見出し画像

おじわんがすき

いつのころからかおじわんが好きになっていた。おじいちゃん犬のことだ。いつしかそれが、老父に似ているからだということに気づいた。
父となかなか触れ合うことができない。話そうとすると、母の邪魔が入ったり、私がどこかに行ってしまうからだ。
話しかけようとして私が立ち上がると、「え?」という顔をすることにいつしか気づいた。家に帰るというと「え?」という顔をすることにも。帰ってほしくないからだ。
老父と話すことを父も私も楽しみにしているのだが、なかなか訪れない。話していると揶揄するような人間が入ってくるからだ。
それに一緒に住んでいたころには仲良くもなかったし過干渉な父を嫌っていた。いつの間にかでていったと父は言っているようだ。
母が倒れて自分の体調も良くなくなって、実家に出入りするようになったけれど、新しくて東京の情報は受け入れられないし、まるでカルフォルニアから来た娘症候群だと感じている。
家々でなんとか回るように工夫うしていたことに横から口をはさむはめになる、なるべくしないでいようと思って入るけれど。
それよりも、それに振り回され過去のトラウマを呼び出してリしていてはいつまでたっても鬱が治らない。
治らないのは困るし、実家に背負ってもらうのは無理だ。この先、どうやって暮らしていくのか。電話のコールセンターなら年齢がかなりいってもバイトに雇ってくれるのは知っている。でもそれはそれとして、じぶんの仕事を少しでも回復させておきたい。少しずつでいいから。
何ヶ月も前に応募したインディードの求人、きのうメールが来ていた。今更だけどなんでも少しののぞみでもあるならやっておくべき。できるうちに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?