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六月の空

この街の6月は時々、子供の頃の夏休みのような気配と空を感じさせる

不思議なもので、懐しさとか追憶とか、現状の色々な気持ちがかき混ぜられる
ざわつく胸が、少しだけ痛む
沈めておいたものが、撹拌される

そして、そんな時にそっと降りだした、柔らかい雨の匂いが心に注がれると、体が布団に溶けるように微睡んでゆく

胸の中の水溜まりのように広がる、蓄積されたあらゆる思いが、カクテルのように変化する

空に手は届かないけれど、過去から未来に繋がっていることを、この街の現在から定点観測する


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