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2020.04.16 日記

仕事に行けず、引きこもる毎日を繰り返し、少しずつ昼夜逆転していった末に一周回って早寝早起きのターンがきている。

窓から入る陽で目を覚ます。
昨日、近所をお散歩して見つけたお花屋さんから連れて帰ってきた鮮やかな色が目に入る。
そういえばこの生活になってから目覚ましで起きることもなくなったなぁ。
何よりも寝ることが好きな人間にとって、それがどれ程幸せなことか。

朝の情報番組は今日もコロナ、コロナ、コロナ…。
突然、もう何も聞きたくないと情報を遮断し考えることを放棄してしまいたくなる。
テレビを消してぼーっとしてみる。
お散歩でもするか。

誰に会う訳でもないけれど、自分のために化粧をし、本当はお花見で着たかったワンピースを着て外に出る。
風に揺れる裾が可愛くて1歩進む度にときめく。
人が着てこそ可愛いのに、動くとこんなに可愛いのに、全然着てあげられなくて可哀想。

善福寺川沿いまで来てみるともう少しだけ歩きたくなってしまい、川沿いを進む。
ザ東京の川って感じだ。
コンクリートに囲まれて、一見綺麗そうに見える水の底にはたくさんのゴミが沈んでいる。
都会の川にもちゃんと鴨っぽいやつ、サギみたいなやつが住んでいるようで、ポチャンと音を立てて潜りまた水面に戻ってくるのを繰り返している。
ウグイスの鳴き声もどこからか聞こえる。
この景色だけ切り取れば平穏な休日にしか見えないのに、現実は殺伐としていて、そんな現実だからこそのこの休日なんだと思うと複雑な気持ちになる。

結構な距離を歩いてきてしまった。
あのパン屋さんで折り返そうと思いつき寄ってみる。
コンパクトな店内の混雑を避けるために、一度に3人までしか入店できないよう規制をかけているらしい。
最近はどこに行っても入り口に消毒液が置かれているけれど、みんなどこで買えるんだろう。
たくさんのパンが並ぶ中から、冷凍しても美味しく食べられそうな種類をいくつか選ぶ。
少し遠いけれど、また行きたいと感じるお店だった。

来た道とは反対側の川沿いを歩いて帰る。
川と団地の間にあるちょっとした公園のベンチに腰掛け、足元に散った桜を眺めながらさっき買ったヨーグルトの蒸しパンを食べる。
ふわふわとした蒸しパンにヨーグルトクリームが入っていてとても美味しかった。

ぼんやり座っていると、ふと背後に嫌な気配を感じた。
振り返ると天敵の鳩がいる。
直ちに避難。
こんな場所にはいられない。
あと少しゆっくりしたかったのに。

知らない土地を地図も見ず何も考えずふらーっとお散歩していたせいでいつの間にかものすごく遠回りをしていた。
普段昼間に外出することが苦手なので、久しぶりに長い間日光に当たり頭が痛くなってくるけれど、気が付かないことにする。
お散歩は結果13kmを超えていたようで、帰宅する頃には帰り道に買ったアイスコーヒーの氷が溶けてなくなっていた。

1週間程前に職場が営業できなくなってすぐ塗った爪がもう剥げてきている。
くすんだブルーに塗り潰し、ブルーのキラキラを乗せる。
好きな色で覆われた爪を見ると戦闘力が上がった気持ちになれた。

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