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ハロウィン

去年のハロウィンの前に7歳になったばかりの次女に、「今年のハロウィンはグレーでおじいさんから帽子をもらうやつになりたい」と言われた。
何、なぞなぞ?!

「もう少し詳しく教えてくれる??」とよくよく聞くと「雪が降っていて寒い」ということと「首に赤いのをつけている」ということが判明した。

「傘子地蔵」である。
そうきたか。

娘は夫のグレーのワッフル地のカーディガンを借りることにした。袖は手指の先まで隠れるし着丈も膝くらいまである。グレーのレギンスに友達のお下がりのグレーのTシャツも持っている。アマゾンで、グレーのニットキャップを数百円で購入してあげた。家にあった赤いフェルトを丸く切りとり、前かけも作った。これまた家にあった、白いフェイスペイントに黒を混ぜてグレーにし額と鼻筋と頬を塗った。カメラを向けると手を合わせて深いお辞儀をする。親バカ全開を臆せず言うと恐ろしく可愛い地蔵であった。

ハロウィンが終わった数日後、、

ろくろっくびって何?と聞かれた。着物着てて、首が長い女の妖怪だよ、と教えると、来年はそれになりたいと言う。

え、ちょっと難しくない、、、?!
と言う笑い話をアーティストの友人にしたら、「こんなふうにしたらできるんじゃない?」と後日、ろくろっ首のイラストの図解が送られてきた。頭の上まで着物で、首と頭が繋がっている棒を手で持って歩く仕組みだ。
いや、、それも結構高度な、、、

翌年のハロウィンの季節が巡るまで「自由の女神」になりたい、「蜘蛛」になりたいなどと変遷があったがなかなか決まらなかった。どれも去年の傘子地蔵に敵うインパクトに欠けていたようだ。

でもようやくハロウィンの2週間前くらいに決まった。長女がタコに、私は山姥になると決まったので娘は間をとって(多分水テーマと妖怪テーマの間??)河童にすると言う。それは名案だ!!

娘は早速、段ボールで大きな甲羅を作り緑色にペイントした。紙皿で頭の皿も作った。水色のフェルトを見つけてきて丸く切って皿の上に貼っている。皿の水らしい。不織布のマスクの中央に黄色いくちばしを描き周りを緑色に塗った。キュウリや塩も作った。(我が家は長く切ったキュウリに塩だけ振ってよく出すので二つはセットという認識らしい)甲羅の内側に隠しポケットがついていてキュウリと塩はいつでも背中から出せるようになっている。

頑張って衣装を手作りしているのでサービスで水掻きがついた手袋を緑色のフェルトで作るのを手伝った。彼女は縫い物もなかなか上手なのだ。緑色のタイツもオンラインで購入してあげた。深緑のモックネックのシャツに、私の緑のTシャツを上からはおる。家に遊びにきた服飾大学卒の友人にちゃっかりクロックスの上からつける水掻きの足もフェルトで作ってもらった。

娘に触発され、私にもにわかに河童ブームの波が押し寄せる。河童のLINEスタンプを2種類も購入してしまったし店で緑色のものを見ると過剰反応してしまう。ネットで二人で河童の鳴き声を検索したり、緑がテーマカラーのメイク動画も見てしまう。

当日娘は緑アイテムを一つずつ身につけ、甲羅を背負い、水掻き手袋をはめる。カメラを向けると甲羅が写るように斜め後ろ向きに立ち、首だけくるりと振りむきポーズをしてくれる。庭の隅っこに佇む姿がリアル河童すぎて、楽しすぎる。

傘子地蔵に負けぬ劣らぬ可愛さに母は気絶寸前である。

来年はどうするの?!



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