髙木さんちの嫁の日記

キスした彼が来てくれました
待ち合わせをしたのは、初めて会った
彼が通っていたスポーツジムの駐車場でした
「寝ていた？ごめんね　突然」
「いいよ、全然」
「初め電話した時出ないから、諦めようって思った」
「なんか鳴ってるって、思って、電話たら切れて、着信履歴みたらあって思って
掛け直ししてんだ」
彼の家族は旅行によく行くようで
今回は、たまたま家にいたそう
　これも偶然かも
もし旅行に行っていたらもう、会えなかったかもしれない
　「どこか行きたいところある？」
「海見たい、あいつと別れて来た」
私の手にはトラック運転手が作った
カレーの入ったタッパーがあった
　「それ捨てる？別れた奴のなんて　
　　　捨てればいいよ」
私は彼の車に乗り込んだ
彼は、「お腹すいちゃってセブン寄る
　　　　　ね　何かいる？」
「何もいらない」
彼は焼きそばを買って車の中で食べ始めた
「この人は気取らない人なんだ」と思った

　　　　つづく