「昨日私は学校に行った」を英語に訳して声に出すのに何秒かかりますか?

今日とある授業の中で英語のプレゼンをした。
その授業が終わった後、何人かのクラスメイトが僕に声をかけてくれた。「どうやってイタリア語や英語を『話せるように』なったの。」と。
僕を知っている人で英語を勉強したい人がいるかもしれない。そんなあなたのために、今日は英語を「話せるように」なる方法を説明する。
※今回想定しているのは、中高でカバーされる英語の文法が一通り頭に入っていて、TOEICで点数は取れずとも「読んだり」「聞いたり」して内容が分かるが「話す」ことができない人だ。

イタリア語を話せるようになる前はその質問への答え方をわかっていなかった。僕はがむしゃらに練習して話せるようになった、とだけ考えていた。というのも、英語はそこまで難しい言語だとは思っていないからだ。たぶん読んでいるあなたは「何を言ってるんだ」と言っているだろう。そう思っている人のためにその真意を説明する。

イタリア語を学ぶと、英語がいかに簡単な言語かということを思い知らされた。そして「話せるようになる」ためにはしっかりとしたテクニックを使って考えながら練習しなければならないことに気が付いた。
というのも、イタリア語の文法は英語のそれよりずっと複雑で、ただやみくもに勉強していても進歩しないからだ。動詞には6種類の活用15種類前後の時制があり、名詞は男性女性、単数複数で区別しなければならず、それに応じて冠詞や前置詞、形容詞の形も変わってくるのだ。もちろん英語のようにコロケーションもあるため、パズルをするような感覚で文を作る必要がある。

英語とイタリア語の違いは文の中の一つの単語を変えた時に影響を受ける語句の多さだ。

「昨日は学校に行った。」
英: "Yesterday, I went to school."
伊: "Ieri, sono andato a scuola"
「昨日私たちは学校に行った。」
英: "Yesterday, we went to school."
伊: "Ieri, siamo andati a scuola."
もちろんこれは場合によっては逆転することもある。しかし全体で見た時にこの差は大きくなる。

文を作る際の思考の時間もこれに比例する。上の例でいえば、英語の文を作る際は"We"を思い出すだけで済むのが、イタリア語の文を作る際は二つの単語を思い出す必要があるからだ。これを一つ一つ思い出してもあまり影響は出ないが、実際の会話で、イタリア語の速いテンポの中で一つ一つ思い出していてはもう全く喋れなくなってしまう

そこで大事なのが「自動化」だ。
「自動化」を僕は「文を作る時間ための短くする作業」ととらえる。
「文を作る際の脳の負荷を少なくする作業」とも言い換えられるだろうか。
文法が頭に入った人がその時間をかけてしまう要因の一つにこの「自動化」ができていないということがある、と僕は考える。

どういうことか上の例を使って説明する。
上の文を英語にする際に、まず初めに「昨日」、「私/私たちは」、「学校」、「に」、そして「行った」、このそれぞれにあたる英単語を思い出す必要がある。そして日本語と英語は語順が異なるのでそれを英語のルールに従って並べ替える。
この一連のプロセスを早くするのが「自動化」ということである。

「わかったけどじゃあどうするんだよ?」
多分読んでいるあなたは思っているだろう。わかった、今から説明する。

パッセージを音読するのは自動化にとても有効だと考える。
もちろん単語を覚えるのにはほかのやり方のほうが適しているかもしれないが、コロケーションや熟語表現を覚えるにはいい方法だと思う。繰り返しになるが上の例を使うと"Went (go)"の次はたいていの場合"to"が続く。この二つの単語をひとかたまりとして覚えるために音読はとても有効だ。
音声があるならば、その録音された音声と自身の発話の差を徐々に広げていきスクリプトのない実際の発話に徐々に近づけていく。そしてゆくゆくは脳が作文の疑似体験ができるようになる。

単語は使いながら覚えていくしかないので、自分が話すことの少ない話題についての単語はどうしても覚えるのに時間がかかってしまうが、思い出そうとするそのプロセスが大事なのですぐに翻訳に頼ることなくある程度自分で頑張ることをおすすめする。

最後に、最初のうちは発話練習を一人ですることをおすすめする。一人ですることによりミスに対する抵抗が少なくなるからだ。駅までの道で話すもよし、風呂の中で話すのもよしだ。


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