歩道に佇む山茶花

強い風に乗って、枯れ葉が路肩や植え込みに吹きだまりました。なので歩道は掃き清められた様に綺麗です。

そこにぽつんと山茶花が一枝、座り込んで星空を見上げておりました。

誰かのいたずらか、風のいたずらかはわかりません。近くのベンチの奥には、同じ花が咲いています。

通りすがりの私は、ただ美しいものに出会った喜びと、その儚さを憂いておりました。

夜空は少しの雲と流星群を携えて、静かにそこにありました。

街角には僅かながらイルミネーションが灯り、行き交う人も疎らな夜。歩道に落ちた一枝の山茶花は、何よりも鮮やかに見えました。