが提供するアプリを通じてお金を借りる方法です。
新たな融資手段ができたわけではありません。従来の消費者金融やキャッシング、カードローンなどの手続き方法として、新たにスマートフォンのアプリも加わったのです。
 
スマホ融資にはつぎのようなメリットがあります。
 
①自分のタイミングで申込や借入ができる
スマートフォンだけで申込みから借入まで完結するので、金融機関の店頭窓口や自動契約機へ出向かずに手軽にお金を借りられます。
 
②多様な借入ニーズに対応できる
1万円など少額から数百万円程度まで借入できます。
即日融資が可能なアプリもあるので急な出費にも便利です。
 
③借入状況の確認や管理がしやすい
アプリで借入状況や返済日を確認できます。
返済シミュレーションも行えるため、計画的に利用できます。
 
④必要書類の提出がスマートフォンで完結できる
本人確認書類はスマートフォンで撮影した画像をアップロードでき、申込手続きが簡単です。
 
金融庁の「貸金業利用者に関する調査・研究」(2023年3月)からの引用です。
消費者金融利用者の34.0%、クレジット会社のキャッシング・カードローン利用者の26.7%がスマートフォンのアプリで契約しています。
アプリを提供する金融事業者の増加により、スマホ融資の利用も多くなっています。

2 スマホ融資の手続き方法


具体的な手続きや必要書類は、利用する金融機関によって異なるので、詳細は各アプリの公式サイトやサポートを確認しましょう。
一般的な手順はつぎのとおりです。
 
(1)アプリのダウンロードとインストール
まず、利用したい消費者金融や銀行の公式アプリをスマートフォンにダウンロードしてインストールします。
 
(2)アカウントの作成
アプリを開き、アカウントを作成します。メールアドレスや電話番号の登録が必要です。
 
(3)本人確認書類の提出
運転免許証やパスポートなどの本人確認書類をスマートフォンで撮影し、アプリ内でアップロードします。
 
(4)必要情報の入力
住所、勤務先、収入などの必要情報を入力します。正確な情報を提供することが重要です。
 
(5)審査の申請
入力が完了したら、審査を申請します。審査は通常、数時間から数日で完了します。
 
(6)審査結果の確認
審査結果はアプリ内やメールで通知されます。
 
(7)契約手続き
審査に通過したら、契約内容を確認します。契約手続きが完了すると、借入が可能になります。
 
(8)借入の実行
アプリ内で借入金額を指定し、借入を実行します。
指定した銀行口座に振り込まれるか、スマホATM取引(注)で現金を引き出せます。
(注)キャッシュカードを使わずに、スマートフォンでQRコードを読み取ることで、現金の入金(チャージ)や出金などができるサービス
 
(9)返済方法
銀行口座からの自動引き落し、銀行振込、提携ATMからの入金といった方法が一般的です。

3 借入ができるスマホアプリの種類

 
(1)消費者金融系のアプリ
プロミス、アイフル、アコムなど、消費者金融会社が提供するアプリです。
 
(2)銀行系のアプリ
三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、楽天銀行など、メガバンクや地方銀行、ネット銀行が提供するアプリです。
 
両者の特徴や相違点はつぎのとおりです。
 
①法律の適用
消費者金融系は、貸金業法が適用されます。そのため、年収の3分の1までしか借り入れができない総量規制があります。
銀行系は、銀行法が適用されます。総量規制の対象外ですが、独自の審査基準があります。
 
②金利
消費者金融系は、金利は比較的高めで、年利15%~20%程度が一般的です。
銀行系は、金利は低めで、年利3%~15%程度が一般的です。
 
③融資スピード
消費者金融系は、即日融資が可能な場合が多く、急な資金需要に対応しやすいです。
銀行系は、融資までに時間がかかることが多く、審査も厳しいため、即日融資は難しいことが一般的です。
 
④審査基準
消費者金融系は、審査が比較的緩やかで、アルバイトやパートでも利用可能です。
銀行系は、審査が厳しく、安定した収入が求められます。
 
⑤借入限度額
消費者金融系は、借入限度額は比較的低めで、数十万円から数百万円程度です。
銀行系は、借入限度額は高めで、数百万円から数千万円まで可能です。
 
⑥サービス内容
消費者金融系は、無利息期間やスマホATM取引など、利用者にとって便利なサービスが多くあります。
銀行系は、預金や投資信託の管理など、多機能なサービスが提供されています。

(3)クレジットカード系のアプリ
クレジットカード会社が提供するアプリです。
キャッシング枠が付帯されているクレジットカードを持っている場合は、審査なしでお金を借りられます。
 
(4)キャッシュレス決済系のアプリ
PayPayやFamiPayなど、キャッシュレス決済のアプリのなかには、借入ができるサービスもあります。
すでにキャッシュレス決済のアプリを利用している場合は、新たにアプリをダウンロードする必要はありません。
即日融資を受けられるアプリもあります。
なお、融資を受ける場合は別途審査が必要です。

4 スマホ融資の審査が通るためのポイント


スマホ融資の審査基準は各金融機関によって異なりますが、一般的なポイントはつぎのとおりです。
 
(1)個人信用情報に問題がない
過去の借入やクレジットカードの利用履歴に問題がないことです。延滞や未払いがあると審査に悪影響を及ぼします。
 
(2)多額の借入をしていない
カードローンなど、ほかの金融機関での借入が多い場合、審査に通りにくくなることがあります。可能であれば、借入を減らしておくとよいでしょう。
 
(3)収入と雇用状況が安定している
定期的な収入があること、雇用状況が安定していることが審査にプラスになります。給与明細や源泉徴収票など、証明できる書類で確認されます。
 
(4)借入希望額が適切である
収入および返済能力に見合った借入希望額を設定することが重要です。希望額が過大だと審査に通りにくくなります。
 
(5)在籍確認に対応できる
勤務先への在籍確認が行われることが多いので、事前に勤務先に伝えておくとスムーズです。
 
(6)簡易診断を利用する
事前に簡易診断を利用して、自分が審査に通る可能性があるか確認しておくと安心です
 
スマホ融資では、信用情報に加えて、独自の情報も加味した審査が行われています。
たとえば、購買や取引の履歴、申込時に入力するライフスタイルに関する質問などです。
その結果、従来は審査が厳しかった若年層や自営業者なども借入れしやすくなっているケースもあります。

5 スマホ融資の注意点


スマホ融資は、簡単に借入できる便利さの反面、安易な借入をすればリスクも伴います。つぎのような点に注意が必要です。
 
(1)必要以上に借入をしない
手軽に借入できるため、計画的に利用することが大切です。
事前に返済計画を立てて、無理のない範囲で利用しましょう。
 
(2)審査不要をうたう貸金業者が提供しているアプリは利用しない
法律上、審査なしで融資を受けることはできません。審査不要をうたうアプリは悪質な業者の可能性があるため、利用は避けましょう。
 
(3)後払い系アプリは使いすぎに注意
スマホ融資と似たようなものに、バンドルカードやPaidy(ペイディ)などのようなポストペイ型スマホ決済があります。
事前にチャージする必要がなく、利用した分だけ後から支払う仕組みの決済方法です。
チャージ不要で気軽に利用できる反面、使い過ぎてしまうリスクがあります。
定期的に利用明細を確認するなどの対策が必要です。
 

 
スマホ融資は簡単に借入ができますが、少額でも使いすぎると返済能力を超える借入をしてしまう危険をはらんでいます。
とくに収入や貯蓄が少ない若い世代は注意しましょう。
基本的には不要不急の買い物や衝動買いは極力避け、今の手持ちのお金で買えるものだけ買う姿勢をとる必要があります。
住宅ローンや奨学金、教育ローンなど真に必要なとき以外は借入をせず、お金を貯めてから使う習慣をつけることが大事なのです。

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