乳がん発見から一年間ダイジェスト 1

手術から一年が過ぎ、9月にはホルモン治療の服薬以外の治療は一段落となりました。
そういえば同人活動やら諸々の状況について告知を出したきりになっているし、お気遣いいただいた方々にも報告を上げておいた方がいいかと今頃になって思った次第。
まあ必要性は?というと考えるところですが……。
私は日常的にSNSを利用していますが、仕事中などTLを見ていない時間は多いので、フォローしている知り合いなど何か身体を壊された様子の時に「何!? いつの間に?」と遡って探すので近況報告がまとまっていると分かりやすいし、関係者以外も病気の体験記は探している人がいるかもしれない。
ただ、私の場合は、病状など人によって差があるのに人と比べることで余計な不安を持ちかねないと、病院で渡される資料以外の個人の発信等はまったく見ないようにしていたのですが。
……いきなり自分で記事の存在意義を否定してしまった。
ともあれ、話のネタにでも、この一年の経緯など書き留めておきます。

2019年7月1日 
がんの発見から手術に向けて

この辺は昨年ここで書いてもいるのでまとめて。

2019年6月28日 胸の痛みや出血?など異常を感じる
2019年7月  1日 3Dマンモグラフィ、超音波検査で乳がんを発見。即日マンモトーム針生検
2019年7月 9日 生体検査の結果、がんの診断確定
2019年7月11日 国立がん研究センター中央病院初診
2019年7月19日 国がんで超音波検査、MRI撮影

2019年7月25日 
術式決定……のはずが?

左乳房内に腫瘍がいくつも発生している状態だったため全摘出は確定だったのですが、ここで問題は乳房切除したままにするか、再建手術をするか。
正直言って、私としては大してこだわりはないものの、着る服に困ったり、身体の左右のバランスが崩れたりするのは難だし、保険適用で再建できるならやっておいた方がいいんじゃない?と。
かといって後から再建手術をするのは手間、自家組織移植で余分なダメージを負うまではしたくない。手っ取り早く乳がんの切除と同時に人工インプラントでの一次再建ということで……と、この日までは考えていました。

実はこの日が運命の分かれ目。
手術に向けての面談の予定でしたが一向に呼ばれず2時間が過ぎ、これは何かあるのか、長い話になるので順番を後に送られたのだろうと心していたところ、最後の一人になって通されて聞いた話が、
「数時間前、人工乳房インプラントがリコールにより使用中止となった」
それにより、自家組織を移植、つまり腹部・背中・腿などの組織を切って移植する方法を取るか、切除したまま再建なしか。オールオアナッシング。

また、この問題はその時点で再建予定で手術待ちだった患者すべてに関わってくる訳でスケジュール等も先行き不透明に。
実際、この出来事で2000人以上の手術が宙に浮いてしまったと聞きます。
最終の判断をするその日に計画変更ができたのは幸運だったのかもしれません。

2019年7月26日 
インプラント使用不能。術式は、今決めるしかない!

一日明けて、インプラントのリコールは朝からニュースになっておりました。状況急変の中、昨日はとりあえず一旦保留にして翌日に形成外科の先生に相談。
インプラントというシリコンの詰め物だけでなく、皮膚を引き伸ばすために術後に入れておくエキスパンダーという器具も問題のシリコン製のため、一旦エキスパンダーだけ入れて代替品を待つ選択肢もない。
再建を希望するなら自家組織での再建しかない。ないのだ。
自家組織を使用しての再建にもいくつか方法があり一長一短ではあるのですが、筋肉を削らず腹部の脂肪を血管ごと移植するダメージが少ない穿通枝皮弁法による自家再建に決定。
最初にもらった資料では高度な手術のため受けられる医療施設が限られるとのことだったのですが、さすが国立病院、問題なかった。
お腹を切るまでするつもりはなかったのだけど……せっかく高度な手術が受けられるのだし、腹に脂肪はあり余っている!
あとは諸手続きが済めば手術の日程が決まるのを待つばかり。

画像1

出典:乳房再建ナビ

2019年8月23日〜9月3日 
入院

ところで、がんに罹った人は職場に報告するかは対応分かれるようですが、私の場合は迷う余地なく検査を受けた即日報告。
自分の場合は部署の上長でもあり、忙しさには波のある職場なのですが年間でも最大の繁忙期が一ヶ月後に控えており、いつ手術が決まって入院となるか判らずピーク真っ只中に離脱もありうる状況では、それを踏まえてヘルプ人員の要請などしておくことが必須だからです。
結果としては、繁忙期を越えるまで手術の順番が来ず、人を入れてもらったので通院で休ませてもらっても万全に。

しかし、手術日と入院日の通告ってホントにいきなり前日にきましたね!
そりゃ前日までに知らせますとは言われていましたが、日帰りや2、3日の入院でないのにいきなり「明日から入院してください」とくるとは!
いつでも入院できるよう荷作りして待機していた訳ではないので、慌てて仕事の引継ぎして、必要なものは現地調達する方向で。
手術が月曜朝イチからとなるので、金曜からの入院で術前検査を済ませたら土日は病院で過ごすだけです。
突然すぎて、土曜は食玩の仮面ライダー色紙ARTの通販が届くことになっていたのでわざわざ外出許可とって受取りに自宅に帰ったりしています。

2019年8月26日 
左乳房全摘手術・自家組織による一次再建手術

さて、大きな外科手術は初めてでしたが、当日になってしまえばまな板の上の鯉。
乳がんの切除手術は2、3時間ですが、続いて穿通枝皮弁法での自家再建手術に入り5〜7時間を要するので、朝9時から開始して夕方までかかります。体力が必要となり高齢の人は例が少ないのも納得。
麻酔から醒めたのは18時頃でしたが、手術当日は機械に繋がれているので病室には戻らず。

術後も硬膜麻酔を入れているので大して痛みはないのですが、どちらかというと腹部の組織を取った跡を縫い縮めているので、体をまっすぐに伸ばせないので歩くのがたいへん。
それでも術後三日で歩行器を使って歩いてはいたのですが、ドレーンでの体液の排出も減ってきたので月曜の手術で金曜日にはもう退院OKとの判断に。
実は私、傷の治りなどはやたらと早い体質です。
それにしたって再建手術の入院日数って術後10日〜二週間じゃなかったか。念のため土日を挟んで様子を見て、翌週火曜の朝退院。
病院のごはんは美味しかったので、選択式のメニューを選んでいたのが食べられなかったのが残念。

抗がん剤による化学治療は術後一ヶ月ほどしてから始まるので、それまでは単純に術後の回復にあてる期間です。
退院した週末に大型台風襲来で、これで停電や避難が必要な事態になると困るなあ…と思いながら、住んでいる地域では何もなくとにかく寝ているばかり。
お腹の皮膚が伸びてくるまで真っ直ぐ立てないので歩く姿勢が前屈みです。まあ三ヶ月くらいかかるんですが。

退院から10日後、切除した腫瘍の病理検査の結果を聞きに行くことになるのですが、長くなるので一旦記事を分けることにします。





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