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「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」ツアーに参加して

こんにちは。「ひらく」1期の三宅です。
「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」ツアーは、チカホなど札幌駅前通の施設でおこなわれた展覧会「サッポロ・パラレル・ミュージアム2023」のイベントでした。ツアーは、2023年2月5日の午前・午後と2回ありました。そこに何人かのひらくメンバーが参加していたので、後日、zoomで感想共有しました。以下、その「ふりかえりのふりかえり」の記録です。
 
まず、どんなツアーだったかを共有しました。ひと作品15分鑑賞×3作品に加え、移動とふりかえりを含めて合計2時間、同じ作品を同じ順で鑑賞していました。次に、鑑賞時に出た感想などを共有しました。どちらの回も似かよった意見や質問が出ていましたが、その回独自の感想もありました。

チカホを移動して次の作品を見に行きます

その後、ツアー全体を通して感じたことや考えたことを、それぞれ話しました。ツアーのふりかえりのふりかえりです。そこでは、「目の見えない」「白鳥さん」とアートを見に行くということを、それぞれがどう受け止めていたかという点で、話が盛り上がりました。

これまでに目の見えない人とアート鑑賞した経験のあるメンバーによると、こちらの発言に対して見えない人が思いもよらない反応をすることがあり、そのことを通してさらにこちらが考えたり感じたりするのが不思議な体験だった、とのこと。これに対して、白鳥さんは、質問や感想はその場では何も話されないため、見えない人と一緒に作品を味わう感じではなく、みんなで作品鑑賞を楽しむツアーと変わらなかったそう。確かに、展覧会を何人かで見るのと同じ感じでした。

次に、では白鳥さんがいることで何が違ったのか?という話題になりました。白鳥さんは場づくりがとても上手で、鑑賞時には「うんうん」と絶妙なタイミングで相槌が入りました。そのおかげで、白鳥さんと初対面なのに緊張せずについつい話したとか、きっと自分が立っているだけは誰も何もしゃべらないだろうな(笑)という感想も出ました。白鳥さんを通して参加者が打ち解ける瞬間を感じたというメンバーもいました。 

位置を変えて同じ作品を鑑賞

白鳥さんご自身は、かつては質問など投げかけていたそうですが、現在、ツアーでは黙って、知らない人同士が作品を見てワイワイいっている場の雰囲気を「ただ楽しむ」のだそうです。「目標があるわけではないので、黙ったまま時間が流れるのも悪くない。」というコメントに対して、対話による鑑賞のファシリテーター経験者から、会話が出尽くした沈黙時に場を切り上げる声掛けのタイミングは絶妙だったという意見も出ました。

「ただ楽しむ」という点について、さらに話が盛り上がりました。よく分からない作品を見る時には、何か意味付けしたくなっていたというメンバーは「意味のない作品もたくさんあるじゃん?」と言われて、そのまま見ればよいのかーと今後の鑑賞の仕方が変わる予感がしたそうです。目が見える見えないではなく、その場を楽しむことができる人が集まってアートをただ楽しむ、今回のツアーはそんな時間だったなと、ふりかえりのふりかえりを通して気づきました。

ツアーのふりかえり

最後に、展覧会自体の感想を。現実にはありえない状態で日常品が存在している作品もあり、そこにパラレルさを感じました。まち歩きをしながらアートを楽しむ企画、面白かったです。スタンプを集めて絵ハガキをもらえたのも嬉しかったです。昨年に続き2回目の開催だったそうですが、来年も楽しみにしています。(三宅美緒)

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