滑らかな社会と辿々しいわたし
大判焼きをふたつ買う夢を見た。幸せになろう、と思う。
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年末、かつてとてもとても好きだった男の故郷の隣町の温泉に恋人と旅行をしたら、スリルとリスクに塗れて怯えながらも離れられない恋愛、を、日の当たる場所で手を繋いで歩ける生活、にしませんか、と恋人が言うので、そのようにすることにした。
結婚願望など微塵もなかったし、それを半ば公言してもいた。一方で、恋人は「普通」の結婚願望を公言していたし、言葉を選びながらではあるけれどもわたしに結婚願望の有無だとか子供を産む意思の