Star展と東日本大震災@森美術館

初めて美術館に入ったのは、高校二年生のときだった。家族との旅行先で偶然見つけた、田舎でひっそりやってるような美術館で、いまでも忘れない、横山大観の無我をみた。教科書で見るような作品を生で見たのもあり、意外とでかいな、とか質感、色の具合、子供の表情のぽっかり感などに、純粋に感動したエモい思い出がある。

ところで、これ。

奈良美智さんの絵だが、無我感半端なくないか。帰宅後に写真を見ていてひとりエキサイトし、激エモに浸った。


ということで、森美術館でやっていたStar展に行ってきた。素敵な作品ばかりにもかかわらず、なんと写真撮影可だったので、とりあえず恣意的に貼っていきたい。


村上隆さんの原発をみにいくよ、というショートムービーが一番印象的だった。デモに参加したけど、原発のことがわからなかったカップルが、現地に二号機を見に行くことにした、というショートストーリーが流れている。

東日本大震災のインパクトは凄まじい。地震直前直後に習った、数学のとある公式、確かヘロンの公式だったと思うのだが、ほとんどの生徒の記憶から落ちていた。ここの分野だけ異常に定着が悪い、みたいなことを数学の先生がおっしゃっていた。何食わぬ顔で生活してても、心身のショックは拭えなかったということなのだろう。

高一の時、5時間目の退屈な現代社会の授業中、うとうとしてたら起きたあの地震。机の下に隠れたし、校舎の外に避難した。泣いてる人がいっぱいいた。その後に続く余震も怖かった。電気が止まり、お店から食料がなくなった。電気が復旧し、テレビをつけると、津波の映像が流れた。アメリカの同時多発テロのニュースみたときと同じ、こんなこと本当に起きたの?という感覚。そのとき、日本にとんでもないことが起きたとやっと理解した。

この地震に関するあらゆることが、預かり知らぬところで進行し、ついていけなかった。人間は自然に勝てない、それだけ思っていた。この感覚はいまでもあったのだが、この「原発を見に行くよ」のショートムービーをみてちょっと変化があったかもしれない。人類が滅亡したらこんな風景なのかな、と言いながら、海から吹く風は冷たいし、鳥は鳴いてるし、花粉症でくしゃみは出るし、日常は変わりなく進行している。日常は変わりなく進行しているのだ。

現代美術って、見てて面白いけど、なんかよくわかんなかった。だけど、わたしの受け方の問題かもしれないのだが、こんなことを伝えたいのかな?と強烈なメッセージ性を覚える瞬間があり、すごく重いし難しいし、やっぱり分からない。この感覚を楽しむのが現代美術なんでしょうか。やばいですね。。。

#star展 #森美術館 #村上隆 #原発を見に行くよ

夢に向かって頑張ります‼